アパレル企業特集
2016.06.27
31 Sons de mode、The Virgnia 等(ヒロタ株式会社)
ファッションと真摯に向き合う
今回は総合アパレルメーカー、ヒロタ株式会社に訪問。「31 Sons de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)」「The Virgnia(ザ ヴァージニア)」といった人気ブランドを統括する岩松さんにお話を伺ってきました。
スタイリングがこだわりの「トランテアン」と、
上質な素材を手が届く価格で楽しめる「ヴァージニア」
まずは企業について教えてください
ヒロタは、総合アパレルメーカーとして、1952年(昭和27年)に岐阜県で創業しました。
現在は東京にも拠点をかまえ、小売分野にも参入し、順調に拡大を続けています。 最近ですとブランドから知っていただくことも多いですが、元が製造・卸からスタートした企業ですので、ものづくりへのこだわりの強さが特徴です。素材の風合いや特性、デザインや配色、ラインなどにあらわれるトレンド感と品質の確かさに加え、コストバランスを追求し、多くの方に楽しんでいただける商品づくりを目指しています。
岩松さんが担当している2ブランド「31 Sons de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)」「The Virgnia(ザ ヴァージニア)」は、小売分野への参入時に立ち上げたブランドだとお伺いしました。
はい、そのとおりです。
まず、「トランテアン ソン ドゥ モード(以下、トランテアン)」は、当社が手掛けているブランドの中でも売上比率が一番高く、力を入れているブランドです。“31日間のオン・オフのファッションをコーディネートで提案する”をコンセプトに、スイートエレガンスな新しいコンサバスタイルを目指しています。主に20代~30代前半がターゲットです。
ブランドならではのこだわりはありますか?
人気スタイリストがアドバイザーとして入っていて、単品ではなくスタイリングを楽しむブランドだということです。
どのショップでも必ず行っているのですが、7体のボディをショップ入口の目立つところにレイアウトして、1週間分のスタイリングを提案しています。洋服だけでなく、バッグや靴、帽子、アクセサリーなどトータルコーディネートが楽しめるようなアイテム展開となっていますので、お客さまの好みやご要望に合わせて多種多様なスタイリングを楽しめることが特徴です。
販売スタッフにとっても、そこが腕の見せどころですね。
「ザ ヴァージニア(以下、ヴァージニア)」についてはいかがでしょうか?
ヴァージニアは、“ヴィンテージなマインドを持つ大人の女性が新しく出会う服”をコンセプトに、上質な素材を日常に落とし込み、手に届く価格でシンプルに楽しめるリアルクローズを提案しています。
20代後半から30代をターゲットに、歳を重ねて「本物」志向になっていく女性たちに対し、グレード感のある素材を使い、グレード感のある品質で提案しています。実際に着ていただいたとき、また洗濯を重ねたときにその質の良さが伝わるので、一度購入された方はその後も足を運んでくださることが多いです。
2016年秋冬の展示会にお伺いした際、カシミヤや毛足の長いラクーン、カシミヤと並ぶ高級素材と言われるヤク混糸、フェレットなど、本当に上質な素材で作られたさまざまな商品を拝見しました。しかも、どれもニットで12000~22000円程度とリーズナブル。なぜ高品質でリーズナブルな商品をつくることができるのでしょうか?
これは冒頭でお話した、製造業からスタートしているというのがポイントなのですが、直接取引できる工場がいくつもあって、生産にかかる費用を抑えることができるためです。商社を通して行うと、生産数などのコントロールはしやすいですが、どうしても中間マージンが発生して商品も高額に設定せざるを得なくなってしまいます。
直接工場と取引する場合、一定量のオーダーが必要であったり、為替や現地情勢などに影響されたりと大変な面もたくさんありますが、余計な費用が掛からないぶん、良い商品を安い値段でご提供することができるのです。
さまざまなこだわりが詰まっているのですね。
はい。どちらのブランドにも打ち出したいコンセプトがあって、MDやデザイナー、パタンナー、生産、販売までブランドにかかわるすべてのスタッフがその思いを実現するために、こだわりを持ってブランドを創り上げています。
近年はEC成長が顕著。堅実な成長を目指して
今後の事業展開についてお聞かせください。
今後も出店していく計画はありますが、かといってむやみに増やすということではなく、堅実な成長を目指しています。
直近では特にECサイトの売上が伸びていて、今はEC割合がおおよそ全体の20%程度なのですが、30%を目指してより力を入れていきたいと考えています。
20%はすごいですね!
自社ECをはじめ、ZOZOTOWN、楽天といったモールなど、ブランド立ち上げ時から力を入れて進めているので、順調に成長ができています。ECサイトはすぐに導入できるのが魅力ではありますが、やはりしっかり売上を作っていくためにはノウハウを蓄積していく必要がありますので、最初からしっかり考えて進められているのは大きいですね。
丁寧に仕事を進めていく、明るくまじめなスタッフ
ヒロタで働く方々はどんなタイプの方がいらっしゃいますか?
販売職はブランドをお客さまに伝える役割なので、やはりブランドイメージに合ったスタッフが多いです。 トランテアンの場合は明るくて元気な感じ。ヴァージニアはシックで大人っぽく、自立感のある感じでしょうか。特にトランテアンはスタイリングの提案をするという接客スタイルなので、お客さまと話をするのが好きというスタッフが多いです。
一方、デザイナーなど内勤スタッフに関しては、明るくてまじめで優しいタイプが多いです。
ものすごい野心があってガツガツと進めるというよりは、思い入れのある好きなブランドで、日々丁寧に仕事を進めていくというイメージです。もちろん細かく言えばブランドや立場、役職などによってもまた違いますが、全体傾向としては、比較的穏やかな空気の中で和気あいあいと進めています。
トランテアンからヴァージニアへの異動などもあったりするのでしょうか?
ターゲット年齢でいえば、20代でトランテアンを経験して30代でヴァージニアに…というキャリアイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。ただ現実としては、やはりコンセプトもテイストも全然違うブランドですので、テイストに左右されないパタンナーなどの仕事をのぞいて、ブランド間異動の実績はほとんどありません。
とはいえ、会社として禁止しているわけではもちろんありませんので、それを希望する社員がいたとして、実際にやっていけるだけのスキルがあり、組織バランスとして受け入れることができれば可能性はゼロではありません。
ファッションと真摯に向き合う社員を支える、ライフイベントに合わせた働き方
働く魅力ややりがいについてお聞かせください。
社員がみんなファッション好きで真摯に向き合っていることです。
それは単にスキルを伸ばしていくだけではなく、みんなでブランドを創り上げようという思いがあることです。
販売スタッフにしても本部スタッフにしても、一人で仕事をすべてこなすことはできません。社内外さまざまな人と関わるコミュニケーション力、そこからいろんなことを吸収していく柔軟性、困っていることがあれば助け合える思いやり、そうした仕事に対する姿勢がヒットアイテムを生み出す力となり、売上を伸ばす原動力となり、ブランドの成長へとつながっています。
そのマインドに共感いただける方であれば、大きなやりがいを持って働いていただけると思います。
働きやすさ、という点では、ライフイベントに合わせた働きやすい環境を整えています。
当社は約70%が女性社員なので、結婚や出産などが理由で仕事が続けられないということはないよう、できる限りのサポートをしたいと考えています。現在も産休から戻ってきて時短で働いているスタッフが5~6人はいるでしょうか。限られた時間ではありますが、これまで培った経験を活かしてみんな活躍していますよ。
最後に、このインタビューを読んで興味を持ったという方にメッセージをお願いします。
どんなに好きなことをしていても、仕事である以上、厳しいことや大変なことも必ずあります。
そんなときにやはり支えになるのは一緒に働く人です。当社は人の良いメンバーが集まっていますので、乗り越えたときに「仕事が楽しい」と感じていただける職場だと思います。
決して大きなブランドではありませんが、これから一緒に成長させていきたいという方のご応募をお待ちしています。
31 Sons de mode、The Virgnia 等(ヒロタ株式会社)
事業内容 | レディス・子供服・リラクシングウェア・メンズの製造・卸・小売業 |
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事業所 | 本社:岐阜県岐阜市玉姓町3丁目25-1 |
代表者 | 取締役社長 廣田 孝昭 |
設立 | 1952年11月 |
従業員数 | 270名(2016年6月時点) |
資本金 | 2億7,000万円 |