2023.12.18
アパレル・ファッション企業『エンゲージメント向上』の取り組みに関するアンケート結果を発表。約76%の企業が「取り組んでいることがある」と回答
世界中で未曽有のコロナ禍と向き合った3年を経た現在、企業総力を上げるためには、単に売上や利益を伸ばすのみならず、「企業やブランドの価値をどのように社会へ届けていくか」がより重視されています。
それを実現するための一環として、社員のエンゲージメントを高めるための取り組みに力を入れる企業が増えています。企業やブランドのアイデンティティをより強固なものにするため、「どんな採用を行うべきか?」ということだけでなく、「採用後にどんな環境を作り、社員とどう向き合うか?」というところまでをストーリー化していく。多くの企業が今、関心の高いテーマではないかと強く感じています。
そこで今回、ファッション業界各社が実施している『エンゲージメント向上』の取り組みについて、アンケート調査を行いました。ご協力いただきました71社の皆さま、まことにありがとうございました。
この場を持ちまして、アンケート結果をご報告いたします。
●実施期間:2023年8月2日~8月31日
●回答者数:クリーデンスと取引のあるアパレル・ファッション企業71社
Q1.社員とのエンゲージメント向上のために取り組んでいることはありますか?
Yesと答えた企業:54社
Noと答えた企業:17社
約76%の企業が『エンゲージメント向上』に取り組んでいることが分かりました。
YESと回答した企業は、大手・中小・内資(国内)・外資を問わず、さまざまな企業が取り組んでいるようです。
さらに、エンゲージメント向上に取り組んでいる企業に対し、具体的にどんな取り組みを行っていたか?を尋ねたところ、下記のような内容となりました。
Q2.Q1で「Yes」と回答の方に質問です。以下より、取組んでいる項目を選択ください(複数回答可)
「研修」「表彰式/キックオフの開催」「組織文化を醸成する仕組み」が上位となりました。多くの企業が、社員を育成するための“学ぶ機会”を提供し、賞賛する文化醸成、組織へのエンゲージメントを高めるための取り組みを行っていることが分かりました。
Q3.Q2の回答の中で、具体的に取組まれていることを教えてください(記述)
Q2挙げたカテゴリーの中でも、クリーデンスでは特に「組織文化の醸成」「意見反映の制度」に注目しました。
あくまで傾向ではありますが、外資系企業では、サンクスメッセージやエンゲージメントサーベイの実施、イベントへの参加促進など、社員同士の横のつながりを強化する施策が、内資系企業では、経営層への意見ツール、新規事業コンテスト、キャリア相談・チャレンジ制度など、ボトムアップを充実させる施策が多いように見受けられました。
回答の中から、下記に一例をご紹介いたします。制度設計から運用まで多少パワーが掛かってでも、継続的な効果が期待できそうなものや、すぐにでも導入できそうなものなど、新たな気づきやヒントになるものがあれば幸いです。
組織文化を醸成する仕組み
外資ブランド
- 社員が一緒に行うボランティア活動への参加促進、ボランティア休暇制度の運用
- エンゲージメントについての調査実施、社内アイデア公募、サークル活動支援、全社員参加イベントの実施
- 日頃の感謝の気持ちや誕生日、勤続記念日などにメッセージを送りあえるプラットフォームの導入
- 会員制福利厚生サービスの導入、社内コンテスト優勝者にパリコレ招待、エンゲージメントサーベイ
内資ブランド
- プライベートサポート制度として、個人の興味を刺激するコト・モノへの費用負担(服飾雑貨メーカー)
- 役職、年次を問わず参加可能な複数のプロジェクトを運用
<例>当たり前PJT:挨拶をちゃんとしよう/オフィスの中でもネームバッジをつける/役職で呼ばずに「~さん」で呼ぶ…等(セレクトショップ) - 2年目社員に向けた、配属希望職場での社内インターン。他部署先輩社員による若手社員メンター制度。部署内、部署間懇親会等への費用補助。(スポーツメーカー)
- 店舗スタッフも含めてのイタリア出張(服飾雑貨商社)
- 東京・関西わけて忘年会やBBQ、周年イベントの実施(服飾雑貨商社)
従業員の意見を反映させる制度
- タレントシステムを導入し、従業員のキャリア志向や会社に対する意見などを可視化できるよう進めている。(商社)
- 店頭から各MGRにいつでもキャリア相談の連絡ができるようになっている。(服飾雑貨メーカー)
- 評価シート/本人コメントに、自身の希望を記載できる。社長も含めて評価しているため、社長に希望がダイレクトに届く。
社内にて新規事業コンテストの運用。ブランド立ち上げや新規事業立案などが可能。優勝者のアイデアは実際に事業化されたりする。強制ではないものの、参加するメンバーも多い(セレクトショップ) - 本社へのキャリアパスとして、「チャレンジ制度(1年に一度)」へ誰でも挑戦することができる制度
※実際にプレス・デザイナー・EC担当などへキャリアチェンジした前例もあり、2ヶ月間、希望職種を体験、課題に合格した方は販売職から本社勤務となる(アパレル専門店)
あらためて、アンケートにご協力いただきました皆さま、ありがとうございました。
今回の『エンゲージメント向上』の取り組みについてのアンケートを通じて、各社ごとにさまざまな取り組みを行い、従業員とのつながりを創り続けていることが分かりました。
クリーデンスでは、アパレル・ファッション業界で働くみなさんが今まで以上にイキイキと働けるよう、今後もさまざまなセミナーやアンケートなどの取り組みを、皆さまとともに実施していきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。