アパレル企業特集

2018.05.21

NOISE MAKER(株式会社NOISEMAKER)

NOISE MAKERが日本のファッションに楽しさを取り戻す!
メイドインジャパンにこだわるものづくりへの思い

「長く楽しく着れるファッションを提案したい」という思いでスタートした、メイドインジャパンのブランド、NOISE MAKER(ノイズメーカー)。今回は、代表取締役であり、デザイナーでもある長谷川 亨さんに、日本のファッションシーンに対する思いや、NOISE MAKERのこだわりなどについてお伺いしました。

もくじ

今回、この方にお話を伺いました!

株式会社NOISEMAKER / 株式会社AGE 代表取締役

長谷川 亨さん

岐阜県大垣市出身。岐阜市のアパレルメーカー勤務を経て22歳で独立。プリントTシャツの卸からスタートし、大手セレクトショップやアパレルメーカーへのOEM・ODMを展開する。
その後、メイドインジャパンにこだわったオリジナルブランド、NOISE MAKERをスタート。フラッグシップショップをオーストラリアにオープンし、現在は、自社ECサイトとZOZOTOWNも加えて展開中。

日本のファッションシーンに対して、本物の良さを伝えていきたい

まず、NOISE MAKER(ノイズメーカー)の成り立ちについてお聞かせください

NOISE MAKERは、ものづくりにおけるすべての工程をメイドインジャパンで作り上げることにこだわったオリジナルブランドです。なぜメイドインジャパンにこだわるか、少しお話したいと思います。

もともと僕は22歳で独立した後、地元の岐阜でAGE(エージーイー)という会社を立ち上げて、国内のさまざまなセレクトショップに対し、国内や中国の工場を使って洋服づくりをしてきました。

僕の出身であり、当社の生産拠点にしている岐阜県には、洋服づくりのスペシャリストの方々がたくさんおられます。そんなスペシャルな職人さんたちと日々仕事をしている中で、「中国や第三国で同じような洋服を大量生産するだけになってしまったねぇ」「日本のファッションは洋服を作るというプライドがなくなっちゃったねぇ」といった声を、近年多く耳にするようになりました。

「着る人に喜んでもらう」という点から日本のファッションマーケットを見回してみると、大量生産・商社ビジネス・価格競争などといったさまざまな背景によって、クオリティと価格のバランスがおかしくなってしまっている。 洋服づくりを生業にしている自分にとって、「日本のファッションってこれでいいのかな?」と考えるようになりました。

僕なりに日本のファッションを考えたとき一番に浮かんだのは、永きにわたって受け継がれてきた縫製技術や、素材への追及というマインドを絶やしたくないという気持ちでした。そこで、メイドインジャパンにこだわった洋服づくりを自分の手で行うことで、日本のファッションシーンに対して、本物の良さを伝えていくという“ノイズ”を起こしたい。そんな思いを込めて立ち上げたのがNOISE MAKERです。

高価な服は買えないけど、品質が良くてオシャレな洋服が着たい ――
ワクワクするような洋服と出会いたい ――
5年先、10年先も長く愛せる1着を見つけたい ――

自分たちのこれまでの洋服づくりであれば、そうしたファッション好きの方々を裏切らない洋服を提案できるはず。
そう自問自答し、ファッションの楽しさとフェアプライスにこだわったものづくりをスタートさせました。


5年、10年と経っても色あせない商品を作り、ヒット商品を生み出していきたい

現在はEC中心で展開していらっしゃるのでしょうか?

NOISE MAKERは僕が一時期住んでいたオーストラリアからスタートし、現在日本では自社ECサイトとZOZOTOWNで販売しています。
ZOZOTOWNには2000以上のブランドがあり、無名のブランドが普通に掲載しているだけでは埋もれて見つけてもらえません。はじめは売上金額を見るのも嫌になるくらいで、現実はそう甘くないなと思っていたところ、運良くカットソーやスカートなどいくつかのヒット商品が生まれました。商品の「お気に入り登録」が10,000ほどに増え、ZOZOTOWNの人気ランキングに掲載され、商品やブランドに興味を持ってくださる方が徐々に増えてきたのです。

ファッション誌「GINZA」にも掲載していらっしゃいますね

ブランドのターゲットは25歳から40歳。もちろんSNSでも情報発信していますが、この世代のファッション好きがぐっとくるのはやっぱり雑誌だと考え、現在、「GINZA」で、TRUNO by NOISE MAKERの特集を連載しています。今月号で3回目ですが、この特集を見てブランドを知ってくださるお客さまも多く、思った以上の反響をいただいています。

どれだけ良いものづくりをしても、“知名度” と “安心” がないと、お客さまの元へはとどきません。「あの人気ファッション誌で紹介されている」ということが、ブランドを知るきっかけとなり、また購入するにあたって安心の証となっているのだと思います。
購入した方が実際に商品を手に取り、着用し、金額に対する良さを感じてくださったら、そこから今度はSNSを中心に口コミで広がっていきます。そうしたサイクルがうまくかみ合って、想定よりも早いタイミングで売上目標を達成することができました。

クオリティと価格のバランスを真摯に突き詰めることで、想定よりも早くファンの方々に愛されるブランドになってきたのですね

このまま成長を続けていくためには、毎シーズンそうしたヒット商品を生み出していかなければなりません。
かといって分かりやすいトレンド商品を作るのではなく、僕の気持ちとしてはやっぱり、5年、10年と経っても色あせない商品を作りたいというのがものづくりの軸となっています。革ジャンブームの年じゃなくても革ジャンが欲しい人はいる。スウェットブームじゃなくてもスウェットが欲しい人はいる。自分たちが良いと思うものを作って、そういう方々に届けていきたいと考えています。

ブランドの成長とともにリアル店舗などは検討されていますか?

今のところリアル店舗の出店は考えていません。
人件費や店舗に掛かる経費などを考えると商品の価格が上がってしまう、というのが主な理由です。
代わりに、というわけではないのですが、近いうちに東京事業所を開設し、すべての商品を見ることができるショールームを準備しています。実際に素材やサイズ感や着心地などをチェックして、気に入ったらECサイトで購入していただく、業界向けにはプレスルームとしての役割も果たす、というイメージです。


ファッションに対する情熱を持ち、好きなことを実現するために努力できること

NOISE MAKERの一番の強みはどこにありますか?

これはあくまで僕の価値観での話になりますが、これからの日本のファッションにおいて生き残るのはファクトリーブランドだと思っています。ZARAやユニクロなどがまさにそうですが、世界規模で見ても成功している企業というのは、自社でものづくりの機能を備え、工場を回しながらいち早くお客さまに商品を届けるという手法を取っています。

当社は小規模ではありますが、ビジネスとしてやっていることは同じです。今日思いついたアイデアが、明日・明後日というスピード感でサンプルとして上がってくる環境というのはやはり強いです。 もちろん、それに気づいて自社工場を持とうとチャレンジした企業もあるでしょう。しかし、それは簡単ではありません。なぜなら今、技術面、品質面、人材面においてマネジメントできるプロが本当に少ないからです。

僕らはこの20年あまり、デザインもパターンも縫製もすべて自分たちで勉強して、世界に誇れるスペシャリストの方々と直接の関係性を持って、真摯にものづくりをしてきました。だから、日本を代表するコレクションブランドと同じ工場で生産した高品質な洋服を、その数分の1ほどの価格でご提供することができます。僕らに勝ち目があるとすれば、そこだと思います。

今回、デザイナーとECサイトMDを募集されていますが、採用背景と求める人物像をお聞かせください

ブランドの成長に伴う増員です。本当はNOISE MAKERの中に色んなテイストのラインが欲しくて、実は今もVELVET by NOISE MAKERというブランドを泣く泣く休止しているのですが、スタッフが増えることで復活させたいですし、さらにラインを増やしたいとも考えています。

僕らのものづくりは今回お話したとおりなので、ファッションに対する情熱を持っていて、やりたいこと、好きなことを実現するために努力できる方を求めています。時代に合わせたニーズを研究できる方はきっと多いと思うんです。それに加えて、オリジナリティを表現できる方が良いですね。

NOISE MAKERを成長させていくため、僕も代表として会社組織を大きくする責任があります。
まずは同じ思いを持って努力できる仲間を増やして、ファッション好きの方々に喜んでいただける洋服をもっとたくさん作って、ブランドや企業の価値を高めていきたいです。そうしてその価値を必要としてくれているところに売れば、その利益でもっとおもしろいこと、やりたいことが実現できます。
もちろんブランドや会社への愛情は大切ですが、逆にしがらみになってしまって、低迷するまで延々とやり続けるのは健全なビジネスとは言えません。
どこもが欲しがるような企業を作り上げて、さらに価値の高いものを生み出していく、それが僕たちの最終目標です。

NOISE MAKER(株式会社NOISEMAKER)

NOISE MAKER(株式会社NOISEMAKER)

事業内容 衣料品企画・提案・パターン作成、自社工場での衣料品縫製など
衣料品に関わる一切の業務
オリジナルブランド「NOISE MAKER」の企画・生産・販売
「NOISE MAKER」フラッグショップ(ゴールドコースト)の運営
事業所 本社:岐阜県岐阜市日ノ本町1-3
設立 2017年08月
代表者 代表取締役 長谷川 亨
従業員数 4名(2018年5月時点)
資本金 1,000万円

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