採用をお考えの企業様へ

2023.01.18

企業成長のための採用とは何か?組織課題を複合的に捉えることで採用要件を見直し、応募ほぼゼロから2名の採用へ導いた事例

クリーデンスでは常時3600件以上の求人をお預かりしています。その内容は千差万別ですが、その中に採用成功のためのヒントが隠されているかもしれません。今回は、営業ユニットリーダーの木口が担当し、採用成功されたA社のプロセスをご紹介します。


売上回復に伴い採用再開!しかし売り手市場に伴って求める採用要件は争奪戦となり…

今回、木口さんが採用支援されたA社はどのような企業ですか?

外資ラグジュアリーブランドのA社は、コロナ前は新卒・中途のいずれも活発に採用を行っていました。コロナで各社が採用を一時ストップする中、A社も例外ではありませんでしたが、売上回復に伴って関東エリアで10名ほどの採用を進めることになりました。しかし、外資ラグジュアリーブランドを中心に競合各社が同じタイミングで採用を活性化し始めたことから、採用難易度が一気に引きあがりました。

外資ラグジュアリーブランドは業界の中でもいち早く採用再開していましたよね。2022年に入ると、全国で数10名、100名近くの採用に踏み切る企業もありました。

ポストコロナへの移行とともに各社が一斉にアクセルを踏み、一気に求人数が増えました。
一方で転職希望者は求人増加ほどの勢いは見られず、「まずは情報収集から」「(ご自身にとって)良い求人が出てきたら応募したい」「慎重に考えていきたい」という方が多い傾向であったため、各社が欲しがる良い人材は争奪戦となっていました。この傾向は今も変わりません。

そんな中、A社よりお預かりした採用要件はコロナ前とほぼ同じ、「アパレル接客経験はマスト」「ブランドターゲットの若返り化に伴い、同世代が望ましい」というもの。これはまさに争奪戦となる条件でした。
その不安は現実のものとなり、ご推薦できない期間が1か月弱ほど続きました。これ以上ご推薦できない期間が続いてしまうと既存スタッフのみなさまのご負担が増え、A社ブランドの成長スピードの鈍化にも繋がるため、採用ターゲットの見直しをご提案しました。


一見すると真逆の採用要件?!人事課題に寄り添い、改善の一手となる採用要件の見直しを提案

どのような提案を行ったのでしょうか?

まずは、市況感や競合の動きなどの情報をもとに、採用要件の競争率の高さについてご説明しました。そこで担当の方に「確かにそうですね」とご理解いただけたことが第一歩でした。

次に、それを踏まえて採用要件をどう調整していくか。
言ってしまえばターゲットを広げる、つまり条件を下げるという手法がもっとも簡単なのですが、機械的に必須条件を下げて受け入れていただくだけでは企業成長に繋がりません。もっと言えば、より課題を増やしてしまう可能性さえあります。
そこでA社の人事課題をより深くお伺いしたところ、「若手スタッフの育成が進んでいない」ということが分かりました。
直近で若年層の採用を強化していた一方で、トレーニング体制が盤石ではなかったことから、接客におけるファーストアプローチのクオリティ低下、さらにはKPIの低下に繋がっているということでした。

実は、コロナで採用停止していた時期もそういう話は少し出ていたんです。

A社とコミュニケーションを取っていたのでしょうか?

採用停止中も、採用・人事活動のヒントになるものがあればと、定期的にクリーデンス主催セミナーのご案内をお送りしていたのですが、そこでのコミュニケーションで、育成に関する情報が欲しいという話を伺っていました。
なので改めて課題を伺ったときにも納得感というか、やはり…という気持ちはありました。

そういう状況であれば、ますます採用条件を下げることは悪手に繋がると考え、下記2点を提案しました。

案1.販売職向けのトレーナーを採用することで育成体制を強化し、引き続き若手スタッフの採用に注力する
案2.経験豊富なベテランスタッフの採用にシフトし、店頭にて若手スタッフの育成も兼ねた体制を構築する

案1の場合、体制強化には繋がるものの、ライバルが多い状態は変わらないため、引き続き採用に苦戦する可能性が高いです。案2の場合、販売スタッフ補充に加え、若手スタッフの育成にも繋がることから、案2をお薦めいたしました。

担当の方の反応はいかがでしたか?

採用方針を変えるのはリスクもありますし、面接での対応や評価軸も変えなければなりません。そして何より、A社の意向として、ブランドターゲットの若返り化に合わせて同世代のスタッフが欲しいという思いがありました。
簡単にご判断いただけるものではないと思いましたので、まずは改めてご推薦するので面接を通じてご判断いただけないですか?とご提案したところ、そうしましょうと仰ってくださいました。

すると、かつての条件では1か月で1名出せるかどうかだったところが、10名以上の提案を差し上げることができ、「思っていたよりも経験豊富で頼もしい方が多いですね!」という反応をいただきました。経験豊富な方はそれだけの成果を生み出しており、また育成や指導に携わった方も多いため、育成に不安を抱えるA社にとって頼もしく映ったのではないかと感じられました。

ご提案差し上げたほとんどの方とお会いいただいた結果、ベテラン2名の採用に繋がりました。
A社の担当の方からは、「まだまだ人員は足りないものの、運営が回るようになりました。既存の若手スタッフも、ベテラン社員に色々と教えてもらえるのでモチベーションアップに繋がっています!」と嬉しいお言葉をいただけました。引き続き継続してご推薦を続けています。


組織課題を複合的に捉えて採用要件を定義することが、企業成長の第一歩

それは嬉しいですね!単に人が集まれば良いというだけではなく、組織課題を理解した上での提案だったからこその採用成功であると思います。

今回A社が採用された2名は、単なる『10名中の2名』ではなく、若手育成とモチベーションアップにも繋がった、人数以上の価値ある採用となりました。目標としている採用人数まではまだまだですが、引き続きご支援していきたいです。

採用を強化している企業の多くでは、人材不足以外の課題やお悩みも抱えていらっしゃいます。たとえば今回のA社のような育成体制もそうですし、必要人数を採用したものの離職率が上がってしまった、入社前後のギャップで早期退職が増えてしまったなど、さまざまなご相談を承ります。
そうした複合的な課題を俯瞰で捉え、どのような採用方針であれば改善できるか?その先にある企業成長に繋がるか?競合他社と渡り合える採用ができるか?などを掘り下げていくことが大切だと考えています。

市況感や他社事例なども交えながら、企業成長に繋がる採用成功プランを一緒に考えていきたいと思いますので、採用はもちろん、人事課題にお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。