アパレル企業特集

2006.06.16

ユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)

シンプルを究めたユニクロが、世界を変える。

求めるのは、ものづくりのプロフェッショナル

求めるのは、ものづくりのプロフェッショナル

ユニクロの売上、前年比120%増――。
単純にこの数字だけを見れば、ありがたいことに昨年より2割も多くのお客様がユニクロの商品に期待してくれているという計算ですよね。ただし、私たちはこの現状に決して満足しているわけではありません。なぜなら、お客様が期待するレベルが高くなればなるほど、自分たちの作る商品はそれ以上のものでなければならないのですから。チームのメンバーにも常々言っていることですが、期待通りの商品では意味がない。お客様の期待を超えて、驚きや感動を提供できる商品でなければならないんです。

この課題を解決するのは、結局、人でしかないと思っています。厳しい言い方ですが、感性やセンスといった尺度のない"上辺のデザイン"に長けただけのデザイナーでは、ユニクロのデザイナーは務まりません。洋服の構造やものづくりのプロセスを深く理解し、ファッションの本質を知っているデザイナーが必要です。

特に、今募集しているチーフクラスのデザイナーに求めたいのは、ファッションをトータルで理解していること。例えばアウター部門のチーフデザイナーには、アウターだけでなく、シャツ、ニット、パンツのことまで広く知っていてほしい。ファッション全体のことを知っているデザイナーにこそ、一部門のチーフデザイナーをお任せしたいんです。ハードルの高い枠ですが、今のユニクロにはお客様からそうしたレベルを求められるようになったのだと感じています。


ジル氏から学んだファッションの本質 キーワードは「シンプル」「モダン」「タイムレス」

ジル氏から学んだファッションの本質 キーワードは「シンプル」「モダン」「タイムレス」

サンダー氏との取り組みは、2008年4月に初めてオファーを出し、ようやく実現に向けて動き出した念願の案件。今回、サンダー氏にデザインの監修を依頼したのも、彼女の服作りに対する姿勢とユニクロの姿勢に共通点があると以前から感じていたからなんです。彼女が体現しているのは、無駄のないシンプルなものの中に、作り手の情熱を表現する服作り。まさに、ユニクロの目指す姿勢そのものです。

どれだけグローバル展開が広がっても、ユニクロが発信するデザインの方向性は不変です。今年はこれまでユニクロが貫いてきた『シンプル』と『モダン』に加え、新たなキーワードとして『タイムレス』を掲げています。無駄をそぎ落としたシンプルなデザインの中に、今も数年後も変わらずタイムレスな新鮮さや美しさが存在し続ける服こそ、ファッションの究極にして本質。そう確信しているからです。長年この業界に携わってきた私も、「ファッションの本質とは?」という問いの答えをこんな風に言葉で表現できるようになったのはつい最近のこと。本質は流行やトレンドでごまかしのきかないものだからこそ、正しい構造、正しい作り方にこだわってきたユニクロの服作りに間違いはなかったと感じていますね。


ファッションも働き方も、基本を究めることがユニクロ流

ファッションも働き方も、基本を究めることがユニクロ流

服作りの姿勢と同じで、ユニクロの文化も常にシンプルです。純粋に小売の基本、ファッションの基本を究めた働き方ができていますね。ところが、最近はそこを難しく考えすぎて入社される方が多い。もっとシンプルでいいんですよ。本当に良い服を作って、その服が売れて、喜びを感じる。それこそがものづくりの原点ですからね。だから、私はデザイナーやパタンナーに、時々売り場に行って販売をさせるようにしているんです。自分の作った服が売れる喜びやお客様の反応を肌で感じることで、着る人を意識した、自己満足に終わらない服作りが持続できると思っています。私たちが大切にしていることは、いかに当たり前のことを長続きさせるか。その基本を、より楽しく、より精度を上げてやっていくということです。

当社が掲げる理念、FR(Fast Retailing)Wayにもあるように、ユニクロの目標は、 服を変え、常識を変え、世界を変えていく 企業になること。サンダー氏との取り組みをはじめ、これから仲間に加わる方には、グローバル企業としての醍醐味を存分に味わっていただけるはずです。本当に良い服、新しい価値のある服が、ユニクロならではのプライスで提供できれば、間違いなく世界中のファッションの常識が変わります。私は世界にそんな価値を届けられると思うとワクワクして仕方がないんです。ユニクロの文化や考え方に共感していただける方にとって、当社は常に世界で挑戦し続けられるフィールドとなるはずですよ。

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