アパレル企業特集
2017.02.09
株式会社サードオフィス
ものづくりを軸に新たな挑戦を続けるサードオフィス
「カッコイイを開発する」の流儀とは
2000年創業とまだ若い企業ながら、的確なマーケット分析に基づくトレンド発信、確かなものづくりによって大きな成長を見せ、存在感を増し続けているサードオフィス。今回は代表取締役社長の西村さんに、サードオフィスの軸となる考えや今後の展開などについてお話を伺いました。
今回、この方にお話を伺いました!
株式会社サードオフィス 代表取締役社長
西村 隆さん
1998年、大手繊維商社でメンズアパレルを4年経験後、2002年にメンズ担当営業としてサードオフィスへ転職。その後、組織の変革等を経て2010年、代表取締役社長に就任。
「かっこいいものづくり」に徹底的にこだわり、その強みを武器に新しい事業へのチャレンジを続けている。
「カッコイイを開発する」サードオフィスの理念に込められた思い
まず、サードオフィスについてお聞かせください
サードオフィスはOEM事業からスタートした企業で、現在は様々な事業テーマにおいて経営支援サービスを行っている株式会社リヴァンプの事業会社として、OEMだけでなく「ものづくり」を軸にさまざまなビジネスを展開しています。
1番は消費者、2番はお取引先、そして私たちサードオフィスは3番目。つまりは消費者とお取引先を下支えする裏方の立場として、ものづくりを通じ、日本、そして世界のファッション業界の発展に貢献していきたいと考えています。
ファッションビジネスに携わる以上、「カッコイイよね」「カワイイよね」という純粋な気持ちを一番大事にしたいという思いから、「カッコイイを開発する」を理念に掲げ、商品はもちろんのこと、事業開発においても、まず自分たちが「カッコイイ」と思えるかどうかを常に問いながら展開しています。
ファッションはカッコイイ…一見、当たり前のようにも感じますが、その思いをあえて掲げているのには何か理由があるのでしょうか?
ファッションはカッコイイ。当たり前ですよね。
でもビジネスの世界においては、必ずしもそのシンプルな考えが最優先ではなくなる場面を何度も味わってきました。
僕は商社出身で、大手アパレル企業のメンズ担当としてアパレル業界のビジネスを学び、大小さまざまな仕事を経験させていただきました。ただ商社という特性上、最終的に評価されるのは「もの」ではなくて「数字」なんですよ。もちろん数字を上げるのは当然ですが、僕は、もっとものづくり自体にこだわった上で数字を上げる努力をしたかったし、同じものづくりでビジネスをするなら、カッコイイ、カワイイと思えるものや事業を手掛けたいと思ったんです。
OEMを軸にしながらも自社ブランドの運営やVMDコンサル、ブランド事業支援など、さまざまな取り組みを行っていますが、このスタイルにはどのような思いがあるのでしょうか?
昨今の日本のアパレル業界は、本来ファッションの本質であるはずの「ものづくり」をアウトソースすることで、ブランドや商品の同質化を招くという大きな課題を抱えています。そんな中でも本当にものづくりと向き合ってきた企業には、技術やノウハウ、知見がしっかりと蓄積されていて、それはこれからの時代において重要な価値になると感じています。
僕たちOEM企業も、単に「下請の会社」「卸企業」と言ってしまえばそれまでのビジネスになってしまいますが、「ものづくりの機能を持っている企業」と捉えれば、そこに価値が生まれ、大きな可能性が見えてきます。
当社がこれまでに培ってきた「ものづくり」という武器を極めていけば、小売やセレクトからスタートした企業とはまた違うアプローチができないか?僕たちの展開しているさまざまな事業やサービスは、すべてその思いが軸になっているんです。
他とは一線を画す、サードオフィスの「ものづくりの現場」とは
近年、大きな組織の変革を行っていると伺いましたが、どういったことをしているのでしょうか?
OEMでは、取引先に対して担当営業と担当デザイナーが付いて進めるのが一般的だと思いますが、当社では、デザイナーを「企画部」と組織で捉え、さまざまなデザイナーがひとつの企業・ブランドに対し提案できるような組織づくりをしています。
デザイナーにも得意分野がある中で、企業やブランドのニーズを一人ですべて応えられるとは限りません。取引先企業はあくまで「サードオフィス」という企業とビジネス関係にあるわけですから、当社が持つさまざまなクリエイションを提案することが、取引先企業にとって最もよい形であると考えています。
企業の価値を最大限に活用するとても魅力的な組織だと思いますが、一方で組織としてみると効率的ではないようにも感じます。
その通りです。とても非効率ですし、組織としての難易度も高いです。
しかし、ビジネスの世界において“合理的じゃないことが実は本質である”ということは多く、合理化を進めるがゆえにもっとも大切なものを切り捨てて失敗してしまう事例をこれまでにたくさん見てきました。
もちろん、営業と企画をペアにして縦割りの組織にしてしまったほうが組織としては合理的ですが、僕たちのミッションは、サードオフィスが持つ200%の力を提案し、取引先企業を通じて消費者の方々に洋服を楽しんでいただくこと。本当の意味でお客さまのためになる仕事をするため、僕たちは難しいチャレンジをしています。
難しいチャレンジ、というのは具体的には?
当社の体制を極端にたとえると、ブルペンにデザイナーが待機していて、監督…つまり上長が取引先に合わせて誰をマウンドに立たせるかコントロールするイメージ。うまくいかなかったらすぐに交代になってしまいます。
この手法って、営業とペアで決められた取引先に対して仕事をする、いわゆる従来型の体制に慣れてしまっているデザイナーにとって、とてもシビアで厳しい環境なんです。「あなたはこの案件にはいらない」と言われることもあるわけですから。
しかし、お客さまと向き合い、その先にいる消費者と向き合い、自分の腕で勝負するのが本来のクリエイションだと思いませんか?僕たちが目指すのは言われたことを仕様書に起こす“製造者”ではなく、“クリエイター”の集団です。はじめは「これまでと仕事の仕方が全然違う…」と戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、そこを乗り越えてクリエイションの面白さを感じることができれば、デザイナーとして大きな成長を遂げることができるはず。そんな会社が僕たちの理想です。
若手社員や女性社員が活躍できる環境づくり
サードオフィスとして目指している姿についてお聞かせください。
組織面では、アパレル業界の平均年齢が徐々に上がりつつある中、やっぱり服を買う一番の年齢層である、20~30代の若手社員がどんどん活躍できる組織でありたいと考えています。それを実現するため、当社では社員が働きやすい環境づくりに力を入れています。
特にライフイベントに左右されやすい女性社員のサポートが重要で、産休・育休・時短制度は当然のこと、無認可保育園にお子さんを入れている女性社員に対し、保育園費の半額を支給する制度を導入しました。
出産に伴いやむを得なく仕事から離れたけれども、やっぱり好きな仕事がしたい。そういうパワーのある方がもっと活躍できる業界にしていきたいですね。
これは一例ですが、他にもさまざまな制度・環境の見直しを行っています。
ビジネス面ではいかがでしょうか?
進行中のビジネスも含めて、これからも「ものづくり」を軸としたチャレンジを続けていきますが、直近で考えているのは「Eコマース」と「海外進出」です。
まずEコマース。作り手が直接消費者にリーチするビジネスは、今一番取り組みたいことですね。自社雑貨ブランドを軸としたECサイトを立ち上げ、単に売るだけではない、当社ならではの仕掛けを盛り込んでいけないか試行錯誤しているところです。
海外進出については、副社長を中心に90%が外国人スタッフで構成された海外部隊が10名ほどいて、海外アパレルメーカーとの取引拡大を行っています。現在は日本からの出張ベースで進めていますが、生産拠点の中国での事務所設立を皮切りに、2017年は販売拠点として欧米に事務所の立ち上げも計画していて、僕たちのものづくりがどこまで世界に通用するかを本気でチャレンジしていきたいと考えています。
仕事は自己実現の場。チャレンジする気持ちを大切にしてほしい。
最後に、現在アパレル業界で転職活動中の方々に向けてメッセージをお願いします。
商社やOEM企業は、分かりやすくブランドや店舗があるわけではないので、「何を目指して、どこを向いて仕事をするのか」に迷う方が多いのではないでしょうか。かく言う僕自身も未だに悩みながらの日々ですが、ものづくりに対する自信が持てる点、柔軟性があり色んなことにチャレンジできる点については、当社ならではのおもしろさとして感じていただけると自負しています。
仕事というのは自己実現の場です。
たとえば体制ややり方をフレキシブルに変えることが難しい大企業や、仕事が固定されてしまっているような組織、ものづくりの機能が整っていない組織ではできないようなことも、当社であればできることがたくさんあります。
僕もかつて、自分の信念を実現するためにサードオフィスという場を選んだひとりです。
もし今の仕事や環境で自己実現ができていないならば、そしてサードオフィスで何かできるかも?!と思っていただけたならば、その気持ちを大切に、ぜひチャレンジをしてみませんか。心よりお待ちしています。
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株式会社サードオフィス
事業内容 | 衣料品等における ・ODM(Original Design Manufacturing)/ OEM(Original Equipment Manufacturing)事業の展開。 ・繊維製品の卸売り、輸出入及び三国間貿易 ・ブランド開発 |
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事業所 | 本社:東京都目黒区東山3-8-1 東急池尻大橋ビル6F |
代表者 | 代表取締役社長 西村 隆 |
設立 | 2000年4月 |
従業員数 | 86名(2017年2月現在) |
資本金 | 6,650万円 |