アパレル企業特集
2017.02.17
STUDIOUS、UNITED TOKYO(株式会社TOKYO BASE)
日本発ファッションスタイルを世界へ
TOKYO BASEが最速で成長し続けている理由
2017年2月17日、東証一部に昇格した株式会社TOKYO BASE。
2017年4月には初の海外店舗として香港コーズウェイベイに、セレクトショップ「STUDIOUS」の路面店をオープンすることも決定し、次世代のアパレル業界を担う存在としてその動向に注目している人も多いのではないでしょうか。
今回は、取締役兼「STUDIOUS」事業部長の高嶋さんと、「UNITED TOKYO」商品部長の菅井さんにインタビュー。TOKYO BASEのキーマンであるお2人に、事業の方向性や圧倒的な成長スピードの秘密について迫ります。
今回、この方にお話を伺いました!
取締役 EC兼商品部長
高嶋 耕太郎さん
1社目で谷正人CEOと同じデイトナ・インターナショナルに入社、25歳で「FREAK'S STORE」のMDを任されブランドの成長に寄与する。アマゾン ジャパン社がファッション事業を立ち上げるタイミングでバイヤーとして転職し、商品部長・コンサルティング部長を兼任。2016年2月にTOKYO BASEへ転職し、現在は取締役に加え、「STUDIOUS」の事業部長をつとめる。
UNITED TOKYO 事業部 Division manager
菅井 隆行さん
出身である岡山にて、学生服を扱う企業の一般アパレル部門で生産・企画・営業を経験。東京転勤をきっかけにバイイングなど経験の幅を広げ、アイディーランドカンパニーに転職。ブランド運営、OEMにかかる一切の業務を手掛ける。2014年3月、「UNITED TOKYO」立ち上げのタイミングでTOKYO BASEへ転職。1年の準備期間を経てブランドを立ち上げ、現在は「UNITED TOKYO」の商品部長をつとめる。
リアルなモードスタイルを提案するTOKYO発セレクトショップ「STUDIOUS」
ALL MADE IN JAPANのコンテンポラリーブランド「UNITED TOKYO」
まずは高嶋さん、「STUDIOUS」の現状についてお聞かせください
高嶋:“日本発を世界へ”をコンセプトに国内のTOKYOブランドにこだわり、TOKYOのリアルなモードスタイルを発信するセレクトショップで、売上構成比は、セレクト50%オリジナル50%です。
オリジナル商品の割合を増やした方が利益は上がりますが、コンセプト通り日本発のさまざまなブランドをご提案したいいという思いから、この構成比にはこだわっています。むしろ、もっと割合を増やしてもいいかもしれません。ブランドの売上をどうやって伸ばしていくかまで入り込んで、最終的には日本ブランドを扱う会社のナンバーワンになって世界へ、というのが目指している姿です。
オリジナル商品についてはいかがですか?
高嶋:オリジナル商品のクオリティは、現状「UNITED TOKYO」に負けている状態です。
社内でもライバル関係として、「UNITED TOKYO」の品質に近づくためにどういったクリエイションが必要かを日々模索しています。これまでは「売れるオリジナル商品を作ろう」という考えでしたが、今後はクオリティファーストを掲げて、ファッション性はもちろん、素材や縫製などの品質に注力して、お客さまにとってさらにバリューの高い商品をご提案できるように変革しています。
その変革の背景には何があったのでしょうか?
高嶋:普通の商品を普通に売っているだけでは他社との差別化もできず、今後どんどん衰退化していきます。たとえどれだけ素晴らしいビジネスモデルがあっても、ファッションそのものに魅力がなければお客さまは振り向きません。今以上にもっとファッションを突き詰め品質を高めることで、お客さまの感動につながり、ブランドや会社の成長につながり、給料という形での社員への還元につながると考えています。
ブランドを成長させるための最善策をビジネスとして考えた結果、「しっかりしたものづくりを行う」というファッションの基本に立ち返ったのが現状の「STUDIOUS」です。
では菅井さん、「UNITED TOKYO」はいかがでしょうか?
菅井:“ベーシックでありながら上質で洗練された「MODE」に、すべてオリジナルの「MADE IN JAPAN」をミックスさせたコンテンポラリーブランド”がコンセプトで、特徴は原価率を50%にまで高めていることです。
単に日本製ということだけでなく、歴史と伝統に裏打ちされた、日本でしかできない生地や縫製や品質をとことんまで突き詰めて、それを原価率50%に設定することで、お客さまの手に届きやすい価格でご提供しています。とてもシンプルな戦略ですね。
シンプル…と言いつつも原価率50%のビジネスはなかなかできることではありません。
菅井:原価50%でしっかり利益を出すには、プロパー消化率を高めて、在庫をきっちり回転させる必要があります。少しでも在庫が残ってしまうと利益を圧迫してしまうので、気を付けながら運営しています。 在庫は残さないしセールも積極的には行わないのがブランドのスタンスで、実際にセール時期でも値引くのは全体の3割程度、値引き率も抑えているので、プロパーできっちりと売ることができています。
オールメイドインジャパン、産地にこだわるというところにはどういった思いが込められているのでしょうか?
菅井:「UNITED TOKYO」の裏テーマとして、日本の産地を活性化したいという思いがあります。
日本の産地って世界の一流ブランドとも取引をしていて、実際に足を運んで話をすると、開発力や技術力、ものづくりに対する圧倒的な熱意を感じます。しかし彼らにはその技術を直接消費者のもとに届けるすべがないので、クリエイションと販売は「UNITED TOKYO」が担い、同じ日本企業として手と手を取り合って日本のものづくりを世界に発信していく。そんな産地にとってのプラットフォームになればと考えています。
まだまだ道半ばではありますが、将来的には300億円規模のブランドにして、「STUDIOUS」よりも幅広い年齢層とマーケットを狙って成長していきたいですね。
自分で考え、行動し、圧倒的な結果を残し続ける
お互いに業態は違えど、刺激し合っている印象を受けましたが、ブランド間でのコミュニケーションやスタッフの異動などはあるのでしょうか?
高嶋:オフィスはワンフロアで席が近いので、コミュニケーションはかなり頻繁にありますし、ブランドごとの垣根はありません。異動ももちろんあります。会社にとって人員の配置換えはとても重要なミッションなので、スタッフのパフォーマンスが100%以上発揮できるようなポジショニングを考えて行っています。ブランド間もありますし、店舗と本社間の異動もありますよ。
ブランドや職種をまたぐ兼務などはありますか?
菅井:ちょうど今、新事業立ち上げに伴って一時的に僕が兼務していたりはしますが、基本的にはありません。
これもやってあれもやって…と兼任していると、誰が何の実績を上げてどう評価するのかが会社としてジャッジしづらくなるので、一人ひとりの役割をきっちり決めて、明確に評価をしています。
評価の話が出てきたので併せてお伺いしたいのですが、スタッフに対する評価軸についてお聞かせください
高嶋:僕たち経営に近い社員には3つのゴールがあって、ひとつめは株主に対する予算達成。ふたつめは会社に対する予算達成。最後が「すごい目標」というものです。これはもう尋常じゃなく高い目標なんですけど、そこに到達するためにどういったアクションを取っていくのか考えて実行しています。会社の予算は達成して当たり前。スタッフにはその予算を意識するのではなく、自分の目標を立てて、そのためにどんな動きを取るかを考えて行動するように話をしています。
菅井:“プロパー消化率”と“実績の粗利”は「UNITED TOKYO」も同じで、業態が違うのでクオリティ評価のところは少し違います。今年の秋冬、10月のアマゾンファッションウィークで「UNITED TOKYO」コレクションを出すためにクオリティアップとブランドのイメージ付けを行っているので、その動きがひとつ評価になってきます。
高嶋:当社はビジネスライクな話題にのぼることも多いので、「厳しい」というイメージを持つ方もいらっしゃると思います。しかしそれは、単に怒られるとか怖いとかそういうことではなくて、常に自分と向き合って、自分で考えて動きなさいということなんです。
考え抜いて実行することができない方には確かに厳しく感じるかもしれません。
でも、自分で考えたことを形にして実績を残したい!という方にとっては、最短で成長できるベストな環境です。
TOKYO BASEが最速で成長し続けている理由が分かった気がします。
高嶋:僕たちは、どんなに良いパフォーマンスが出たとしても今現状を100点とは絶対思わないんです。
たとえば、今年の予算を達成して来年150%の予算を設定したとしても、良かったね!ではなく、「じゃあ今年のうちに150%まで伸ばせたとしたら、何が足りなかったんだろう?」と考えて、次の行動につなげることを大切にしています。
なので、褒められることはめったにありません(笑)。
もっとやれるよね?どうやったら数字を取れる?と、どんどん前に進んでいく。
代表の谷やCFOの中水からそのスタンスで、社員全員で考えてアクションして、“より良く”を目指しています。
菅井:ほんと、それが一番大事ですよね。
当社は毎年新卒を採用しているのですが、ゼロからスタートして半年後に店長になる社員が出てくるんですよ。そういう向上心やチャレンジ精神、行動力を僕たちはすごく評価しています。
転職に関しても同じで、もちろん(新卒と違って)これまでのご経験やスキルを活かすという点は加わりますが、「こうしたい」という思いを持って仕事と向き合っている人を評価しています。
なので、「今」のハードルを上げる必要はなく、これからどうしたいかを考えて欲しいですね。もし今が30点の存在だったとしても、半年後に95点にまで成長できればいいのかなと。
一人ひとりが裁量権を持って、自分が考えられることをすべてできる
おふたりにとってのTOKYO BASEの魅力、働きがいは何ですか?
高嶋:自分の裁量で会社の売上や利益を左右できるところです。
通常の組織って、トップからピラミッド型に広がっていくと思うんですけど、TOKYO BASEの場合は、すべてのスタッフに裁量権が与えられている、と言っても過言ではないフラットな組織なんですよ。ポジション関係なく全員がプレイヤーなので、僕も先週ひとりで工場に行って商談をしてきましたし、谷も代表であると同時にバリバリのプレイヤーで、どんどん動いて色んなことを決めてきます。
「これを絶対になしとげたい」と思う気持ちがあれば、自然と一生懸命考えて行動に移せますし、結果を残せばそれはそのまま自信に繋がります。
菅井:もちろん確認や承認といったフローはありますが、「こんなことを実現したい」という思いがストレートに会社に届くので、どの立場でも関係なくアイデアを出し合いブラッシュアップしていくことができます。
上からの指示がないと動けないタイプの方には大変かもしれませんが、もし今、裁量のない組織で窮屈な思いをしている方がいらっしゃったら、自分で行動して結果を残す手ごたえとやりがいを当社で味わっていただけると思います。
高嶋:たとえば別担当のスタッフが「ECを覚えたい!」と手伝ったり、企画チームも「自分で作った洋服を自分で売らないで何が分かるんだ」と自らお店に立って接客・販売したりしています。自分が考えられることをすべてできるのがTOKYO BASEの一番の魅力。そこをしっかり評価する制度も整えているので、結果として平均年収が高いという点に繋がっています。
社員全員が自分の力を120%まで発揮して、給料として還元し幸せになる。さらにセレクトしたブランドや工場などにまで還元先を広げて、世界に発信していく。TOKYO BASEの理念があれば、そこまでたどり着けると信じていますし、そのチャレンジこそが一番のやりがいだと思います。
そんなやりがいに溢れる環境で、TOKYO BASEの社員に求めるものは何でしょうか?
高嶋:まず何よりも、自分を大切にして欲しいですね。
たとえば今後会社がさらに大きくなったとしても、30年後、絶対に社員全員を幸せにできるという保証はだれにもできません。結局、自分のことは自分で幸せにするしかないんです。「自分で考えて自分で動く」というのはそういうことで、自分の成長のため、給料を上げるため、家族を大切にするため…人によって違いますが、これ!というものが見つかったら、それに向かって全力で進んで欲しいです。そこまでしっかり考えて自分を持って行動できる人は、仕事においても本質を捉えることができますし、そんな社員が集まる企業でありたいと考えています。
菅井:高嶋と重複するんですけど、自分自身にコンセプトを持っていること。
「自分の強みはこうで、こう活かしたい」「数年後にはこうなっていたい」というものを持っている人が活躍できる会社なので、ぜひ自分の強みを持って、口だけではなく、失敗を恐れず行動に移せる人でいて欲しいです。
全員がキーマンで、全員がプレイヤー
最後に、現在アパレル業界で転職活動中の方々に向けてメッセージをお願いします。
高嶋:皆さん、今現状に満足していますか?
今働いている組織があと10年後に存在して、今以上に成長しているという具体的なイメージがわきますか?
そこで、あなたの自分の好きな仕事ができていると思いますか?
自信を持って「はい、大丈夫です!」と言える人ってどれだけいるでしょうか。
ぜひ、これからの自分自身の未来について今一度本気で考えてみてください。
そして、TOKYO BASEの環境があなたの未来を実現できるものであれば、ぜひお待ちしています。
菅井:自分の強みを武器に目指す姿や夢に向かって行動できる方が、やっぱりこれからの時代に求められていると思います。これしかできないけどこれだけは負けない、という方はその「負けない」部分を圧倒的に磨いてください。
高嶋:特質系の人いいですよね。細かい仕事は苦手だけどコミュニケーション力が異様に高いとか、人と話すのは苦手だけどとんでもなく業務効率が高いとか、服が好きな思いは誰にも負けないとか、スーパーロジカルとか。振り切ったスキルを持った集団でありたいです。
菅井:そう。行動力のある人って、自分でどんどん動かしたいという思いから独立志向の方が多かったりするんですけど、「これがものすごく得意!でもそれ以外は苦手…」という特質系タイプの方は、もしかすると一人での独立は厳しいかもしれないなと。でも、できないことがあるから夢をあきらめるってもったいないじゃないですか。
TOKYO BASEであれば、その行動力を存分に発揮して、全員で会社やブランド、事業を大きくしていくことができます。
得意分野はどんどん伸ばして、苦手分野はお互いに補完し合って、みんなで振り切っていく。
そんな組織だからこそ、全員がキーマンで、全員がプレイヤーであり続けられるのかなと思いますね。
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STUDIOUS、UNITED TOKYO(株式会社TOKYO BASE)
事業内容 | セレクトショップ「STUDIOUS」の運営 コンテンポラリーブランド「UNITED TOKYO」の運営 |
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事業所 | 本社:東京都渋谷区渋谷1-2-5 MFPR渋谷ビル 2F |
代表者 | 代表取締役 CEO 谷 正人 |
設立 | 2008年12月12日 |
従業員数 | 163名(2017年2月現在) |
資本金 | 2億6000万円 |