アパレル企業特集

2024.10.07

No,No,Yes !(ノーノーイエス株式会社)

レザーアパレル「ノーノーイエス 京都店」が1周年
レザーを通じてお客さまの思いを形にする仕事

革小物レーベルの「所作」や既製服はもちろん、ビスポーク(オーダーメイド)に定評のあるレザーアパレル、ノーノーイエス。23年9月にオープンした京都店が1周年を迎えました。今回は、京都店の店長である宮原さんへインタビュー。元美容師という経歴を持つ宮原さんが入社したきっかけ、宮原さんが感じるノーノーイエスの魅力、ビスポークのおもしろさなどについてお話しいただきました。

もくじ

今回、この方にお話を伺いました!

京都店 店長

宮原 ミク(みやはら みく)さん

京都店 店長 宮原 ミク(みやはら みく)さん

北海道出身。高校卒業後、美容院で勤務しながら美容師資格を取り、約7年勤める。その後上京し、食品物販などの仕事をしている中で、知人の紹介でノーノーイエスと出会い、代表の橋本氏の面接を経て入社。所作 銀座店で販売を経て、千駄ヶ谷の東京本店に併設されたラボラトリーへ配属。生産管理を担当しつつ、社内のさまざまな業務やものづくりに携わる。2024年7月より京都店へ異動し、店長として従事。

ノーノーイエスは「こだわりすぎるところがこだわり」

まずは改めてノーノーイエスという企業やブランドについてご紹介ください。

ノーノーイエス(No,No,Yes !)は2006年創業し、2024年9月時点で、東京本店、銀座店、仙台店、吉祥寺店、京都店と直営5店舗を運営するレザーアパレルです。
革小物レーベルの「所作」や既製服のほか、一番の特徴はビスポークと呼ばれるオーダー品で、細かいカウンセリングを重ねてお客さまのニーズや体型、心情などに合わせて3~4か月ほど掛けて仕立てます。革製品は育てて変化していくところに魅力がありますから、その後のリペア、メンテナンスなどのアフターサービスまで対応しています。

2023年9月に誕生したノーノーイエス京都店

ノーノーイエスならではの特徴やこだわりはどんなところでしょうか?

アイテムはもちろんのこと、店舗レイアウトや什器、小物にいたるまで、細かい点一つひとつに対して「こだわりすぎるところがこだわり」なのかな、と思います。そうした「こだわりすぎるところ」を面白がって共感し合える雰囲気がいいなと思います。

スタッフのみなさんも、こだわりを持つ方が多いですか?

革に限らず、良い意味でひとクセあるスタッフが多いです。だからといって、人を寄せ付けないような感じではなく、みんなフレンドリーで話しやすい。特に販売職は接客業なので、人と話をするのが好きなメンバーがほとんどです。

ひとクセある…というのは?

ちょっとマニアックな一面や、オタク気質な要素と言いますか…どこか足りない部分があったとしても、何か際立つものを持っていれば、その人の思いや考えに説得力が生まれます。お客さまにもこだわりの強い方が多いので、そのこだわりをリスペクトし、共感できるような方は、この仕事に活かしていただきやすいと思います。

多数のサンプルをもとに、こだわりを落とし込んでいく

「クセのある人が多い」と、「話しやすい人が多い」というのが両立しているところが素敵ですね。

お互いの個性や強みをリスペクトし合い、足りないところはフォローし合っていこうという空気があると思います。

とはいえ、最初からクセのある人を採用しようとしているわけではないんです(笑)
ただ、面接で話をしていて、「この人おもしろいな」「一緒に働きたいな」と思う人は、どこか個性的な一面を持っている人が多いかもしれませんね。


お客さまの潜在的なニーズをどうすれば実現できるか?
アイデアや遊び心を盛り込んでいく

宮原さんは美容師からキャリアをスタートして現在ノーノーイエスという異色のキャリアですが、どういった背景でご入社されたのでしょうか?

地元の北海道で美容師を続けていくつもりでしたが、アレルギーによる肌荒れなどで辞めることになってしまいました。せっかくなので東京に出てみようと上京して働いていたところ、知人に「レザーに興味ない?」とノーノーイエスを紹介されたんです。そこで初めてノーノーイエスを知りました。

その時点ではレザーの小物を持つのが好き、くらいの興味だったのですが、代表の橋本との話の中で、「お客さまが言葉にしきれないところをくみ取って形にする仕事が好き」という美容師時代からの思いが、ノーノーイエスでも実現できそう、と感じて入社を決めました。

最初のきっかけは、ブランドや商品というよりも、仕事のスタンスに対する共感が強かったのですね。入社前後でイメージの変化はありましたか?

ノーノーイエスをはじめて知ったときは、「なかなか尖っているな」「ちょっと気取った感じなのかな」という第一印象でした。実際に入ってみると、代表の橋本をはじめ、スタッフのキャラクターやスタンスに人間くささを感じて、おもしろいなと感じました。

宮原さんは、ノーノーイエスのどんなところに魅力を感じていますか?

オーダーメイドのサービスとして、本当に自由度が高いことです。お客さまの自由な発想やご要望に対して、「難しい」「できない」ではなく、どうすれば形にできるだろうと考え、「このやり方だったらできそう」「この素材が良さそうなので時間はかかるけど作ってみようか」など、実現できる方法をご提案するスタンスを大切にしています。

また、具体的なリクエストをいただくケースもあれば、お任せしたい・遊びを加えて欲しい、というリクエストをいただくケースもあります。どのようなのお客さまも、ひとつのジャケットを作るためのエネルギーがとても高いので、一緒に考えて仕上がったときに喜んでいただける瞬間がとても楽しいですね。

ノーノーイエスのアイデアを入れてほしい!というオーダーで誕生したジャケットは遊び心がつまっている

ビスポークから海外ツーリストまで…
京都店ならではの幅広いお客さまに寄り添う接客

入社後はどのように仕事を覚えていくのですか?

まずは、京都店でも取り扱いのある「所作」や既製品の接客販売からスタートし、徐々にビスポークと呼ばれるオーダーメイドの接客を覚えていきます。ビスポークは、素材や組み合わせなどの知識と、接客スキルの両方が必要ですが、人それぞれ、どの業務の飲み込みが早いかなど特性を見ながらカリキュラムを組み、一つずつ身に付けていただきます。

革小物レーベルの「所作」は、初めて足を運ぶお客さまからも人気

先日、京都店に入社したアルバイトの女性は、お父様にご来店いただいてビスポークのロールプレイングを行いました。お父さまがレザーアイテムをお好きとのことで、娘さんのお仕事に触れられて、とても喜んでいらっしゃいました。

京都店ならではの特徴はありますか?

観光客の多い京都という土地柄もあって、他店舗よりもフラッと見に来てくださるお客さまの割合が多いですね。入ってすぐのところにディスプレイしている足袋の靴に興味を持ってくださったり、「所作」の革小物を購入されたりする方が多いです。海外ツーリストのお客さまもよくいらっしゃいますよ。

店舗に足を踏み入れると目に留まるレザー足袋。海外からのツーリストからも好評だという

京都店での仕事内容を聞かせてください。

大きく分けると、接客とPRの業務に分かれます。
お店の営業時間内は接客がメイン、それ以外の時間は、お客さまへのメールや、営業時間外にアポイントが入った場合の対応、店舗イベント企画などを行っています。PRに関しては、SNSやPR広告など、認知や集客のためのアイデアをみんなで考え、運用しています。

ふらっとご来店されるお客さまと、ビスポークのアポイントに来られるお客さまでは接客スタイルも異なると思います。どのような違いがあるのでしょうか?

既製品をご覧になるお客さまには、フレンドリーに話しやすい雰囲気で接客しています。
一方のビスポークに関しては、お客さまの「こういうものが欲しい」という言葉だけでは、本当に欲しいものはできあがりません。さまざまなお話の中から内面の情報をできるだけ引き出すこと、話し方やスピードなどを変えながらお客さまの温度感に寄り添うことを意識しています。

仕事をする中で、特に難しいな…と感じるようなことはありますか?

私個人の話になりますが…これまでの接客経験を活かして、デザインをどうするか?という内面を引き出すヒアリングは比較的得意なのですが、フィッティングでのサイズ調整は慣れるまで難しかったです。ジャケットのデザインやお客さまのスタイルに合わせて、あともう少し削ったほうがいいかも…シルエットを良くするには…などの細かい工夫は、経験を重ねることで精度を上げていきました。

私はアパレル経験がない状態で入社したので、服のつくりなどを覚えるのが大変でしたが、逆にアパレル経験者やファッションが好きなスタッフは目が肥えていて、私よりもよほど知識を持っています。色んな特性をもったスタッフが集まることで、全体のバランスが取れると良いのかな、と思います。

ここまでのお話を伺うと、宮原さんがノーノーイエスへの入社の決め手となった「お客さまの潜在ニーズを引き出して形にしたい」という思いが実現できているように感じます!

そうですね。お客さまからいただくご要望は常に明確ではなく、ニュアンスでお伝えいただくことも多いです。その背景にある思いやエピソードなどをくみ取って、色や形をゼロから作り、「そうそう、この色!」と喜んでいただけるのが一番のやりがいですね。
毎日の仕事の中で、本当にささいなことも含めて、そうした場面はたくさんあります。

ジャケットの裏地に使うスカーフは、代表の橋本氏みずから海外で買い付けてきた一点もの

一生の思い出にオーダーする方も多数…
だからこそ、ノーノーイエスらしい居心地の良い空間でありたい

宮原さんが仕事をする中で大切にしていることは何でしょうか?

お客さまにとって居心地の良い空間でありたいということです。これまでの経験からも、良い時間を過ごすことができれば満足感も高まる、とい感じていたので、それは昔も今も変わらず大切にしています。
たとえば京都店であれば、店舗の空間だけでなく、京都ならではのロケーションを含めて楽しんでいただけるので、滞在時間に関わらず、少しでも記憶に残る時間を過ごしていただけると嬉しいです。

京都らしい落ち着いた雰囲気が漂う、高勢川沿いに店舗がある

宮原さんにとって記憶に残るお客さまとの思い出はありますか?

東京の店舗で接客していたとき、オーダーメイドで担当した20歳の女性のお客さまがご両親といらっしゃいました。
その方はレザージャケットに憧れていて、18歳から「2年間、誕生日プレゼントを我慢するから、20歳のお祝いにオーダーメイドのレザージャケットを作りたい」とご両親にお願いしていたそうなんです。たくさんお話をして、「これから自分と一緒に歳を重ねていけるジャケットにしたい」とリクエストをいただき、染め直しのできる革をご提案しました。

最初は薄い色からスタートして、ご自身の変化とともに徐々に染め直し、最終的には黒に近い落ち着いた色にしていく…歳を重ねてからも着られるように、というお話をして、お客さまもとても喜んでくださいました。
それが2年くらい前なので、そろそろ社会人になられる頃かな、とふとした瞬間に思い出しています。

一生楽しめるアイテムだからこそのご提案ですね。2年も誕生日プレゼントを我慢して、とても強い思いだったのでしょうね。

そう思います。オーダーしてから完成まで、仮縫いを挟んでトータルで3~4か月ほど掛かるのですが、その間もドキドキしながらお待ちいただいているのだろうな、と思うと、私も完成してお渡しするのがとても楽しみでした。

ほかにも、お子さまが産まれるタイミングでオーダーいただいたお客さまや、ノーノーイエスのアイデアと技術を詰め込んでほしい!とリクエストいただいたお客さまなど、人生の一部としてノーノーイエスのビスポークを選んでくださるお客さまが多いことも、この仕事のおもしろさだと感じます。

最後に、こんな人が合うと思う、一緒に働きたい、というメッセージをお願いします。

革や革製品への関心が高い人は、その世界の奥深さにワクワクすると思います!でも、現時点で高くなくても大丈夫です。
それよりも、人と話をして内面の思いを引き出すのが好きな方や、何かにのめり込んで突き詰めていくのが好きな方が合っていると思います。また、京都店は海外ツーリストのお客さまも非常に多く、英語で接客する場面が多いので、英語を活かしたいという方にもオススメです。今も、英語を上達させたいというスタッフがいて、積極的に海外からのお客さまと会話をしています。

ビスポークの商談で使用するテーブルや椅子も、レザーのこだわりがたっぷり詰まっている

あとは接客だけでなく、京都店の空間を使っておもしろいことがしたい、という意欲的な方も嬉しいですね。京都店の場合、面接も店舗で行いますので、ぜひこの空間を味わいに来ていただけると嬉しいです。

No,No,Yes !(ノーノーイエス株式会社)

No,No,Yes !(ノーノーイエス株式会社)

事業内容 レザーアパレル製造卸小売業
事業所 本社:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-2-8
設立 2006年1月
代表者 代表取締役 橋本タイチロー
従業員数 20人(2024年10月現在)
資本金 700万円

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