アパレル企業特集
2017.06.05
ログズ株式会社
問屋とOEM/ODM、海外ブランドマネジメントにシェアオフィスまで?!多事業を展開する「ログズ」って?
日本橋・馬喰町の問屋街にひときわ目を引くオシャレなビル。
老舗問屋、丸太屋の100%子会社として2016年に設立されたログズ株式会社です。
ファッションクリエイター向けシェアオフィス「co-lab(コラボ)」をはじめ、多岐にわたる事業展開が注目され、繊研新聞やWWD、Webメディアで目にした人もいるのではないでしょうか。
今回は代表取締役 CEOの武田さん、執行役員 CSOの下田さんをはじめ、社員のみなさまにお話を伺いました。
今回、この方にお話を伺いました!
代表取締役 CEO
武田 悠太さん
日本橋・馬喰町の老舗問屋、丸太屋の跡取りとして生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業後、コンサルティング企業のアクセンチュアに入社。30歳になる2014年10月、丸太屋が倒産間際の株式会社ニューカネノを買収。赤字会社を1年で黒字転換。その後も次々に新規事業を打ち出し、2016年8月、ログズ株式会社と会社名を変更。
執行役員 CSO
下田 健太郎さん
慶應義塾大学商学部卒業後、人材派遣会社を起業。順調に事業を拡大していたが、高校時代に自身の家庭教師であった武田との、「将来は丸太屋を舞台に何か一緒にやろう」との約束を果たすため、自らの事業を閉じ2015年2月にログズに入社。執行役員 CSO(最高営業責任者)として、OEM/ODM事業をはじめ営業部門を担う。
常識にとらわれない仕掛けでファッション業界を“震撼”させる
まずはログズの事業内容について教えていただけますか?
武田:ログズの前身は、90年以上続くニューカネノという問屋です。しかし、衣服関連の問屋業界がものすごいスピードで衰退する中、ニューカネノも事業の継続が難しくなり、同業であった僕の家業(丸太屋)に買収されることとなりました。僕は当時アクセンチュアで働いていましたが、赤字会社を立て直すという「挑戦」に惹かれ、会社を辞め、ニューカネノに参画することにしました。
最初の半年でおおよその事業内容を把握し、その後、大学の後輩でありアクセンチュア時代の部下であった高越をCFO(最高財務責任者)として、大学時代から多くの時を過ごした下田をCSO(最高営業責任者)として迎えて事業の立て直しを行いました。ファッションのことは何も分からない3人でしたが、僕の場合、「何をするのか」より「誰とするのか」ということが重要だと思っていて、試行錯誤しながらも、1年で黒字化することができました。
現在も展開している「ニューカネノ」がスタートだったのですね。
武田:はい。その後、問屋事業だけでは今後の成長が難しいということもあり、まずはモノを作れないとこの業界で舞台に立てないということで、服飾雑貨のOEM/ODM事業をスタートしました。この事業も幸いわりといいスタートを切れたので、OEM/ODM事業にさらに付加価値をつけるためにと、ニューヨーク発のストリートブランド「NEWHATTAN®(ニューハッタン)」の日本法人を運営したり、ファッションクリエイターを集めるためにシェアオフィスを運営したり、既存のビジネスモデルにとらわれずに事業を拡大していきました。
会社を引き継いでから2年、気が付いたら問屋(ニューカネノ)としての側面より、他の側面が大きくなってきたので、2016年、ログズ株式会社に会社名を変更しました。
シェアオフィスというのはまた他とは違ったビジネスですね。
武田:当社は6階建ての自社ビルで、以前はすべて問屋店舗として使っていました。4-5階はメンズアパレルの問屋、6階はオフィスだったのですが、事業立て直しの一環でアパレル事業部門を廃止し服飾雑貨にフォーカスしたので、4-6階がわりと自由に使えるようになりました。そのタイミングで、余った場所を安く貸し出し、ファッションデザイナーを集めてうちの仕事をやってもらおう、と考えたことがこの事業のスタートです。最初はデザイナーを集めるという考え方でしたが、それだとあまりにありがちで、千駄ヶ谷・渋谷エリアとの差別化も難しかったので、もっとファッション業界に貢献できることをと考え、「ここのがっこう」というファッションスクールを誘致して「学びの場」として活用してもらったり、三面採光を活かしてカメラマンさんにスタジオ利用してもらったりしています。なので少し特殊なシェアオフィスになっていますね。
それぞれの事業はどういった位置づけで展開しているのでしょうか?
武田:問屋やOEM、ライセンスについては、ビジネスとして売れるものをしっかり作って利益を得ることを重視しています。ファッションの世界だと、“高価格帯のものを作るのがステイタス”という価値観がありますが、個性的な10万円のアイテムを一部のファンに売るのと、1000円のアイテムを多数に売るのとでは、後者のほうがマーケットに与えるインパクトは強い。そこで当社は「品質x価格で業界No.1」を掲げ、品質対価格という価値をお客さまに提供し、ファッション業界を“震撼”させる存在を目指しています。
一方、ファッションのおもしろさである「クリエイション」の部分。ここはシェアオフィスを通じて場づくりや人脈づくりをしています。正直分かりやすく利益の出る事業ではありませんが、常識にとらわれず面白いことを仕掛けていきたいです。今の事業については大きくこの2軸ですね。
ログズだったらこんなことができるんじゃないか…と夢がふくらみますね!
武田:まさにそう思ってもらえると嬉しいです。“みんなちがって、みんないい”って言葉があるじゃないですか。ログズは本当にそのとおりで、いろんな社員がいます。個人で外部の仕事を受けている東コレデザイナー、台湾人のトリリンガル生産管理、繊維商社代表取締役経験のある経理担当者、副業で銀座のクラブでホステスとして働く社員、東京工業大学・東京大学大学院卒という学歴を捨てて新卒入社した社員などなど、経験もバックボーンもさまざま。じゃあそんなメンバーが集まって何をしているかというと、それぞれがやりたいことを実現するためにログズというインフラ、プラットフォームを活用して、楽しく働いてくれればそれが一番だと思っているんです。
いわゆる従来型というか、「組織」に属する「社員」という考えとはかなり印象が違いますね。ファッション業界で正社員に対して副業OKというのはなかなか他にはない環境だと思います。
武田:そんなに特別なことじゃないですよ。これからは「個」の力が大事で、遠からずダブルワーク、トリプルワークが当たり前の時代になるので、それを早々に取り組んでいるだけなんです。そのあたりの感覚が近い人にはストレスなく働けますし、他の企業の何倍ものスピードで成長できると思います。
ただ、働き方に関する自由度は高いですが、価値を出すことへのコミットに対しては厳しいです。たとえば営業だったら純利益、つまり自分がどれだけのコストを掛けて売上を作ったのか。また、お客さまや会社に対してどんな価値をもたらしたのか。そこにはこだわって欲しい。それがプロですから。
「お客さまにとって価値のあるものづくり」にこだわり続けたい
続いて、現場で活躍する営業のUさんとデザイナーのOさんに現場のリアルをお伺いします。おふたりとも前職も同業とのことですが、ログズに転職したきっかけはなんだったんでしょうか?
U:共通の知人を通じて2年くらい前に営業責任者の下田と知り合ったことがきっかけでした。その後、さまざまな話をしたり、業務に少し関わらせてもらったりする中で、ログズで働くことの楽しさを感じて転職しました。
どんなところが楽しかったのでしょう?
U:仕事内容自体は前職と大きくは変わりません。ただ、一つ一つの仕事への切り口が全く違って、それはこの会社が、業界経験者ゼロからのスタートだったことが大きいと思います。とにかく、この業界の常識は良くも悪くも完全に無視してますね(笑)。
そして、ログズのものづくりは、お客さまへの価値、お客さまが求める商品作りに対して圧倒的に真剣に向き合っていて、本当に細かいディティールまでこだわるんです。僕が入社した当時は、ものづくりの素人集団でしたから、細かいところまでこだわらないとやっていけない状況だったんですけど(笑)、僕にはそれが逆に新鮮に感じて、ものづくりのひとつひとつにワクワクしていた初心を取り戻したような気がしています。
実際に入社してみていかがですか?
U:入社前からやりとりしていたのでギャップは全然ないです。上司の下田は席も隣なので何かあるとすぐ声を掛けて承認や決裁が取れますし、デザイナーもすぐそこにいるので無駄なくスピード感をもって仕事できるのがすごくやりやすいです。みんな仲がいいので仕事も遊びも同じ一直線上にあって、何かとみんなで飲みに行ったり、会社のテラスでBBQしたり、ホームパーティーしたりしてますね。僕自身、まだ転職して8か月ほどしか経っていませんが、ずっといる気がするくらい馴染んでいます。
デザイナーのOさんはいかがですか?
O:お客さまにとって価値あるサービス、商品づくりを追求した結果、OEM/ODMであり問屋でもあり、新しいことを次から次に仕掛けるログズという環境がベストだな、と思ったのが決め手でした。これまでの経験をこの会社で活かせると思ったのも大きかったです。
OEMであり問屋である環境がいい、というのはどういうことでしょうか?
O:OEM/ODM企業って在庫を持っていないのが一般的ですが、在庫がないということは常に一からものづくりをしないといけません。たとえばあるお客さまに商品を納品して、「思ったより売れたから、来週追加してほしい」と言われてもそれができないんです。ログズは問屋という特性上、在庫を抱えているのでそうしたお客さまのリクエストにも応えやすい。それはお客さまにとってログズのOEM/ODMを使う大きなメリットになります。
なるほど!確かにOEMであり問屋であるログズならではの価値ですね。
O:先日、自社展示会を社内の5階で行ったのですが、そこでの商談のあと、今度は1~3階の問屋部門にご案内して展示してある商品を参考にしながら、「ここのパーツを◯◯に変更して、生地は◯◯を使ってサンプルアップしますね」とか、「このボディにワンポイント刺繍して、内側にブランドネームをたたいてオリジナル商品化できますよ」といった新たな提案ができたんです。入社前からイメージしていたような“ログズにしかできないビジネス”が実現しつつあるなと思います。
「自分が良いと思うものを提案し、喜んでもらえるのが嬉しい」
というシンプルな思い
現在、事業成長に伴う営業スタッフの増員が急務とのこと。CSOの下田さんにお聞きしたいのですが、端的にどんな人を社員として迎えたいですか?
下田:「明るくて前向きで元気な人」というのはどの業界の営業マンであっても同じだと思います。
僕がこの業界の営業をしていて感じるのは、「マルチタスクをこなすスキル」が特に重要だなぁ、ということですね。ただ目の前の商材を売って終わり、という営業ではなくて、一つの商品を企画提案してから納品まで、お客さま・工場・検品所・フォワーダーなど、あらゆる関係者とのやりとりが同時に発生しますし、その管理が出来るかが大切になってきます。しかも1人の営業が抱える案件は常に20以上、多いときには40くらいはありますから、そんなに簡単なことではないと思ってます。
たとえば下田さんから見た営業のUさんってどんな方でしょうか?
下田:Uは本当にいいですよ。どこがいいのか…そうですね、まず、見た目に反して「真面目」なこと。お客さまに対していかにして価値を出すか、どうすればお客さまに満足いただける商品がつくれるだろう?ということに対して、本当に真摯に向き合っています。 本人からどんどんやりたいことが出てくるのもいいですね。それがお客さまはもちろん、当社にとっても価値になるものであれば即OKを出しています。
ご本人もスピード感あるのがやりやすい、って仰っていましたね。
下田:効率的に業務をこなす、スピード感も大事です。OEM/ODMって、常にカスタマイゼーションのビジネスなので、同時にいくつものお客さまのそれぞれ違う要望に合わせたものを作らないといけません。なので杓子定規な営業ではだめだし、逆にすべてのことに丁寧に向き合いすぎても回らない。業務の優先度を見極めて手際よく進めていくスキルは必要です。
営業に対する評価はどのようにされているのですか?
下田:武田からもあったように当社の営業は「純利益」で評価しています。単純に売上目標をクリアしたから、粗利が良かったから、評価が高くなるというものではありません。一つの商品を作って売るために、見えない部分でどんなコストが発生しているのか、間接費・会社全体の運営費・人件費はもちろん、すべてのコストを案件毎に計算して、「純利益」を出しています。トータルで考えたときにどれだけ会社に利益をもたらしたかを、最終的にはきっちり賞与として反映させています。
会社の利益というのは、数字以外では?
下田:たとえば、あるお客さまとじっくり関係性を構築し、小さいながら面白い企画を提案し、その商品が話題になったとします。たとえそれ自体は大きな売上にならなかったとしても、“話題性”を生み出すというのは会社にとって十分に価値のある仕事です。そうした定性面も評価しています。 評価の軸もやはり「価値を生み出す」ことにコミットできたかどうかなんですよ。
「価値を生み出す仕事が評価される」と言われるととても分かりやすいです。
下田:そうですね。評価とそれに基づく賞与に関しては、この業界のどの会社よりも明瞭で太っ腹な体系になってると思います(笑)。なので、「売る自信がある方」、ぜひ我々の仲間に加わって欲しいです。あとは、かなりアクの強い人間が多い会社なので、強い個性を持った方のほうが早く馴染めるかもしれないですね。この記事を読んで、我こそは!と思った方、ログズに興味を持って頂いた方がいましたら、是非ご応募ください。
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ログズ株式会社
事業内容 | 服飾雑貨の問屋事業、OEM/ODM事業、シェアオフィス事業、ブランドマネジメント事業 |
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事業所 | 本社:東京都中央区日本橋横山町7-14 |
代表者 | 代表取締役社長 武田 悠太 |
設立 | 2016年8月 |
従業員数 | 20名(2017年5月現在) |
資本金 | 1000万円 |