アパレル企業特集

2024.03.05

イトキン株式会社

堅く見えて自由な職場!?最年少事業部長に聞く、老舗アパレル企業イトキンの素顔

1950年創業の老舗アパレル企業、イトキン株式会社。長い歴史の中で常にものづくりを大切にし、数々のブランドを展開してきました。今回お話を伺ったのは、30代で事業部長となった岩谷さん。長い歴史を持つ会社ながら、若手が活躍できるイトキン株式会社は一体どんな会社なのか?お話を伺いました。

もくじ

今回、この方にお話を伺いました!

ホコモモラ事業部 事業部長 兼 チーフMD

岩谷 鎭明(いわや しげはる)さん

ホコモモラ事業部 事業部長 兼 チーフMD 岩谷 鎭明(いわや しげはる)さん

2007年に新卒でイトキン株式会社に入社。入社後の配属でシビラ・ホコモモラ事業部に所属してから、現在に至るまでずっとホコモモラに関わってきた。最初は営業としてキャリアを開始し、1年後にMD、そしてチーフMDに昇格。2022年にはホコモモラ事業部の事業部長に。社内最年少事業部長として活躍している。

糸から作る、イトキンこだわりのものづくりを経験できる幸せ

イトキンに入社した経緯について教えてください。

学生時代、新卒の就活では、実家がものづくりを営んでいることもあって、何かを作り、人を感動させる仕事ができたらいいなと思っていました。そこで、ものづくりに携わるさまざまな業界を見ていたのですが、商品が身近で、働くことがイメージしやすかったのがファッション関連の企業でした。

その中でイトキンは、経営やブランド運営に興味があった自分にとって、規模が大きく、多くのブランドを持っていて魅力的に映りました。また、採用選考でお話した社員のみなさんがフランクにお話できる方ばかりで、老舗アパレルで堅い会社なのかな?というイメージに対していい意味でギャップがあり、自分に合いそうだと感じたのを覚えています。

入社してから現在にいたるまで、どのような経験をされてきたのでしょうか?

入社して最初の配属はシビラ・ホコモモラ事業部で、ホコモモラというブランドの営業をしていました。5~6ほどの百貨店を担当し、百貨店と商談をしたり、店長や店舗スタッフの売上を伸ばすための支援を行っていました。その半年後、MDをやらないかと打診があり、MDにジョブチェンジしました。

MDとして僕が最初に担当したアイテムはニットでした。ホコモモラはニット商品が売上の40%ほどを占めており、またニットは糸から作るので職人的な要素がある、イトキンのものづくりを肌で感じられる仕事でした。
MDの経験もニットの知識もまったくなかったので、一から覚えることばかりでしたが、糸から作るニット商品は自由度が高く、自分が手掛けた商品が消費者に届いていることが楽しかったです。経験を積むうちにホコモモラがどんどん好きになっていきました。
次第にカットソーや雑貨など、扱うアイテムを増やしながら、さまざまなものづくりを経験させてもらいました。そして2017年に、チーフMDのポジションに就きました。

実は、イトキンで同じブランドにずっと所属し続けることは少ないのですが、その後も私自身はずっとホコモモラに居続けました。おかげで僕は店舗スタッフたちや一緒にものづくりを行ってきたメンバーたちとの信頼関係が深まり、ブランド理解もより高まっていきました。その結果、事業部長をやらないかと打診を受けることになりました。


社員の強い意志や想いを受け入れてくれる寛容な職場

イトキンのものづくりの特徴や強みについて教えてください。

まず百貨店基準の素材、縫製、そしてデザインが挙げられます。イトキンは顧客の売上シェアが高いブランドが多いので、顧客の方々に愛され、また1年を通して何度も来店、購入いただけるような商品を出し続けているところが強みです。
ホコモモラに関していうと、ワンポイントの刺繍やプリントなどの二次加工がかなり多く、配属当初はそこまでやるのか、と驚いたことを覚えています。ですが、そのこだわりが強いほどお客さんにその思いが伝わるもので、刺繍の図案一つからみんなで検討し、こだわって作っています。

岩谷さんにとってイトキンはどのような会社ですか?

アパレルの中では一見堅い会社のように見える人もいるかもしれませんが、自分がやりたいことに対して寛容だと感じます。もちろん、自由があるということは責任も伴うことを意味しますが、上層部は、強い意思や思いを持っている社員のことをしっかり見てくれています。

入社後の配属で百貨店営業をしていたころ、最初は僕も周囲に合わせて堅い感じのファッションを選んでいました。ですが、いつしか自分らしくないなと感じるようになり、徐々に服装をカジュアルダウンしたり、金髪にしたりしたんです。そうしたら、意外と好意的な反応が返ってきました。今は、自由な服装の人が以前より増えているように思います。もちろんどんな格好でもいいわけではありませんし、TPOも大切ですが、その人の考えやキャラクターを尊重してくれているところがいいなと思っています。

仕事についても、細かくあれこれ言われることよりも、自由に任せてくれることが多いです。そのため、自分のペースで仕事を進められますし、自分でしっかりやらなければ、と責任感も高まります。その結果もし失敗した場合でも、それを受け入れて、次に活かすような仕事のスタンスの上司が多いと思います。

職場の様子や雰囲気について教えてください。

ほかの企業と比べると、40代以上のベテラン社員の割合が多いと思います。組織的には課題の一つだとも感じますが、逆に言えば30代以下の若手にとっては、やりたいことにチャレンジできる余地がたくさんあります。品質の良い商品を展開するブランドが多いので、ブランド運営に携わりたい人には魅力的な環境だと思いますね。

会社の雰囲気は、自分の担当ブランドだけでなく他のブランドの人たちとも関わりやすいです。ブランドや職種、立場も関係なく、会社にいるどんな人とも話せる雰囲気があります。


歴史の中に根付くものを尊重し、マイナーチェンジを繰り返していく

岩谷さんの現在のお仕事について教えてください。

事業部長として、利益予算をいかに達成していくかが今の僕の仕事です。そのために、店舗マネジメントとものづくりの両軸を見ています。また、事業部長と兼務してチーフMDとしての仕事もあります。こちらはより現場を見る要素が大きく、生産スケジュールやシーズンごとの打ち出す商品を決め、現場に伝達して進めています。
これまで一つのブランドに携わってきたこともあって、店長たちともすぐに連絡を取りあえるので、問題解決は素早く行えていると思います。一方で、人材の配置や店舗の人員補充などについて考える時間は多くなりがちですね。この立場になって、いろいろな考えの人がいることを改めて感じますし、どうすればブランド全体がより良くなるかを考えることが本当に増えました。

やりがいやモチベーションはどのようなところにありますか?

チーフMDの仕事はものづくりが主体なので、商品軸で企画を考え、それが売れることがやりがいでした。事業部長になってからは、よりファッションビジネスの観点で物事を捉えるようになっています。たとえば、今年度はコロナ明けでリアル店舗にお客さまが戻ってきた一方、ECの成長率は伸び悩んだので、店舗とECのバランスをどう取るか、といった施策を考えています。ほかにも、ホコモモラは2年前に店頭のクリアランスを廃止したのですが、そのタイミングで新鮮な商品を送り込むための仕入れ計画を考え、運営しています。

なかなか思うようにいかないことも多いですが、それでも成果につながり、ホコモモラのみんなが喜んでいるのを見るのがうれしいですね。

ご自身の今後の目標について教えてください。

ブランドのカフェや路面店など、やりたいことは尽きません。何かおもしろいことをしたいなといつも考えています。その一方、僕は事業部長になったばかりなので、今考えるべきは、とにかく売上と利益だと思っています。自由に仕事をやらせてもらえると言っても、売上や利益の達成がなければ評価はされません。また、おもしろい企画であっても、裏付けとなる仮説が必要です。

さらには、目の前の数字だけでなく、3年後5年後に、ブランドをどうしていきたいかも見据えていなければならなりません。今は実店舗は百貨店中心の運営ですが、たとえばショッピングビルのポップアップストアなど、新しいファンを呼び込んだり認知度を上げたりするためにどうするか、今のお客さんは百貨店で購入されることが多いけれど、その次の世代はどうするか、といった課題を考えていったりもしています。

いろいろなところにアンテナを張って情報を集め、常に考えていますが、それを実行に移す難しさを日々感じています。

まだまだ事業部長としてのプレッシャーの方が楽しさよりも大きいですし、事業部長としての人物像も確立していく途上にあると感じています。自分自身を1段も2段もレベルアップさせていきたいです。

どんな方に来ていただきたいか、メッセージをお願いします!

まずはファッションやものづくりが好きであること。そして、長くたくさんのファンに愛されてきたブランドを今後も続けていきたい、という思いの方が合うと思います。イトキンの歴史の中に根付くものを尊重し、マイナーチェンジを繰り返していく、いわゆる温故知新の精神を大切にできる方に合っている会社です。

はじめは分からないことが多くても、ファッションが好き、ものづくりが好きという思いがあれば、1年後には驚くほどの成長を見せ、周りを引っ張っていける存在になれると思います。
歴史のあるアパレル企業であるからこそ、教育体制やマネジメントはしっかりしていますし、ものづくりへのこだわり、クオリティには自信があります。スキルをしっかり身に付けて成長したい方には本当におすすめです。
ぜひ一緒に、イトキンをファッション業界をリードする会社にしていきましょう!

イトキン株式会社

イトキン株式会社

事業内容 婦人服・紳士服・子供服の製造販売、輸出入業務
事業所 本社:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-1-1
設立 1950年8月20日
代表者 代表取締役社長 前田 和久
従業員数 1,771名(2023年1月現在)※国内のみ
資本金 1億円

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