アパレル企業特集

2023.01.04

PORTER(株式会社吉田)

働くうちにPORTERが大好きになる
広く愛されるブランドであり続けるための店舗のあり方

国産の鞄メーカーとして80年以上の歴史がある株式会社吉田。製造工程の全てを国内の職人が手掛け、メイド・イン・ジャパンのものづくりにこだわっています。そんなこだわりから生まれた鞄を売る販売スタッフはどんな人たちなのか?仕事のやりがいはどこにあるのか?店長の野澤さんとスタッフの花重さんに話を伺いました。

今回、この方にお話を伺いました!

PORTER表参道 店長

野澤 寛幸さん

PORTER表参道 店長 野澤 寛幸さん

大学在学中からファッションに興味があり、在学中にアパレルショップで働く。卒業後は飲食業界に就職し、その後株式会社吉田に転職。直営店や百貨店内の店舗で経験を積んだ後に、PORTER表参道の副店長に就任。2019年からは同店の店長を任されている。

PORTER表参道 スタッフ

花重 陵汰さん

PORTER表参道 スタッフ 花重 陵汰さん

大学時代はスポーツショップなどでアルバイトを経験。卒業後はシューズショップでキャリアをスタートさせ、その後店長となる。2020年に株式会社吉田に転職。現在はPORTER表参道のスタッフとして販売の仕事に従事する。

87年変わらず国内生産にこだわるものづくり
その真摯なスタンスは社風にも落とし込まれている

お二人とも転職でPORTERに入られていますが、どのような入社経緯だったのでしょうか?

野澤:昔からファッションに興味があり、大学時代はアパレルショップで働いていました。卒業後は飲食の仕事に就きましたが、心のどこかでファッションやものづくりが好きだという気持ちも残っていました。
転職を視野に入れていたある日、PORTERの求人を見つけたのがきっかけでした。身近では両親が使っており、また有名人など色んな人が愛用しているブランドというイメージでしたが、調べるうちに日本製のこだわりのものづくりに興味が沸き、ここで働いてみたいと思いました。

花重:私はもともとスポーツをやっていて、大学卒業後もスポーツに関連する仕事がしたくて靴の会社に就職しました。販売をはじめ、仕入れなどさまざまな業務に携わりながら5年ほど忙しく働いたところで、新たなチャレンジをしたいと転職を考えました。
前職ではスニーカーから革靴、サンダルなど、幅広いジャンルやブランドの商品を販売していましたが、転職先では自分が良いと思えるブランドや商品に携わりたくて、自分の持ち物を見回したときに浮かんだのがPORTERでした。

入社して、どのような点にPORTERの魅力を感じましたか?

花重:ブランドが生まれて87年もの長い間、ずっと国内生産にこだわっていることや、国内の職人さんの力になりたいという思いをぶらさずに商品を作り続けていることです。
また、他ブランドとのコラボレーションが実に多彩であることも魅力です。ファッションだけでなく、家具ブランドとのコラボレーションを知った時は驚きました。家具と鞄がミックスして商品ができるのは新鮮でおもしろいですし、コラボレーションをきっかけにPORTERに興味を持つお客さまが増えるのを肌で感じました。

野澤:私が感じるPORTERの魅力は、ニュートラルで使う人や場面を選ばずに使えるところです。PORTERのアイテムは、ファッション感度の高い方がファッションアイテムとして身に付けていらっしゃったり、ビジネスマンや学生の方が機能性を求めて使われていたりと、本当に幅広い層のお客さまにご愛用いただいています。使う人や使い方によってその魅力が変化するのは、PORTERならではじゃないでしょうか。

また、吉田という会社は、商品から伝わってくる真摯で丁寧なスタンスと同様、礼儀を重んじることや相手を敬う価値観をとても大切にしています。それは入社前に感じていた印象と変わりません。

花重さんは前職で靴の販売をされていましたが、転職後にギャップを感じた点はありましたか?

花重:むしろ共通点を感じることが多かったです。一番は何かしら目的を持ってご来店いただくお客さまが多いことです。
たとえば前職でランニングシューズをお探しのお客さまには「ランニングをするならこういう軽量モデルがあります」などとご提案していましたが、今、鞄を求めてこられたお客さまにも、「オンオフ兼用にするなら、かっちりとしたビジネスバッグも良いですが、ナイロンを混ぜたものでもスーツやジャケットに合わせられますよ」など、お客さまの目的に合わせてご提案しています。扱うアイテムが変わっても、お客さまへのアプローチ方法は共通点が多いので、入社後も比較的スムーズに馴染めました。


「いい買い物ができた」だけでなく「使って良かった」と喜んでいただきたい
商品への愛着と自信があるからこその想い

普段のお仕事の様子について教えてください

花重:オープン前に店内の掃除やディスプレイの確認、朝礼を行います。オープン後は接客を中心に行い、閉店後に終礼と発注準備、次の日の準備をします。

接客以外にも、SNS投稿の撮影や入出荷業務等、さまざまな仕事があります。私は、ディスプレイに関わる仕事に興味があり、特に力を入れています。PORTER表参道は、2フロアの大きな店舗なので、商品が抜けていないか、きれいな状態で置かれているかなど、特に気を付けて見ています。

野澤:VMDは、本社と店舗のスタッフが協力し合って創り上げています。商品の特性が出るように配置する、お客さまが手に取りやすい導線を作る、といったディスプレイの方針はありつつも、何をどう見せるかは店舗に大きく委ねられています。

店舗業務に関しても役割を固定するわけではなく、各スタッフがさまざまな業務を経験し、全員が業務全般をカバーできるようにしています。花重のようにディスプレイの業務に興味があればディスプレイの比重を多めに、といった調整は店長である私の役割で、各スタッフが成長したい方向性を理解した上で、そのための経験を得られるように考えています。

本社と店舗の距離の近さを感じました。VMDのように協力して行う業務はほかにもあるのでしょうか?

野澤:たとえばSNSの発信があります。店舗スタッフが「この商品がよく手に取られているから紹介したい」と提案して本社スタッフが撮影に来たり、逆に本社から「この商品を撮ってほしい」と依頼があって、撮影自体は店舗で担ったり、ということがよくあり、さまざまな業務を協力し合っています。

本社との距離は本当に近くて、本社スタッフがよく店舗に足を運ぶのも当社の特徴です。そのときに交わしたあいさつをきっかけにコミュニケーションが生まれ、お互いに相談し合ったり、そこから協業が生まれたりすることも多いですね。

仕事をする上でやりがいを感じることや、うれしかったエピソードなどあれば教えてください

花重:私はディスプレイがお客さまにどのような影響を与えるかに興味があるので、お客さまが色々な商品に興味を持ってくださるのを見るのがうれしいです。自分が並べた商品の前でお客さまが立ち止まってくださり、実際に商品を手にとって購入していただけたときは、「こだわって良かった!」とやりがいを感じます。

接客では、入社したての頃に初めて自分の顧客になってくださったお客さまが印象に残っています。私と同世代の方で、最初のご来店時はギフト用の革小物を探されていました。店舗に出ていない商品をご提案したところとても喜んでくださり、それから定期的にご来店いただけるようになりました。そのお客さまは、ご来店時に私がいなければ買わずにまた来てくださったり、転勤があっても表参道で私から買いたいと言ってくださり、私にとって本当に大切なお客さまです。

この方だけでなく、「花重さんに会いたくて」と言って来店いただけるお客さまや、東京に来るたびにお店に寄っていただける地方在住のお客さまがいらっしゃいます。この仕事をやっていて良かったと思える瞬間です。

野澤:当社では、スタッフからお客さまに手紙を書いてお送りしています。商品のアフターケアの話や、お客さまのライフスタイルに関する話など、お客さまに合わせて自由に手紙をしたためます。
そのおかげもあってか、お客さまがスタッフを指名してご来店くださったり、遠方から来ていただけたりすることが増えてきています。

野澤さんのお仕事上でのやりがいについても教えてください。

野澤:私がうれしかったのは、部活などの引率に使う鞄を探しに、学校の先生がいらっしゃったことです。用途を詳しく伺ってご提案した商品を購入くださったのですが、後日、「やっぱり使いやすかったよ」と感想を言うために再来店くださったんです。
「いい買い物ができた」という言葉ももちろんうれしいですが、鞄は道具ですので、「使ってみて良かった」と思っていただけることが何よりうれしいです。販売に携わる者として、本当にやりがいを感じる瞬間です。

接客以外では、目標のために店舗も本社も一丸となって動くことが楽しいです。たとえばイベント企画が動き始めたとき、ディスプレイやお客さまへのご紹介、SNS発信、など、それぞれが役割を担いながら同じ目標に向かっていく充実感があります。
イベントが満足する結果に終わったときの、やりきった!という満足感はとても気持ちが良いですね。


働いていくうちにPORTERが大好きになっている、そんな職場

お二人が今後目指したいキャリア像をお聞かせください

花重:接客スキルをさらに磨いていくことはもちろんですが、ディスプレイについてももっと学んでいきたいです。会社の意図と現場の目線を併せ持って、売り場に反映できるようなスタッフになりたいです。ゆくゆくは副店長や店長などマネジメントのポジションになって、PORTERを幅広い年代層の方や、国内だけでなく海外の方など色んな人にもっと知ってもらえるような役割を担いたいです。

野澤:今は PORTER表参道の店長ですが、今後は複数の直営店舗を統括できる人材になっていきたいです。当社は今、直営店が増えている途上なので、小売のノウハウを会社としてもっと蓄積していく必要がありますし、PORTERでのキャリアが長くない中で抜擢された店長も増えています。私が店長として経験してきたことを、複数の店舗を見ることで伝えていきたいです。

最後に、どんな人がPORTERに向いているか、どんな人と働きたいか、メッセージをお願いします!

花重:PORTERが好きな方はもちろん、今はまだPORTERのことをあまり知らない方でも、たとえばファッションが好きな方、あるいはこれまで何かに打ち込んでこられたような方は向いていると思います。
私も最初は分からないことだらけでしたが、周りのスタッフに聞きながらインプットとアウトプットを繰り返し、自分で考えて提案などもできるようになりました。経験も大事ですが、それよりも興味や意欲のほうが大切だと思うので、ぜひ勇気を持って飛び込んでもらいたいです。

野澤:アートのイベントを表参道の店舗でやっていたり、様々なジャンルのイベントやコラボレーションがあるので、カルチャーに興味がある方はなお楽しいと思います。PORTERでの仕事を通じて、休日のアート巡りが趣味になったスタッフもいるほどです。
また、お客さまはもちろんのこと、本社スタッフと話し合ってお店を作っていますので、人と関わりを持つのが好きな人にとっては働きやすいと思います。そういうスタッフは、いつも楽しそうに働いている印象がありますね。

入社時点で鞄の販売をしていた人は少なく、色々な経歴を持った人が集まっています。謙虚で吸収力のあるスタッフが多いので、すぐに慣れて活躍していますし、そして何より、みんなPORTERが大好きです。入社当初は、「PORTERに興味あります」くらいの人たちが、働いていくうちにPORTERを大好きになっている、そんな職場です。一緒に働けるのを楽しみにしています!

PORTER(株式会社吉田)

PORTER(株式会社吉田)

事業内容 鞄の製造・卸販売・小売
事業所 東京都千代田区東神田 1-17-6
設立 1935年4月1日
代表者 吉田 幸裕
従業員数 225名(2022年12月現在)
資本金 2,000万円

アパレル企業特集 最新記事

アパレル企業特集一覧