アパレル企業特集

2025.01.20

devirock(グロウ株式会社)

キッズアパレル「デビロック」初店舗が25年3月オープン!
“もっと親子になろう”を体現する店舗のねらいとは!?

子供服ブランド「devirock(デビロック)」を運営するグロウ株式会社は、子供服×ECビジネスのパイオニア。ECモールでは毎年数々の賞を受賞し、また2025年3月にはデビロック初の実店舗を大阪KITTEにオープンします。今回はそんな実店舗を仕掛けるマーケティング本部 本部長の網谷さんにインタビュー。実店舗オープンの背景やねらい、社内への影響、また2024年5月に移転した新オフィスについてもお伺いしました。

もくじ

今回、この方にお話を伺いました!

マーケティング本部 本部長

網谷 洋佑さん

マーケティング本部 本部長 網谷 洋佑さん

両親が子供服に携わっていたことがきっかけで、大学卒業後、新卒で子供服メーカーに就職。販売職からスタートし、店長、SV、エリアマネージャー、MD、生産管理と、ひととおりの職種を経験。2021年に数値系MDとしてグロウへ転職し、2022年より商品部部長、2024年より現職であるマーケティング本部 本部長として、商品戦略からブランディング、クリエイティブ、実店舗の出店準備まで、幅広いミッションを管掌している。

コストパフォーマンスだけでなく、“物心両面の豊かさ”を大切にしている

まずは、グロウ、そしてオリジナルブランドのデビロック(devirock)についてお聞かせください。

私たちグロウは、EC販路を主とした子供服の製造販売を行っている企業です。
「革新的付加価値を創造し、世界のあらゆる人々の物心両面の豊かさを追求する」
というミッションのもと、商品の良さはもちろんのこと、心の豊かさを追求し、もっともお客さまに必要とされる子供服の企業を目指しています。私自身、この “物心両面の豊かさ” という価値観に惹かれたことが、入社の決め手のひとつでした。

そんなグロウが展開している子供服ブランドがデビロックです。
一番の特徴はコストパフォーマンスの高い商品で、多くのお客さまに喜んでいただけたヒット商品を多数生み出しています。ただ、それだけではなく、私たちはデビロックの商品やサービスを通じて親子の関係や子育ての中に幸せを見出し、子育てがもっと楽しくなる社会を目指したいと考えています。そんな思いを込めて、「もっと親子になろう」というブランドステートメントを掲げています。これを実現することが、ミッションである物心両面の豊かさに繋がっていくと信じています。

グロウで働くみなさんは、こうした「何を目指しているのか」を大切にしている印象を受けます。

はい、すごく大事にしています。プロダクトアウトかマーケットインかで言うと、私たちのものづくりは完全にマーケットインです。お客さまの立場で、お客さまが本当に求めている商品やサービスを生み出すことを当たり前の価値観として、全員が実行できることを目指しています。

求める能力やスキルをお持ちの方でも、グロウが大切にしていることへの共感や、デビロックを一緒に成長させたいという気持ちの部分が感じられないと、ともに働くことは難しいと思います。仕事はひとりでできるものではないので、ベクトルを合わせて一致団結することが、個々の能力を一番発揮できると思っています。

グロウの組織構成についてお聞かせください。

大きくマーケティング、営業、経営管理の3つの本部があります。
まずは僕が管掌しているマーケティング本部は、商品を作って、その魅力をお客さまに伝えるクリエイティブの部分を担っています。次に営業本部は、生産・物流部門と営業部門に分かれています。生産・物流部門が海外で商品を生産し、国内への輸入と発送までを担い、営業部門はECサイトを運営し、より多くのお客さまに商品を届けていくところを担っています。最後に経営管理本部は、その2つの部門がパフォーマンスを最大化できるような組織体制やサポートを行っています。

特にマーケティング本部と営業本部は、ものづくりからプロモーション、販売までの流れの中で密接にかかわるので、それぞれの連動性や流動性などを意識しながら組織づくりを行っています。


25年3月に初の実店舗がオープン!顧客醸成に加え、親子で楽しめる「体験」も

続いて、KITTE大阪に2025年3月オープンするデビロック初の実店舗についてお伺いします。実店舗オープンを決断するまでにどのような背景があったのでしょうか?

僕自身、デビロックの実店舗をオープンしたい思いはもともとありました。コロナ禍によって急激に成長した国内のアパレルECは飽和状態になってきていて、キッズアパレル×ECも競合が増加し、ひしめき合っています。まだまだECのみでも売上を伸ばすポテンシャルがあるとはいえ、実店舗の市場にも踏み入れる必要があるんじゃないか?といったことを、以前から考えていたんです。

そんな中、円安に伴うインバウンドの増加や、2025年の大阪万博によって、大阪という街がますます盛り上がるタイミングがやってきました。僕ら梅田を本拠地としているメーカーが出店するなら今しかない!というところで、物件のご縁なども重なり、出店が決まりました。

以前より検討していた中、タイミングが重なってのものだったのですね。

デビロックは、キッズアパレル×EC市場の中では先駆者であり、とても認知度の高いブランドですが、買い物の主体が店舗にある層にはまだまだ知られていません。当然ながら訪日外国人の方もご存じないでしょう。そうした中で、店舗を通じてデビロックのことをより幅広いお客さまに知ってもらうきっかけになればと考えています。

デビロックのファンの方、店舗で初めて知る方などがお店に足を運ばれると思いますが、どんな店舗にしたい、こんなふうにお客さまに楽しんでもらいたい、という思いはありますか?

この数年、デビロックは商品品質の向上に力を入れてきました。EC発のブランドと聞いて想像する以上に良い商品を作れている自信があるので、実際に目で見て、手に取って、ワクワクしてもらいたいですね。また、少し不安に思いながらECでお買い物をしていた方にも、安心してお買い物を楽しんでいただきたいです。

あとは、ファンの熱量を上げていきたいです。新規層をファン化していくことにだけではなく、これまでデビロックでお買い物をしていた方に対しても、今まで以上にデビロックを好きになってもらい、お客さまにとっての推しブランドになっていきたいです。

新規顧客獲得とロイヤルカスタマー醸成の2つの役割を担っていく…というイメージでしょうか?

そうですね。必要なものを買うだけであればECからワンクリックでできてしまう時代ですが、実際に自分の目で見て手に取って欲しいものを決めたり、店員とお客さまが直接交流しながら新たな発見をしたりするのは、やはり店舗ならではの買い物体験です。

僕たちとしても、ECを通じたクチコミに加え、会話の中でリアルな感想やニーズをキャッチしたい。それらをできる限り商品やサービス反映させて、さらにお客さまにご満足いただけるブランドにしていきたい。
そして何より、僕たち自身が直接お客さまにお会いしたいんですよ(笑)。

お客さまにお会いできる、というのは、ブランド運営においても大きなメリットですよね

そう思います。特にデビロックはキッズアパレルですから、お子さんたちの喜ぶ姿を見られるような仕掛けも作っていきたいです。店舗だからこそできる体験型イベントなどもいろいろ考えていきたいですね。たとえばショップ店員やデザイナーを体験できたら楽しいんじゃないかなあとか。店舗を通じて、デビロックのブランドステートメントである「もっと親子になろう」の実現に近付けていきたいです。

アパレル体験、いいですね!将来的に、キッズデザイナーになりたいっていうお子さんが出てきてくれたら…

未来のアパレルを支える子たちが出てきてくれたら最高ですね!
僕自身、小さいころから子供服の仕事をしていた親の働く姿を見たり、販売員のお姉さんに可愛がってもらったり、といった原風景があってこの仕事を選んだので、お子さんたちにとってのきっかけが作れたら嬉しいですね。そういう個人的な思いも少し入っているかもしれません(笑)。


実店舗を起点に商品やECにも変化を及ぼし、デビロック全体で成長を

今回の出店によって、ものづくりやメイン販路であるECにも何らか変化が生まれそうでしょうか?

ものづくりで言うと、この数年こだわってきた品質向上は今後も注力ポイントです。僕も転職して改めて驚いたのですが、デビロックって、EC専門ブランドの中では圧倒的にクオリティに気を使っているんですよ。お客さまが手に取って買うかどうかを判断できるということは、それだけシビアに評価されるということですから、社内の意識も自然と高まっていくんじゃないかと思います。

ECへの影響はいかがでしょうか?

ECと店舗では戦い方が異なるというか、店舗はECほどの自由度はありませんし、キャパシティも限られているので、決められた枠内でどれだけ利益を最大化させるのか?ということを突き詰めていく必要があります。だからといって、店舗のために何かを変化させたことがECにとってネガティブになってはいけませんから、ECと店舗それぞれの特徴を活かした戦略を考えていきたいですね。

当然ながら、OMO戦略も掲げています。もちろん店舗での売上目標は設定しますが、お客さまに自由な買い物体験を楽しんでいただくことが大前提です。近年は店舗がショールームのような役割になっていたりもしますからね。デビロックはECからスタートしている強みもあって、アプリや分析基盤などはできあがっているので、そこに店舗を絡めて分析していく。それによって店舗だけでなく、EC売上へも還元していきたいです。

さまざまな計画は立てていますが、実際にはスタートしてから多くの気付きや発見が生まれると思います。柔軟に変化させていくことで、デビロックというブランドはより強くなっていくと考えています。

確かに、スタートしてみて気付くことはたくさんありそうですね。

いきなり完璧にというよりも、まずは一歩踏み出してみることが大事なフェーズです。色んなことを試して、変えて、チャレンジしていく中で、利益を生み出してデビロックやグロウの成長に繋がる店舗にしていけたらいいですね。そういう意味で、本社オフィスと店舗の物理的な距離がとても近いのは、すごくやりやすい環境だと思います。


オフィス移転の効果も感じられ、より大きな目標やゴールに向かっていきたい

2024年5月に本社オフィスを北新地から梅田に移転されました。移転後の環境はいかがでしょうか?

会社の規模拡大に伴ってキャパシティが足りなくなったのと、あと以前はスタジオが別のビルに入っていたので、その距離感や移動コストなどを考えて、オフィスとスタジオを同じ場所に設けたいというのが移転の背景でした。

環境の変化というと、景色が良くなったり、天井が高くなって気持ちがのびのびしたり、空調も良くなったり…といった細かいポイントもありますが(笑)、やっぱり全員がひとつのフロアに集まれたことのメリットを実感しています。
気軽に撮影の様子を伺えるようになりましたし、ワンフロアで全員の顔を見られるようになりました。また、ミーティングスペースが増えたので、たとえばクローズドなコミュニケーションなど、さまざまなニーズに対応できるようになりました。お世話になっているお客さまや取引先の方々をお招きしやすくなったのも嬉しいです。

社員のみなさんも広くてキレイなオフィスになって嬉しいんじゃないでしょうか?

アパレル企業って、オフィスにコストを掛けないところも多いと思うのですが、キレイなオフィスで働けることはエンゲージメントにも繋がるというか、やっぱりモチベーションや生産性にも繋がるんじゃないかと思います。

それに加えて、組織としてアップデートしていきたいという思いもあります。
店舗オープンなど大きな変化もある中で、フランクでカジュアルなグロウの社風はこれからも大切にしつつ、背筋を伸ばすところは伸ばし、良い意味でのプレッシャーを感じながら一丸となっていきたいですね。

フランクでカジュアルなグロウの社風…とありましたが、社員のみなさんに共通する特徴などがありましたら教えてください。

すごくシンプルに言うと、「めっちゃいい奴」が多い組織です。ではその「いい」とは何なのかというと、自分のためだけじゃなくて、人のために考えたり行動したりできる社員が多いなと感じます。利他的な価値観を持っている、というのが共通点だと思います。

それがベースにありつつ、活躍している社員はより主体性があり、視座が高いです。自分で動ける人、チームやプロジェクトを引っ張っていける人というのは、それだけの信念と覚悟を持っているということですよね。ブランドや会社の成長と、自分の成長を重ねて考えていける人はどんどん伸びていくと思います。

では最後に、こういう人と働きたい!というメッセージをお願いします。

おもしろい人がいいですね!
多くの人は、今立っている現実の延長線上にゴールを引きがちなんですけど、そうではなくて、大きな理想や目標を掲げて、それに対して何をすべきか?を考えられるような人がいいなと思います。そういう人から出てくる意見やアイデアって覚悟を感じますし、とても情熱的でワクワクするんですよね。そういう人と一緒に働けると嬉しいです。

devirock(グロウ株式会社)

devirock(グロウ株式会社)

事業内容 子供服の企画・製造・販売
Eコマース事業
事業所 大阪府大阪市北区梅田2丁目5-25 ハービスOSAKA18階
設立 2008年4月
代表者 代表取締役 宮本智彦
従業員数 60人(2024年12月時点)
資本金 800万円

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