アパレル企業特集
2015.11.30
URBAN RESEARCH(株式会社アーバンリサーチ)
アーバンリサーチ×IT
半歩先をゆくチャレンジの裏側にあるもの
業界内でもいち早くリリースしたコーディネートアプリ、業界初のバーチャルフィッティングサービスなど、ファッションをより楽しむための仕掛けを次々と提案しているアーバンリサーチ。今回はそんな背景を伺うべく、プレス・マーケティング課 シニアチーフの三浦さんにお話をお伺いしました。
バーチャル試着サービスやアプリサービス、
アーバンリサーチ×ITというストロングポイント
アーバンリサーチといえば記憶に新しいのが、昨年リリースしたARによるバーチャルフィッティングサービスが話題となりましたね。
「ウェアラブルクロージング バイ アーバンリサーチ」といって、カメラの前に立って洋服を選ぶと画面上でバーチャル試着ができるサービスです。当社のECサイトと連携していて、気に入った商品はその場で注文することもできます。昨年、期間限定で池袋パルコに置かせていただきまして、現在はソラマチに常設しています。
この企画が生まれたきっかけは何だったんでしょうか?
飲んでいるときに出てきた企画なんですが(笑)、近い将来、無人・省スペース・商品不要で販売できるサービスのニーズが生まれるだろうという考えは元々あって、こういったサービスこそ、アパレル企業から発信していくことで色んな可能性が生まれるのではないか、と思ったのがきっかけでした。ECサイトさえあれば実店舗出店するよりもハードルが低いので、国内外のアパレル企業に向けてデバイス自体の販売も視野に入れています。
デバイス自体はまだまだ改善が必要な状態ですが、実際にお客さまにご利用いただくことで課題も可視化されてきましたので、どうアップデートしていくか、というのが今後のポイントですね。
リリース時にはどんな反応がありましたか?
狙いどおり、IT系でも製造系でもなく“アパレル業界”の企業が発信している、という点を面白く捉えていただいて、特に経済系のメディアからの注目度は高かったですね。あとは朝のニュースなどでも取り上げていただけたので、それこそTVCMに近いくらいのプロモーション効果はありました。
単にアーバンリサーチというブランドを知っていただく、というだけでなく、ファッション×ITという組み合わせで、面白そうなことをやっているな、と思っていただけたのが大きかったと感じています。
アーバンリサーチ×ITというイメージは計画的に作っていったものなんでしょうか?
会社としてITとの掛け合わせをストロングポイントにしていくという思いはあります。
ただ意図的にというよりは、創業当時からいるメンバーがWeb系のノウハウを持っていて興味・関心も高く、自分たちで全部手を動かして作っていたことが結果としてストロングポイントになっていった、という経緯ですね。
まだ「洋服をネットで売るなんて…」という考えも多かったタイミングから自社ECを展開し、ショップスタッフブログの仕組みを作り、ポイントサービスをIT管理に切り替え、今では当社のEC化率は20%を占めています。アパレル小売業におけるEC化率が良くて10~12%程度といわれているので、業界の中では高い方ではないでしょうか。今後はさらに30%まで伸ばしていきたいと考えています。
ECサイトと連携したコーディネートアプリのリリースも早かったですよね。
今では「WEAR」が浸透したりとスタンダードになりつつあるコーディネートアプリですが、それも当社はいち早くリリースしましたね。自社スタジオを構えて、専用のカメラマンを採用して、システムを自社開発して、環境からすべて整えました。「ウェアラブルクロージング」もですが、アパレル業界の中だけを見ているのではなく、ある意味IT企業などを競合と見据えて、アパレルならではの特性を活かしたサービスを提供していきたい、という思いはあります。
元々得意な方が社内にいらっしゃった、とのことですが、規模が拡大した今も自社開発をベースとしているのは何か理由があるのでしょうか?
小規模のベンチャー企業って、お金も人もないけどやりたいことはたくさんあって、とにかく何でもまずやってみよう!という空気がありますよね。当社もずっとそのスタンスでやってきて、ここ数年はおかげさまで企業規模も拡大してきましたが、今も変わらず創業当時のスタンスは続いています。やりたいことがあったらまずは自分でやってみる、社内のできる人に相談して動いてみる、と好奇心を行動に移していく文化が根付いているんですね。
また、会社の考えとして、何かやりたいことがあったらまずは1から10まで自分たちでやってみた上で、効率化を鑑みて必要に応じて外注を検討する、という判断をするようにしています。そうすると自分たちも1から10までの流れを理解しているので、外注企業とも対等にやりとりすることができるんです。社内にノウハウを蓄積していくことがスタッフの成長にも企業の成長にもつながるという考えから、まずは自分たちでやってみる、というスタイルが当社には合っているのかな、と。
「市場と対話をする」半歩先の潜在的ニーズにどうやってこたえていくか
これまでの業界を先取りする取り組みしかり、「ウェアラブルクロージング」しかり、そうした革新的なアイデアはどんな環境で生まれるんでしょうか?
よく、戦略会議があってそこで意見を出し合って…といった話を聞きますけど、当社の場合そういう場はなく、ほとんどが普段の仕事や会話の中から自然発生的に生まれています。
ふとした情報がビジネスのヒントになるかもしれませんから、ファッションだけにとどまらず色んな話をすることは意識しています。WEB関連部門も今や70名規模まで拡大しているので、分からないことがあればすぐに聞きに行って勉強させてもらったり、他社やアパレル業界以外の人とも積極的に関わったり、日々のニュースをチェックして時代の流れを把握したり、本当に様々なことにアンテナを張り、コミュニケーションを取ることが、アイデアを出すポイントだと思います。
出したアイデアはどのように形になっていくのでしょうか?
ビジネスとして企画を通すための準備をした上で、上層部が毎週開いている会議で協議されます。
会社やブランドの成長にリンクするものであれば、「それってアパレル企業でやること?!」というようなアイデアでも、すぐには回収できないかもしれないプランであっても、比較的理解してもらえる寛容性と柔軟性があります。
もし企画が通らなくても、どこがダメだったかを見直して解決法を考えて再度トライするサイクルができているので、すごく前向きに新しいチャレンジができる環境だと思います。
ちなみに…何か新しい取り組みがあれば教えていただけますか?
アプリまたはWeb上で接客を受けられるサービスを検討中で、遠からずリリースすべく今準備を進めています。
今、“ライフプラットフォーム”という言葉がいろんなメディアで語られていて、すごくざっくり言うとライフスタイルに関係するサービスはすべてスマホ端末に集約される世の中になるだろう、という話なのですが、当社ではそこを強く意識しています。アパレルはトレンドを含めて非常に回転の速い業界ですが、一方で経済的に見ると規模はさほど大きくありません。となると、アパレルの中だけでビジネスを考えるのではなく、IT要素を掛け合わせることでもっと大きなビジネスチャンスが生まれますし、もっと面白いライフスタイルを提供することができると考えています。
ライフスタイル、というキーワードはアパレル業界の中でも定番化してきましたね
はい。アパレル業界に限らず、今どんどんライフスタイルストアが増えている中で“マス”になるスタイルの提案をしていると、すぐに追いつかれてしまいます。ですので常に自分たちが良いと思うスタイルを突き詰めて、半歩先の提案をし続けていくことが重要です。
「伝統は革新の連続」という言葉があるのですが、永続する企業を目指すには常にイノベーションを持ってそれを継続していかなければなりません。
飽和しつつあるとも言われるライフスタイル業態の中で他社と差別化できているのは、そういう仕事のスタンスから生まれているのですね
代表の竹村の言葉でいうと、「市場ともう一度対話しよう」「食べながら走れ」ということなのですが、今現在の満足だけを見るのではなく、お客さまが何を思っているのか、何に困っていて、何が足りなくて、何を求めているのか、その先を考えながら動き続けています。新しいチャレンジが成功するかしないかはやってみないと分からないですが、「分からないからやらない」ではなく、見込みを立ててまずは動いてみることが重要なんです。
自由な発想で「アーバンリサーチで面白いことがしたい」と
発信できる方をお待ちしています
常に半歩先を見ながら新しいサービスを世の中に提案していく、そんなアーバンリサーチで働く上で必要なマインド、スキルなどがありましたら教えてください
中途採用を行う中で感じているのは、アーバンリサーチの本質を見ているというよりは、「アパレル業界のセレクト系で、ある程度知名度のある会社」というイメージ先行型の方が一定いらっしゃること。当社に関しては、そうした固定概念を抜きにアーバンリサーチという場所で何かおもしろいことがしたい!という方に来ていただきたいです。
アーバンリサーチで働くおもしろさって、役割として課せられた業務に加え、自分が興味持っていることをリンクさせてそれをビジネスにすることができるところだと思うんです。
そこに共感していただける方でしたら、大きなやりがいを見出すことができるでしょうし、それが会社にとっても一番嬉しいことです。
もちろん仕事ですから、好きなことだけではなく「やらなければならない仕事」もありますので、どんな仕事でも前向きに捉えてフットワーク軽く動けるかどうか、というのも大切ですね。
働いているスタッフはどんなタイプの方が多いですか?
先ほどとも少し重複しますが、固定概念なく物事を考えられるスタッフが活躍しています。
これはあくまで例えですが、お酒を飲みながら店頭で販売することって一般論としてはNGですが、「この場に関してはこういう理由があるから飲みながらでもいいですか?」という考え方ができる人。「何で今はこうなんだろう?」ということを常に考えていれば、「だったらこれに関しては踏襲する必要ないよね」「新しいやり方もあるよね」とアイデアを出すことができます。
そこにちゃんと必要性があればOK!と言える会社なので、「こんなこともアリなんだ!」ということでも、どんどん発信していける人がいいですね。
採用をする上ではどういう点を見ていますか?
中途採用においてはやはり即戦力を求めるので、最低限のスキルはもちろん必要ですが、それ以外ではキャラクター性というか、いい意味でのマイペースさというか、分かりやすく言ってしまえば「面白い人かどうか」「今のアーバンリサーチにないものを持っているか」を見ています。当社に入社した例で言えば、「私、臆病なんです」と言いながらヒッチハイクを繰り返したり、毎日100件ツイートしていたり、「ベトナム語喋れます」って、それどこで使うの?!というマニアックさだったり。これはちょっと極端な例ですが(笑)。
ものすごく個性的な方々ですね!笑
転職活動においてよく言われる「コミュニケーション力があります」「語学が得意です」といったものは、業務上必要があれば勉強して身に付けることができますが、上記で挙げたようなものは、スキルと言っていいのかも分かりませんが、もう誇れる個性ですよね。絶対に真似できないですもん!
もちろん単に変わっていればいいわけではないですし、逆に変わってないとダメなわけでもないですが、お会いして話をしてみて、「このキャラクターがどう仕事に活かされるかな?」とついワクワクしてしまうような方は、採用に至ることが多いです。
今回は社内SEの募集となりますが、SEならではの採用ポイントがあればお聞かせください
SEの方って環境によって働き方が全然違って、比較的自由度高くどんどん動いて人を巻き込んで動いていく方、決められた期間の中でこの仕事をここまでにきっちり仕上げる方、システム理解の高い人たちだけで構成された環境の中で仕事をしていた方・・・本当に色んな方とお会いし、それぞれに強みがあると思いますが、アーバンリサーチにおいては前者の方を求めています。
アパレル企業ですから、社内のほとんどの人間はシステムに詳しくありません。そういうスタッフを相手に、システム最適化を行っていくのが当社における社内SEの役割ですので、あるスタッフが「こういうことを実現したい」と相談してきたときに、その背景や要件をしっかりヒアリングした上で要望の適切さを判断し、「それだったらこんなやり方もありますよ」と提案できる方が良いですね。
事業会社での社内SE経験をお持ちの方でしたら、その辺りの感覚も十分だと思いますが、受託開発のSE経験しかないという方でも、「自社サービスを良くしていく仕事がしていきたい」「ファッションに興味があるから、好きなことに近いところで仕事がしたい」という方であれば、ぜひチャレンジいただきたいです。お待ちしています!
- Webサイトに公開している
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URBAN RESEARCH(株式会社アーバンリサーチ)
事業内容 | 紳士服・婦人服などの製造、実店舗・ネットショップでの小売 |
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事業所 | 本社:大阪府大阪市西区京町堀1-6-4 りそな京町堀ビル10F |
設立 | 1989年11月 |
代表者 | 代表取締役 竹村 幸造 |
従業員数 | 1500名(2015年11月現在) |
資本金 | 1000万円 |
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