アパレル企業特集

2017.01.17

中外国島株式会社

中外国島“産地発”最高峰のメイドインジャパン生地を世界へ

愛知・一宮で、嘉永三年(1850年)から160年以上続く毛織物メーカー、中外国島。今回は海外事業を担当し、オリジナルブランド「COBO(コボ)」の企画から海外営業までを担う、柴田 秀信さんにインタビュー。日本発、尾州発のものづくりと海外事業へのチャレンジについてお伺いしました。

今回、この方にお話を伺いました!

中外国島株式会社 営業部 営業3課

柴田 秀信さん

今回、この方にお話を伺いました!

愛知県出身。英文学科の大学を卒業後、愛知県の繊維メーカーに入社。紳士スーツ生地のテキスタイルデザイナーとしてキャリアをスタート。その後、語学留学を経て、中外国島に転職。生地の知識と英語力をどちらも活かせる海外事業部にて、海外向け生地ブランド「COBO(コボ)」のテキスタイルデザイン兼海外営業を担当している。

160年もの歴史を持つ毛織物メーカー
世界最高峰の生地見本市「プルミエール・ヴィジョン」にも出展

それではまず、中外国島について教えていただけますか?

尾州産地で160年の歴史を持つ毛織物メーカーで、紳士・婦人服地の企画・生産・販売、海外への輸出を行っています。

歴史ある企業ながら、常に時代のニーズをくみ取り新たな挑戦を続けているのが特徴で、現在力を入れているのが、私の担当している海外事業です。フランス・パリで開催される世界最高峰の生地見本市「プルミエール・ヴィジョン」に日本企業の出展が許可された際には日本企業で初めて出展しました。海外向けオリジナルブランド「COBO」はハイエンドのブランド向けの高価格帯の生地を取り扱い、現在に至るまで年2回、ほぼ出展し続けています。

中外国島ではなぜ海外事業に力を入れているのでしょうか?

日本国内のビジネスは、もうある程度、需要と供給のバランスが決まってしまっていますが、海外取引を強化することで顧客が広がっていくので、ダイレクトに会社の成長に繋がります。また、海外取引を増やすことによって実績が増え、国内ビジネスにおいて営業しやすくなるのも大きなメリットです。


“産地発”のこだわり抜いた生地を、自らの手で世界的ブランドに提案する

柴田さんの担当している海外事業の具体的な仕事内容について教えてください。

日本の技術を使ったオリジナリティの高い素材を企画・製造し、自分たちでプレゼンテーションして取引先を開拓していく、という一連の流れすべてを行っています。
基本的には、2月と9月に開催されるプルミエール・ヴィジョンに合わせて計画を立て、テキスタイルの企画と製造、出来上がった素材を出展し、そこで受注したブランドと取引を行っていきます。
プルミエール・ヴィジョンの他にも、フランスやアメリカ、イタリア、ドイツ、ベルギー、中国などへ出向いて、生地の提案を行います。常に海外へ行けるわけではないので、現地のエージェントに営業代行を依頼したりしながら販路を広げています。出張はアメリカとヨーロッパへ年に8回程度あり、普段の海外とのやりとりはほぼメールで行っています。

展示会や海外の取引先とのやりとりは英語ですか?

はい。やりとりはすべて英語で行っています。
とはいえ、メールについてはそんなに難しい英語を使うわけではないので、中学卒業レベルを思い起こせば十分に読み書きできます。もちろん、出張して現地の方々に直接プレゼンテーションするとなるとヒアリング・スピーキングのスキルも必要になってきますが、語学力はある程度頑張れば身に付くものなので、英語に対して拒絶がなく、前向きな気持ちで覚えたいという意欲があれば問題ありません。

海外とのやりとりで苦労したことなどはありますか?

一番大変だったのは時差です。
たとえばヨーロッパの場合時差が8時間あるので、取引先が午前中に「すぐに連絡ください」と言って来た場合、日本では夕方なんですよ。そこから返信のための調査や準備をして返信して…となると、どうしても夜遅くなってしまうんです。入社してすぐはこの時差に苦しめられましたが、今は取引先との関係性の中で時差に対する理解もいただけるようになったので、うまくタイムマネジメントできるようになりました。

海外取引には時差が付きものですもんね。緩和されて良かったです…。逆に、この仕事の醍醐味ややりがいは何でしょうか?

テキスタイルデザイナーとして自分が企画して作ったものを直接提案して、その結果が目に見えて分かることです。
ここでの仕事は非常に自由で、取引先に認められるものが作れるのであれば、固定概念にとらわれず、さまざまなアイデアを形にすることができます。いわば“ディレクター”という立場でものづくりをマネジメントし、誰もが知る世界的ブランドをはじめとした取引先に自ら提案することができる、とてもクリエイティビティの高い仕事です。

それをしかも“産地”で経験できるというのは魅力的ですね。

企画や製造はすべて当社で完結させているわけではなく、糸や織りの仕上げは別工場に依頼したり、名古屋地区の有松・鳴海絞りなど他の産地と組んでコラボ商品を企画したりと、社内外様々な方々のご協力をいただきながら進めています。
産地で働く一番のメリットって、そうした技術職の方々と直接話し、アイデアを出し合いながらものづくりができることなんです。デザイナーとしての細かなこだわりも、どうやって実現するか相談しながら商品に落とし込むことができるので、もし今の仕事に物足りなさを感じている方がいらっしゃったら、「本当のものづくり」を知っていただけると思います。

「COBO」ではどのようなこだわりを持ってものづくりをしているのでしょうか?

「一見普通っぽい、でも何かが違う特別なもの」
というのが「COBO」のこだわりです。
コレクションブランドは、ランウェイの際に注目を集めるような突飛な素材を使うのと同時に、メイン素材というものが存在します。そのメイン素材というのは、一見すると普通ですが実際に細かく見て触ってみると、とても繊細であったり、手触りが変わっていたり、表面変化が細かく表現されていたりなど、高い技術を落とし込んだ細かなこだわりがたくさん詰まっています。そしてそれは、ブランドの方向性を示す、とても重要なポイントとなります。
「COBO」では、そうしたコレクションブランドのメイン素材となり得るような、特別感のあるものづくりを目指しています。


少しでも興味を持っていただけたら、まず一歩を踏み出してみませんか?

今回、柴田さんと一緒に海外事業を進めるメンバーを募集中とのことですが、こんな人に来てほしい、というイメージがあればぜひお願いします。

冒頭でもお話したとおり、中外国島では海外事業の拡大を目指しています。
パリやNYを中心にもっと取引先を増やしていきたいですし、そのために新しい生地の開発にも力を入れたいと考えています。 そこで、現在私が担当している「COBO」での企画、製造、営業という仕事を一緒に行う方を募集しています。もちろん素材や語学の知識、経験のある方であれば即戦力としてご活躍いただけますが、私も前職でテキスタイルデザインの素人からスタートし、日々の業務の中で知識やスキルを身に付けてきましたので、経験が浅くても意欲のある方であれば大歓迎です。

入社後は、素材のことからひとつひとつの取引先、コミュニケーションの取り方など、覚えていただくことがたくさんありますが、ファッションや素材、ものづくりに対する思いの強い方であれば、興味深く身に付けていただけるのではないかと思います。

中外国島の社員のみなさんで、地場以外のご出身の方はいらっしゃいますか?

基本的には地場産業なので、愛知・尾張地区出身の社員が多いですね。
しかし、今回募集する海外事業に関しては、東京など地場以外からの社員が過去にも多く在籍しています。東京のコレクションブランドでデザイナーをしていた方が、「ファッションを突き詰める上でもっと素材の知識が必要だ」と考えて産地である当社に転職した例もありましたし、大学で素材を学んだ方が「英語ができないけど日本のものづくりを海外に知らしめたい!」という入社した例もありました。

他エリアにお住いの方が一生をここ愛知に捧げるとなると相当の覚悟がいるかもしれませんが(笑)、もっと気軽に考えていただいても構わないんですよ。

確かに「産地で働く」ことはハードルが高いように感じる方がいらっしゃるかもしれません。

案ずるより産むが易し、です。
せっかく、他では経験できない大きなチャンスがあるのに、「生地を知らない…」「英語ができない…」「愛知は遠い…」と思い詰めて考えるのはもったいない。ちょっと興味がある、やってみたい、もう少し詳しい話を聞いてみたい、そんなポジティブな思いが少しでもあれば、一歩踏み出してみていただきたいです。
自分の考えたことを形にして世界に提案するという、大きな可能性を手に入れられるはずです。
まずは一度話をしてみませんか?ぜひお待ちしています。

柴田さんにASK!

中外国島への転職のきっかけは?

もともと映画が好きで、字幕なしで映画を楽しみたいという思いから英語への興味が高まり、一度前職を退職して半年の語学留学をしたんです。帰国後はまた前職に戻ったのですが、せっかく身に付けた英語力を仕事にも活かせないか…と考えていたところ、中外国島で海外事業のメンバーを募集していることを知り、応募しました。
当初はテキスタイルデザイナーとして入社しましたが、体制やメンバーが変わる中で現在は海外営業まで一手に担っており、これまでに培ってきたすべてのスキルをフル活用しています。

柴田さんが考える今後の目標やチャレンジを教えてください

「COBO」のような高い技術をふんだんに取り入れた生地はやはり高価なので、一流のブランドと取引できる反面、使っていただける企業がある程度限られてしまうのが悩ましいところなんです。なので、こだわりは極力そのままに、より多くのお客さまに使っていただけるような素材開発ができないか?というのが今後のチャレンジとして考えていることです。
そのためにはメンバー増員が急務なので、ぜひ一緒にチャレンジいただける方をお待ちしています。

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中外国島株式会社

中外国島株式会社

事業内容 紳士・婦人服地および服の企画・製造・販売
事業所 愛知県一宮市大和町馬引字焼野48番地
代表者 代表取締役社長 伊藤 核太郎
設立 1919年(創業1850年)
従業員数 64名(2017年1月現在)
資本金 6480万円

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