アパレル企業特集
2018.10.29
DoCLASSE(株式会社ドゥクラッセ)
“実年齢で輝く”がテーマの「DoCLASSE」
日本のミドルエイジがもっと輝くために
米国大手通販アパレルブランドの日本支社長などを経て、2007年に大人のためのファッションブランド、DoCLASSEを設立した代表取締役の林恵子さん。自宅のガレージに4台の電話を引き、コールセンターを創ることから始まったDoCLASSEは、彼女のビジネスパーソンとして、そして人としての魅力に多くのメンバーが共感し、今や売上270億円を越える企業へと成長しました。今回は、そんな林さんのアシスタント兼HRマネージャーの對馬加名子さんにインタビュー。DoCLASSEが持つ思いやものづくりのこだわり、仕事に対するスタンスなどについてお伺いしました。
一瞬で人を元気にすることのできるファッションの力で、
多くの感動をお届けしたい
DoCLASSEは創業12年とまだ若い企業ですが、立ち上げの背景は何だったのでしょうか?
代表の林がDoCLASSEを立ち上げたのは、内面の美しさが充実するミドルエイジの方々を、ファッションの力で応援したい。これからの日本社会でミドルエイジの皆さんがさらに輝けばもっと日本は元気になるはずという思いからでした。私たちのミッションの中にある「私たちは服と靴を売るためだけにいるのではありません。縁あって出会ったお客さまに思いやりの心と笑顔を差し上げ愛で包み込むために集まったチームです。」というメッセージには、創業当時からの林の思いが込められています。
素敵なお考えですね。商材をファッションにした理由は何だったのでしょうか?
女性たちが気に入った服を手に試着室に入り、ドキドキしながら試着して出てこられたときのぱぁっと明るい笑顔を見て、洋服が持つ、一瞬にして人を元気にする力をみなさんに提案していきたいと思ったのです。
新しい服に袖をとおす時のときめき。鏡に映る新しい自分をみつけた時の驚き。お気に入りの服に身をまとった時の誇らしさ。まだまだ続く人生という冒険の中で、お客さまの背中を押すような存在でありたいと願っています。
ビジョン・ミッションを実現するためのファッションビジネスなのですね
もちろんファッションが好きという思いは根底にありますが、私たちが何を実現できたら、お客さまにより多くの価値を提供できるだろうか、私たちが何を選択すれば衰退産業と言われるアパレル業界に旋風を巻き起こせるだろうか、というビジネスマインドを強く持っています。
社員の個性も入社時の大きな評価ポイントです。“金太郎飴”のように似たような強みやキャラクターの社員を採用するのではなく、個性も得意分野もみんなバラバラ。チームは”カラフル”であるべき。という考え方を根底にチーム編成を行っており、あなたの得意と私の不得意、補完関係に成り得るか?という視点を大切に、「どんどん失敗して、失敗から多くを学ぼう!」という文化を大切にしています。これが、全速力で変革を続ける組織が勝ち続ける「人材戦略」だと思っています。
不得意を認めることも、失敗を認めることも、本来はなかなかできませんからね。でもそれを当社は、推奨しているんです。
2017年度で275億円まで売上を伸ばしていますが、創業から12年という短期間でどうやってここまで成長されてきたのでしょうか
設備投資や出店などで多少の波はありますが、創業当時に立てた“売上1,000億円までの道”はイメージ通りに実現できています。 設立当初は通販に注力し、会社の体力をつけながら、ものづくりに力を入れました。3年目、満を持して当時の本社があった自由が丘に1号店をオープンしたところ、駅から徒歩20分にも関わらず、「試着してみたかったの!」と、多くのお客さまが足を運んでくださったのです。購買率はなんと100%!店舗が待ち望まれていた実感を肌で得ることができました。
私たちとしても、マスのお客さまとの接点を増やし、また広告出稿からDoCLASSEを知ってくださった方の受け皿としても店舗展開は創業当時からイメージをしてきたので、「時が来た」という思いで、そこから全国に出店を仕掛けていきました。
当初は30坪ほどの小型店舗が中心でしたが、さらなる成長のため、フラッグショップとなる大型店へのチャレンジも進めています。ではどうすれば、全国で出店を心待ちにしてくださっているお客さまの元へ、1日も早くお店をOPENさせることができるのか?答えは、経営スキルを上げること。日々、喜んで下さるお客さまのお顔をイメージし、一人ひとりが経営マインドを持ち、上手な経営を実践したいですね。
カタログ通販とECサイト、店舗展開の3本柱で成長されてきたのですね
創業当時から、カタログでお買い物をすることに慣れ親しんだお客さま、お店で実際に商品を手に取り試着をしてみたいお客さま、効率的に自由なタイミングでお買い物をされたいWebのお客さま。それぞれに価値を提供できなければ、お商売は成り立たないと思っています。3つの異なる販売チャネルを駆使し、商品から宣伝、そして販売の戦略を体系化できるか?次なるチャレンジが始まっています。
最近は新宿アルタのオープンが話題になりましたね
元々、「世界一の乗降客数のある新宿」にフラッグシップが欲しい。という思いは、林の中にありました。そのチャンスが訪れるまでに大型店のオペレーションを確立しておきたい。と準備をしていたのですが、どんな時でもチャンスは前触れもなく訪れるもので、出店意思を表明してからOPENまではあっという間の正味4ヶ月。全てが整ってからスタートするのでは遅い。チャンスに気付ける「直感」と、誰のチカラを借りればそれが成せるのか?ひたすらゴールをイメージし続ける想像力と、当社ならではのチームワークが大いに発揮された出店となりました。
先日はガイアの夜明けで特集していただき、11月からはテレビCMも始まりますので、一気に露出度を上げて盛り上げていきたいですね!関東初のフラッグショップ「新宿アルタ店」を、ブランドの世界観を伝えるお店にすることが当面の目標です。
良いものづくりをすれば必ずお客さまが付いてきてくれる。
DoCLASSEの一番の強みはやっぱり、デザイン性の高い商品をリーズナブルに買えることだと思いますが、そのような難しいものづくりを実現するポイントは何でしょうか?
中間業者様やOEM会社様のおチカラに頼るのではなく、社内に企画やデザイン、生産管理などの専門部隊をしっかり組織することで、「ものづくりの川上にのぼろう!」と決めました。それが約4年前のことです。
そのきっかけは、創業以来初めての赤字決算を出したことでした。お商売の基本である「お客さまに感動を」という視点に立ち返ったときに、お客さまが求めるものを、ご希望のタイミングと適正な価格で提供し続けるには?というシンプルな問いを続けました。その答えが、私たち自身がものづくりのプロになる。ということだったのです。
事業規模100億円ほどの頃から、海外工場を開拓し、共に成長することを約束し合っての直接貿易は、私たちにとって次なるステージに向けた新たなチャレンジのはじまりでした。経営の醍醐味は、スリルを味わい学べることと、値決めを自由にできること。そのためには、全ての情報を私たちが把握し、先々を見据えて準備をするチカラが求められます。こんな風に、臨場感のある経営を実現することが、人材育成への近道だと思っています。まさに、OJTでしか学べないことですね。
DoCLASSEの規模感で商社やOEMに頼らず工場コントロールまで自社で行うというのは大きなチャレンジだと感じます
はい、ものづくりに携わってこられたプロの方々は、このチャレンジに共感いただけるのではないかと思います。
「直貿(直接貿易)」は、納期コントロールからクオリティ担保まですべて社内で行うので、経営の機動力は高まりますが、反面、リスクコントロール能力が求められます。組織に変革を強いるとき、個々が抱く不安を払しょくするのも経営の重要な役割ですが、当社の場合は本当にポジティブマインドなので…「出来るかな?」という不安は一切なく、むしろお客さまの「利」を考えたときに、選ばないという選択肢は一切ありませんでした。3年で軌道に乗せよう。という共通の時間軸を社内で持ち、取り組みを始め、計画通りこの3年で順調にサイクルを回せるようになっています。
5年前の赤字によって、目指すビジョンと経営のプロセスを改めて見直し、結果としてさらなる成長ができたことは、私たちのものづくりへの自信にも大きく繋がっています。そう考えると、5年前のライバル企業の出現や赤字決算にも、大いに感謝ですね。事実は変えられませんから、そこから何を学び未来に繋げるか?立ち止まって考えるチャンスを貰えたと思っています。
コールセンターと本社が同じフロア内にあるのもこだわりでしょうか?
はい。今月のカタログの調子はどうだろう?この商品のお客さまからの反応はどうだろう?なぜこの商品は返品率が高かったのか?どこに課題があったのか?など、日々コールセンターに寄せられるお客さまからの声を、次のものづくりやオペレーション改善に活かすための戦略です。誠意はスピードでしか表現できませんので、1日も早く、1分でも早く、お客さまがお寄せくださるお声を経営に繋げたいと考えています。
350名在籍しているオペレーターの皆さんは、商品の受注を受けることが役割ではなく、お客さまにイキイキと輝いていただくことが最終ゴールです。どんなときでも、モチベーション高く働いてくださっています。オペレーター職が未経験でご入社された方でも、2~3週間でみるみる輝かれていくところが当社の財産であり、ぜひ、成長の場としてご選択いただきたい理由です。
夢の実現のためにDoCLASSEを活用して欲しい。
DoCLASSEで働くやりがいやおもしろさはどういったことでしょうか?
一番は、成長企業ならではのチャレンジができることではないでしょうか。
変革する環境に身を置くと、生き残るための手段方法として変化し続けることが求められるのですが、それを繰り返すことがまさに「自己成長」に繋がると思っています。
大小問わず、日々何らかのチャレンジを重ねていかないと、やりたいことにチャレンジするのではなく、できることだけを無難に選択するようになってしまう。そうするとどうなるか?ほどよいビジネスパーソンにはなれても、勝負すべきときに壁を越えきることができなくなってしまうのです。それは会社にとっても個人にとっても、とてももったいないことです。
こうした現象は決して個人の責任ではなく、「変革する環境」を提供できない会社の責任だと思っています。ですので当社では、林自らがビジョンを掲げ変革を繰り返しています。そこに集う皆さんには、この環境を大いに活用して欲しいですね。チャレンジの結果、たとえ失敗をしたとしても、ポジションを失うことはありませんが、チャレンジしないことで失うものは沢山あるのが、DoCLASSE流です。
失敗した情報はノウハウとして蓄積し、永続的な会社成長のための仕組み作りにいかしていていきます。まさに、個々の失敗=会社の財産なのです。
失敗は財産である、という社風をつくり上げているのですね
もうひとつ、当社ならではのおもしろさは、お金の哲学についてよく話をするということでしょうか。
売上の方程式は、<喜んでいただいたお客さまの数×感謝の御代>
つまり、売上が伸びる=喜んでいただいたお客さまが増えた!ということなので、「今日は何人のお客さまを喜ばせることができたかな?」という会話が繰り広げられます。
最終的に私たちの手元に残る利益は、経営が上手になったかどうか?に対する通信簿のようなもの。
この考え方を基軸に、「あなたは、いつまでにどれくらい稼げる人間になりたいのか?そのために既に手にしているものと、これから手に入れたいものは何か?」という会話が、評価面談の場では必ず出ます。
すごくシンプルな例を挙げると、35歳で500万円の年収があればハッピーだというAさんがいたとして、その人に年収1,000万円クラスの仕事を求めるのはお互いにアンハッピーです。一方、40歳で独立して年収3,000万円が欲しいという28歳のBさんがいたとすると、あと12年で3,000万円稼げる人間になるために、今後、どのような経験を積むべきか?を一緒に話し合い、経営者としての仕事を任せていきます。
ひとつの会社という枠組の中で、異なる個人の競争・共存・共栄を実現するためには、このように、現在の立ち位置と将来の夢について、照れずに話しをすることから始めるべきだと思っています。奥ゆかしい日本文化で育った方には不慣れなことかもしれませんが、遠慮なくストレートにガンガン伺います。それが当社の採用面接の時間の使い方です。
なるほど、すごくわかりやすいです
サラリーマンとして雇われているというよりは、自分の夢に向かって必要なスキルや経験を習得する場所として、当社を活用して欲しいんです。ひとつの会社が、お一人のキャリアを最後まで包括することの方が難易度が高いので、むしろシンプルに考えて、人生のあるタイミングにおいてDoCLASSEとご縁があり、ここで何かを「獲得したい!」と思っていただければ、こんなに良い出会いはないと思っています。この出会いがお互いのwin-winに成り得るか?を見極めるのが、採用における私の役割です。
社員のみなさんは、入社時点で同様のマインドを持っていらっしゃったのですか?
ひと言で表現すると、「最も譲れない価値観が共通で、それ以外は間逆にある」ことが望ましいですね。
譲れない価値観が当社の文化を創り、間逆にあるものが個性として輝くのが理想です。
価値観については、「私たちの約束」というものを社内で提唱しており、そのマインドが社内全体に浸透しています。これは、仕事に限ったことではなく人生そのものを豊かにしてくれる内容なのです。ごく当たり前のことが書かれているのですが、私たちの仕事の判断軸であり、ブレないための基軸となっています。
私たちの強みは「人」。これは一番自信を持って言えること。
先ほどお金と経験の話がでてきましたが、評価やキャリアパスについてはいかがでしょうか?
当社は、指示を待つのではなく能動的に仕事を獲得しにいく文化を大切にしています。評価に関しても、会社の大きな方針や戦略の中で、自分自身が何を成し遂げたいか?目標を自ら設定することからスタートします。もちろん、目標を設定できるか?というところからチカラが試されます。そして、それをやりきったか、結果に繋げられたか、失敗した場合はどのように次につなげるか、といったことが評価に反映されます。
キャリアパスについては、会社が道を準備するのではなく、どうなりたいからこの経験を積みたい。というように、自らキャリア設計をしてもらいたいと思っています。もう少し加えると、「この職種のことしかわからない」ではなく、複数職種の理解と経験を持つビジネスパーソンになって欲しいので、積極的なキャリアチェンジを自ら仕掛けて欲しいですね。
複数職種の経験がのぞましい理由は何でしょうか?
自分の仕事に加え、前工程・後工程への理解があると、仕事のスピードが圧倒的に違うからです。
特定の仕事しかできないと、どのように自分のところに仕事が届いて、手掛けた仕事が自分の手から離れたあとにどのように旅立っていくのかのイメージがわきません。しかしそこに理解があれば、より経営に対してインパクトのあることから選択しようという優先順位がつけられるようになります。急成長する環境では、やらなくてもいいこと。を見極める力も必要になりますからね。できるだけ大きな視点で、俯瞰したものの見方ができるようになるための、「複数職種の経験」です。
強い会社を創る。という側面から言うと、ポジションチェンジが引き起こすメリットは、業務改革が進むことです。
前任者のやり方をまずは否定し、原理原則に立ち返ることが出来る人、そこから戦略立案、実行へと繋げられる人は、成長が早いですね。当社の場合、プロジェクトメンバーの招集も新しい業務の獲得も、「立候補制」で決めています。その根底には、成長と報酬アップのチャンスが訪れた!という考えが組織の中にあるからなのです。
最後に、DoCLASSEの今後の事業戦略についてお聞かせください
2017年度の全体売上は約275億円、DoCLASSEブランド単体では約200億円でした。そこから5年後に売上1,000億円を目指しています。成長の軸となるのは国内マーケットにおける出店で、その頃には、現在の売上構成比である通販70%・店舗30%の割合が逆転しているイメージを持っています。
創業から12年の間で、ミドルエイジ向けのブランドも増えました。私たちは先行者利益でまずスタートダッシュすることができましたが、本当の勝負はここからです。後発ブランドからベンチマークもされますし、本気で分析されれば、オペレーションからMD・VMD戦略などはあっという間につまびらかになってしまうでしょう。
一方で、私たちの仲間がどんな風に採用され、日々どんなチャレンジを繰り返し、どんなモチベーションで働いているのか、となると、容易に分析することはできませんし、まして一朝一夕で真似ができるものでもありません。
私たちの強みは「人」です。これは自信を持って言えること。ご縁があって集ってくださった皆さんが、輝き続ける環境を提供し続けたいですね。それが本当の雇用責任だと思っています。
共通の価値観をお持ちの皆さま、ぜひあなたの夢をお聞かせ下さい。
お互いのwin-winを探るお時間が持てることを、今から楽しみにお待ちしています。
本日は沢山の熱い思いをお話いただきありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!
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DoCLASSE(株式会社ドゥクラッセ)
事業内容 | 洋服、服飾雑貨、ジュエリーなどの製造販売 |
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事業所 | 本社:東京都世田谷区用賀4-10-1 ビジネススクエアタワー18F |
設立 | 2007年09月06日 |
代表者 | 代表取締役 林 恵子 |
従業員数 | 1,200名(2018年3月現在) |
資本金 | 5,000万円 |
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