アパレル企業特集
2022.12.20
BERLUTI(ベルルッティジャパン株式会社 ※LVMHグループ)
“ビスポーク”ならではのお客さまとの関係性づくりとは?
ベルルッティの販売職の魅力とやりがいに迫る
1895年にフランス・パリで創業したベルルッティ。高級紳士靴・レザーブランドとして知られていますが、現在では靴だけでなく、紳士服や家具など、幅広い商品を展開しています。
今回は、ベルルッティ銀座並木通店ストアディレクターの岡本さん、そして販売職として働く村田さんと大川さんに、お客さまとの関係づくりや仕事のやりがいについてお話を伺いました。
もくじ
今回、この方にお話を伺いました!
ストアディレクター
岡本 英朗さん
大学卒業後、約25年間にわたり販売職の仕事に従事。10年前にラグジュアリーブランドを扱う企業へ転職し、ラグジュアリーブランドの販売経験を積む。その後ベルルッティ銀座店のストアディレクターとして転職、現在に至る。
シニアセールスアソシエイト
村田 充さん
新卒でセレクトショップの販売員として、メンズドレスを担当。ベルルッティへは4年前に転職。現在は販売員としての仕事に加え、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)の店舗担当として、銀座店の店舗づくりの役割も担う。
セールスアソシエイト
大川 沙彩さん
大学卒業後、百貨店の紳士フロアの担当としてキャリアをスタート。その後ラグジュアリーブランドの販売職として転職し、1年前にベルルッティの販売職として入社。
カスタムのご提案から全身フルコーディネートのご提案まで、
お客さまを飽きさせないのがベルルッティの魅力
まずはベルルッティに入社した経緯について教えてください。
岡本:きっかけは、転職エージェントからベルルッティ銀座店店長のポストを紹介いただいたことでした。知人がベルルッティで働いていて話を聞いていたこともあり、私もメンズファッションの最高峰と言われる場所で挑戦してみたいと思っていたところでした。そんな中でご縁があり、また配属先がベルルッティで1,2を争う規模の旗艦店だったこともあって、転職を決断しました。
村田:前職ではセレクトショップでメンズドレスの販売を担当していました。新規のお客さまを高回転で対応する接客スタイルを数年経験し、今度は時間を掛けてお客さまと向き合い、接客の質を高めることによって大きく成長できるのではないかと考え、転職を決めました。
もともと私はスーツやジャケットなどクラシック寄りのファッションに興味があり、革靴がとても好きなんです。ベルルッティは革靴から始まったブランドでありながら、洋服も展開してパリコレに出ていたこともあります。そんな革靴だけにとどまらないブランドであるところが、とても魅力的でした。
大川:きっかけは私も岡本さんと同じく、転職エージェントからの紹介でした。当時はベルルッティについてあまり詳しくなかったのですが、百貨店勤務のときにお客さまが身に着けていらっしゃるのを見て、美しい色合いのレザーやカリグラフィが印象に残っていました。そのため、お話をいただいたときは少し畏れ多い気持ちもあったのですが、美しいベルルッティの商品を販売してみたい気持ちや、ベルルッティを日本のお客さまに広めることができたら素敵だなという思いから、入社することを決めました。
入社してから感じるようになったベルルッティの魅力はありますか?
大川:お客さまに提案できることの多さです。ファッションの販売は、お客さまのご要望に合わせて販売員が商品を紹介し、購入いただくのが一般的な流れですが、ベルルッティの場合は、それ以上にさまざまな楽しみ方ができるブランドです。
たとえば革を独自の技術で染色するパティーヌや、カリグラフィ部分に色を入れるゴールデンパティーヌ、職人との対話から作り上げるビスポーク(※)シューズや「グランムジュール」と呼ばれるビスポークテーラリングなど、お客さまのご購入にあたって、よりお客さまらしいアイテムのご提案をたくさん行うことができます。
※ビスポーク:be spoke が由来の言葉で、顧客が職人とじっくり話をしながらオーダーメイドで製品を作り上げること。
ビスポークシューズはビスポークで靴を仕立てること、ビスポークテーラリングは、ビスポークで服を仕立てることを指す。
村田:ベルルッティは「頭の先から爪先までフルオーダーできる」と言われますが、お客さまの全身をコーディネートできるブランドであることが何よりの魅力です。
また、買って終わりではないお客さまとの関係性も魅力のひとつです。ベルルッティは、ご購入いただいた靴やバッグなどを無料で磨くサービスがあり、購入目的でなくても、気軽に店舗に足を運ばれるお客さまが多くいらっしゃいます。また、カラーを後から変更することができるのも特徴で、「いつでもお磨きに来てください」「パティーヌの相談があったら持ってきてくださいね」と長く関係性を育んでいける、温かみのあるブランドです。お客さまが長くご愛用くださっている過程を一緒に味わえるのはすごく嬉しいです。
岡本:私がこれまでに経験してきたラグジュアリーブランドと比較して感じることは、お客さまとの絶妙な距離感です。
ベルルッティは、ビスポークに代表されるように、お客さまと対話しながら靴やスーツを作り上げていくことが多く、お客さまと一緒に答えを見つけていく関係構築を目指しています。世界最高峰のラグジュアリーブランドでありながら、距離感の近い接客スタイルであるのがベルルッティらしさだと感じます。
入社前は、お客さまは皆さまジャケットに革靴で来店されるようなフォーマルなイメージを持っていたのですが、実際は意外とカジュアルでラフな装いの方が多いです。そのギャップに良い意味で裏切られたことを覚えていて、これもお客さまとの関係性を表しているようにも思います。
お客さま中心の会話から、深く長く続く関係を構築する
普段、接客のお仕事をする中で、どのようなことを意識して仕事に取り組み、どんな時にやりがいを感じますか?
大川:ベルルッティの接客において、会話の軸は商品ではなく、お客さまです。入社当初、「商品軸ではなくお客さま軸での接客を心掛けましょう」とアドバイスを受け、どのように会話をすればお客さまがその時間を楽しんでいただけるだろう?と試行錯誤でしたが、次第にお客さまからライフスタイルやこのあとのご予定など、個人的なお話を伺えるようになり、そこを起点に商品のご提案ができるようになりました。
強く印象に残っているのは、購入されたお客さまからのアンケートで、初めて私の名前を出してお褒めの言葉をいただいたことです。当時は仕事にようやく慣れてきたと同時に、自分の至らない点を自覚し、少しスランプのような時期でした。そのため、そのアンケートを見たときは涙が出るほどうれしくて、ベルルッティで頑張ってきてよかったと思いました。
お客さまや同僚のみなさんは男性が多いと思いますが、メンズブランドで働く女性として大川さんが意識していることはありますか?
大川:男性のお客さまがほとんどなので、その方々に女性としての印象や意見を伝えられることは、店舗に私がいる意味だと思っています。例えばパティーヌは色味が重要なので、その色をどう表現するかは十人十色です。そのようなときに、男性スタッフとは違う感性でご提案やお勧めができれば、と日々考えています。
ベルルッティは、女性の多くはあまり触れることがないブランドかもしれません。けれども、ここは女性が輝ける職場だと思います。お客さまの中には、奥さまの意見を重視して決められる方も多くいらっしゃいますし、身に着けるものがどう見られるかは皆さま気にされることなので、女性ならではの観点でご提案やアドバイスができることは強みになっています。
村田さんは、業務の中でどのようなところにやりがいを感じますか?
村田:お客さまからベルルッティが憧れのブランドだと言っていただけたとき、自身がベルルッティの銀座店という、世界トップ水準の店舗で働いているという誇りを感じることができます。
接客の中でやりがいを感じる場面は多くありますが、大きくは2点あります。ひとつは、入社後早いうちからお客さまと接する機会を多く持ち、実績を作れる環境を作ってもらえたこと。もう一点は、興味のあることをチャレンジさせてもらえることです。
私はもともとMD職に興味があり、それを店長に伝えていたところ、店舗VMDを任せてもらえるようになりました。MDの役割は、ブランドの商品を買い付けたり、企画を考えたり、商品そのもののマーケティングやマネジメントをすることです。これはVMDが担う、店内の商品レイアウトや世界観を考える業務と密接につながる部分なので、とてもやりがいがありますし、接客スキルを磨きながら将来のための経験が積めていると感じています。
岡本:ベルルッティでは、VMDのほかにも、トレーニングやビスポーク関連など多くの役割があり、それらをさまざまなスタッフが担っています。お客さまの販売接客だけでなく、例えばビスポークのイベントがあればビスポーク担当がイニシアチブを取って運営をしていくなど、リーダーシップを発揮する機会や、販売以外の仕事に携わる機会が多くあります。スタッフはその中で、新しい目標が見えてきたり、将来のキャリアビジョンが少しずつ明確になったりすることもあり、そんな機会が多くあることもベルルッティで働く魅力だと思います。
マネジメント側としても、スタッフの適性を見ながら成長の機会を与えられるように役割を考えますし、スタッフからこんな仕事がしたい、と意見をもらえれば、できるだけそれを尊重するのが自分たちの役割だと思っています。
新しく入社された方に向けて、研修制度などはあるのでしょうか?
岡本:ベルルッティは、従業員に豊富で幅広いトレーニングの機会を提供しています。オフィスにトレーニングマネージャーがいて、5年間かけてさまざまな分野にまたがるトレーニングを、これまでの経験や役職によらず全員が受けられるシステムになっています。
ベルルッティには、ファッション・アパレルに限らず、たとえばホテルコンシェルジュなど多様なバックグラウンドを持った方が在籍しており、入社前から靴の知識や、ラグジュアリーブランドの経験を必須で求めることはありません。商品の深い知識は入社後に学ぶ機会がありますし、ベルルッティの接客スタイルもトレーニングや業務を通じて身に付けることができます。そうしたトレーニング・経験を通じて、お客さまとの会話の中でパーソナルな情報を引き出し、関係性をいかに築けるか、という接客スキルを磨いていただきたいです。
接客スキルを身に付けた先には、どのようなキャリアの可能性がありますか?
岡本:セールスアソシエイトからスタートし、まずは村田のポジションでもある、シニアセールスアソシエイトを目指します。その先は、ストアディレクター、つまり店長を目指すマネジメントコースと、販売に特化してより高い成果を出し、若手スタッフの育成の役割も担う、セールスエキスパートというコースがあります。それぞれ、一定の成果や評価条件をクリアすることが必要です。
大川:セールスエキスパートとして活躍している女性スタッフがいるのですが、お客さまとの距離感や関係構築の仕方が素敵で、そのスタッフと世間話したり、スタッフのおすすめを聞いたりするためにご来店されるお客さまがたくさんいらっしゃって。買って良かった、とお客さまの満足度もすごく高いです。
私もそんな彼女を目標にしていて、私がご提案するものを信頼して買ってくださる、ご愛用くださる、そんなお客さまをたくさん作っていって、セールスエキスパートのレベルまでスキルアップしていきたいです。
村田:私はいずれMDの道を目指したいのですが、まずは店舗でセールスを極めることを目標にしています。その先にあるのがマネジメントなのかセールスエキスパートなのかというのはまだ考えながらですが、そこまで極めたときに見える景色は、必ず次のキャリアにも役立つと考えています。
学ぶことをポジティブに捉えられる吸収力とチームワークが重要
最後に、こんな方と一緒に働きたいというメッセージをお願いします!
大川:ベルルッティに向いているのは、吸収力のある人だと思います。入社後はトレーニング等を通じて自身で勉強するだけでなく、同僚や先輩、またお客さまから教えていただく機会も多くあります。そうした学びをポジティブに捉えて、その環境を活かせる人にはとてもい良い職場だと思います。
村田:ラグジュアリーブランドでは、特定の商品カテゴリーを担当するケースも多いですが、ベルルッティでは一人の販売員が、靴から洋服、家具まで一連の商品を最後までご案内します。たとえばソファをご提案するためにお客さまのライフスタイルを引き出したり、お部屋のコーディネートについて知らなければならなかったりします。洋服や靴についても、ビスポークを含めると相当な商品知識が必要で、販売員としての力量が試される、楽しいブランドだと思います。
また、ベルルッティには「デュエット接客」という文化があって、一組のお客さまに販売員が複数でつく手法を大事にしています。ベルルッティで働くスタッフは、一匹狼で実績を出せる人よりも、チームワークを重んじている人の方が楽しく働けて、貢献度も大きくなると思いますし、私もそういった方と一緒に働きたいと思っています。
岡本:覚えるべき知識がたくさんあることで構えてしまう部分もあると思いますが、それを覚えるための仕組みや機会は十分にあるのでご安心ください。
それよりも、ブランドや商品に対する情熱や、コミュニケーションが好きであること、そしてチームで何かを成し遂げたいと思っていることが重要です。そんな方に非常にフィットする職場ですので、興味をお持ちの方はご応募お待ちしております。
BERLUTI(ベルルッティジャパン株式会社)
事業内容 | 紳士靴・服・鞄・革小物・製品の輸入・販売 |
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事業所 | 東京都千代田区隼町3-16住友半蔵門ビル3F |
設立 | 2014年10月 |
代表者 | ニコラ レボー |
従業員数 | 120名(2022年12月現在) |
資本金 | 5,000万円 |
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