神戸発、パリ、ロンドン、ニューヨークへ。まったく新しい帽子「mature ha.」が世界から注目を集める理由

現在、レトロな雰囲気で文化発信地として人気を集めている神戸・元町の海岸通り。その一角にある海岸ビルヂングにオフィスを構える株式会社mature（マチュア）は、創業11年の帽子メーカーである。
オリジナルブランド「mature ha.（マチュアーハ）」は、帽子をあたりまえにかぶる生活を知ってほしい、楽しんでほしい、という想いで、かぶり心地や素材感にこだわった、日常を少し豊かにする帽子を提案している。

本社と同ビル内にあるアトリエショップをはじめ、東京を中心としたポップアップショップ、ECサイトやセレクトショップへの卸など幅広く展開しているが、人気アイテムはすぐに売り切れてしまうこともしばしば。
また海外からの評価も高く、パリで20年の歴史を持つ展示会、プルミエールクラスに2013年9月から出展し、海外の流行を牽引する名だたるセレクトショップを筆頭に約80店舗からオーダーがあるという。

若い企業ながら、世界規模で注目を集めている理由は何だろうか？
それは、mature ha.ならではの発想と、それを形にするクリエイティビティにある。

mature ha.の提案するアイテムは、無駄を省いたシンプルなデザインで自由度が高く、形を変えたり複数のかぶり方ができたりするのが大きな特徴。
たとえば代表的なシリーズ「BOXED HAT」は、ストローハットのように立体的に形のある帽子をもっと気軽に楽しめないか、という発想で生まれた商品で、高さ5cm弱の平たくコンパクトな箱に“折り”を加えた帽子がぴったり収まった状態で販売されている。そのさまを初めて見た人の多くは「型崩れしないか」とまず驚くが、箱から出してかぶってみると、その折りじわが味わい深さとなり、自然な可愛らしさが生まれることに気付くのである。

「私たちの帽子は、衣食住、身の回りのものにこだわりを持った方々に愛用いただいています。丁寧な仕事はそのままに、より多くの方に手に取ってもらえるようなブランドに成長していきたいと考えています」

もしどこかのショップで目にした際はぜひ手に取って、そして実際にかぶってみて欲しい。
今までなかった「まったく新しい帽子」の魅力が実感できるだろう。