アパレル企業特集
2021.12.13
COHINA(株式会社newn)
COHINAのデザイナーはデザインするだけじゃない!
「つくる」から「売る」まで携わる仕事のやりがいとは?
株式会社newnは、DNVB――デジタルネイティブ世代に対し、バーティカル市場(ニッチな市場)において、商品やサービスを提供する複数のブランドを展開しています。その一つが、身長155cm以下の小柄女性向けアパレルブランド「COHINA(コヒナ)」。「お客さまの視点に立って徹底的に考え抜く」というCOHINAならではの仕事の進め方、やりがいについて、COHINA代表でブランドディレクターをつとめる田中さんにお話を伺いました。
もくじ
今回、この方にお話を伺いました!
COHINA 代表 / ディレクター
田中 絢子さん
大学在学中の2018年1月、「自分に合うサイズの服がない」という自身の悩みに基づき、身長155cm以下の小柄女性向けアパレルブランド「COHINA」を立ち上げる。新卒で一度はGoogle Japanに入社し、代理店広告営業に従事するものの、約1年半で退社し「COHINA」の運営に専念、現在に至る。
COHINA HR
砂川 彩花さん
2011年に資生堂美容技術専門学校を卒業後、美容師、音楽業界を経て、前職ではIT企業でエンジニアを中心とした採用人事を経験。2021年5月、newnに入社し、COHINAの採用人事を手掛けている。自身も小柄女性で、COHINAを愛用している。
こだわりたいのはプロダクトとコミュニケーション
お客さまを知り、お客さまとともに変化していけるのがCOHINAらしさ
まずはCOHINAについて教えていただけますか。
身長155 ㎝ 以下の小柄な女性のためのアパレルブランドです。2018年に立ち上げたので4年目に入るところです。販売はオンライン100%、それも自社 EC サイトのみで展開しています。特徴はお客さまと非常に距離が近いこと。インスタグラムの活用に力を入れ、フォロワー数は約22万人。インスタライブは毎日続けていて、900日以上の連続配信をしています。
立ち上げの経緯についてもお聞かせください。
私自身、身長が148センチとかなり低いこともあって、洋服選びに苦労してきました。キッズ服を着たり、お直しに出したりと、やりくりしてきたのですが、年齢を重ねるにつれて、このままアラサーになってもキッズ服を着続けるのは嫌だなあと感じるようになりました。洋服選びって楽しいはずなのに、なんでサイズがないというだけでこんなに我慢しなきゃいけないのだろうという理不尽さも感じていました。
大学生のとき、何かでビジネスを始めたいなと思っていたこともあって、もしかしたら小柄女性向けの服ってチャンスがあるんじゃないのかなと思ったのがきっかけです。サイズを気にすることなく着たい洋服を自由に選べるようにすることで、小柄女性の可能性を広げたい。それが創業時の思いでした。
COHINAのビジネスでこだわっているところは何でしょうか?
プロダクト、つまり商品そのものと、お客さまとのコミュニケーションです。
まずは商品ですが、小柄女性のファッションの幅を広げるため、お客さまのニーズに応えるものづくりを大事にしています。一口に小柄女性といっても、「身長は低いんだけど体型は結構ボリュームが出てきちゃって」「私は骨が細いから市販品はぶかぶかでお直しもできないんです」など、悩みは人によってさまざまです。そういうお客さま一人一人の声にお応えしていくうちに、たとえば注力商品のデニムは、長さや形、カラー違いで16種類にもなりました。
サイズや色はもちろんですが、どうすればもっとスタイルがきれいに見えるのか、生地の耐久性はこれでいいのかなど常に検証して、お客さまの期待以上の商品を提供できるものづくりにこだわっています。
お客さまとのコミュニケーションについてはいかがですか?
私たちは毎日インスタライブをして、「この商品どうですか?」「今まだサンプルですが、商品化したら欲しいですか?」などと日常的に訊ねています。つくる前から、あるいはつくっている段階でお客さまの声が聞けるので、幅広い商品展開が可能になるだけでなく、お客さまの変化に敏感でいられます。お客さまとともに私たちも変化していけることがCOHINAらしいブランドのあり方ですね。
立ち上げ当初はベーシックな服が人気でしたが、最近はトレンドアイテムも増えてきています。ブーツカットのパンツ、タイトスカート、かなり強めのパープル色など、お客さまの意識が変化してきて冒険を楽しんでいらっしゃるのを肌で感じます。それはお客さまとのコミュニケーションが濃密だからこそ得られる感覚です。当初からのお客さまはどんどんファッションの幅を広げておられるので、私たちもそれに負けないように、お客さまの一歩先を見せていけるようなデザイン展開になるように意識しています。
身⻑155cm以上のデザイナーの活躍は!?
大事なことは「顧客目線」でものづくりができるか
企画から販売まで、どのように進めておられますか?
通常のアパレルだと大体1年くらい前からスタートして、そのシーズンの商品を一気に計画して進めるという流れが一般的ですが、COHINAの場合はシーズン単位ではなく月単位で細かく企画しています。その方がお客さまの変化、市場の変化を反映しやすいからです。お客さまの「今」欲しいものを提供していくという点を重視していますね。
仕事の進め方としては、マーケティングと企画と生産管理が密接に連携しています。お客さまの声をマーケティングメンバーが吸い上げて、そこから次のコレクションや商品をどのように展開していくかを決めます。それぞれの職種が細切れにどこかの工程だけを担当するということはありません。
その中でデザイナーの役割は?
基本的にはデザイナーが主体となって製品をつくります。企画・デザイン後は、外注のパタンナーと1stサンプルの段階で一度内容をすり合わせ、量産以後は仕様部分なども細かくデザイナーが管理します。最終サンプルのクオリティチェックも生産管理とともにデザイナーが行います。
一つのチームで「つくる」ところから「売る」ところまで見ているので、デザイナーも、たとえば「インスタにアップするときにどういう見せ方がいいんだろう」というところまで考えます。インスタライブで「実は洗いにくいんです」と言わないといけないような商品では良い反応は得られないので、その対策を考えます。そうやって常に「お客さまのもとに届いたときにどう感じていただけるか」を意識してお客さまの目線で「つくる」を進めていく。それがCOHINAのデザイナーです。
自身の感性を重視するデザイナーも多い中、どのように顧客目線のものづくりを行っているのでしょうか?
お客さまの声には日常的に触れていますが、最低でも週2回、全社でお客さまの声をダイレクトにインプットする機会を設けています。一つはアイテム単位での振り返りミーティングです。直近で発売した商品の売れ行き確認と次の施策を検討するのですが、そこでお客さまからいただいたフィードバックを全員で共有します。もう一つは全体ミーティングでCS(カスタマーサポート)の観点からお客さまの声を確認します。温かいメッセージも厳しめなご意見も全員で確認するので、必然的にお客さまに目が向くんですよね。そういう日常があると、自然とお客さまのために動けるようになっていきます。
やはりCOHINAのデザイナーには小柄女性が向いているのでしょうか?
それは本当によく言われるんですが(笑)、実は155cm以下のデザイナーは少数派で、160cm以上のデザイナーも多く活躍しています。自分が小柄女性だと「私はこう思う」が強くなってしまうので、むしろそうじゃない人の方が、客観的に小柄女性の実際を想像できたりします。「だけど小柄さんの膝位置、ここだよね」という指摘は、それこそ身長の高いメンバーから出たりします。だから155cm以下じゃなくて全く問題ありません。
COHINAのデザイナーは本当に仕事の幅が広いですね!
COHINAでは、定量的・定性的に商品の評価をしています。「定量」では「初日に何枚売れた」「何カ月で何パーセント売れて消化率はこうだった」など、数値を元に商品を評価します。「定性」では、お客さまからのフィードバックを毎週「ストーリー」でヒアリングしているので、それに基づいて、「こう改善した方がよかったね」「この商品のヒットの要因はこれだったんだね」という気付きを言語化しています。それは本来MDの領域かもしれないけれど、COHINAではデザイナー一人ひとりができるよう期待しています。
反対に「デザイン画や仕様書をあげるところまでしか楽しくない、顧客のリアクションには興味がない!」という人は向いていないかもしれません。COHINAは一気通貫で見られるところがデザイナーの仕事のおもしろさです。服がコンセプトから商品になって販売され、お客さまに届き、さらにお客さまが1~2年その服を着続けてどうなのかまで、長いスパンで一つの洋服に向き合っていきます。そういうブランドなので、自身の手掛けた服をお客さまがどのように楽しんでいるかまで興味のある人は、楽しく働けるんじゃないかと思います。
ここまで徹底して顧客と向き合っていると、自分の企画した商品の売れ行きに感情が左右されそうです
これだけお客さまの声を聞いて、サンプルの反応が良くて、手ごたえを感じていても、いざ出したら売れない!ってこともあるんですよ。そういうときは「売れなかったのはなぜだろう」と、会議をして原因を探ります。お客さまに商品の魅力が伝わっていないんじゃないかと思ったら追加の撮影をしたり、デザイナーからのコメントで商品説明を充実させたり、商品の露出を継続的に増やしたり…。商品を出して終わりじゃなくて、消化するまで施策を打ち続けるので、落ち込んでいる暇がないというのが実際のところです。
それを続けていくと、何で売れたのか、何で売れなかったのかがよりクリアになってきます。誰かを責めたり、責任を押し付けたりもせず、「じゃあ、どうしていこうか」と全員で考えられるチームになっていると思います。
お客さまから注目されるCOHINAのデザイナー
それが大きなやりがいにもつながる
面接ではどんなところに注目されますか?
スキル面でいえば、オールアイテムできるかどうか、ものづくりを一貫してやってこられたか。加えて、顧客目線で商品企画できることを重視しています。デザインはおしゃれで可愛ければ良いと思われることもありますが、COHINAではそれだけでは売れません。対象が小柄さんで、販売がECのみということもあって、お客さまが不安に感じておられることがたくさんあるのです。本当にサイズが合うか、品質は大丈夫か。そんなお客さまの不安を払しょくする顧客目線のものづくりを大切にしています。
COHINAは急成長しているので、規模感や仕事内容が1年で大きく変わっていきます。与えられた仕事を淡々と続けたいという人よりは、変化を楽しめる人、去年と同じ状態であることに焦りを感じるくらいの人の方が向いているかもしれません。基本的には服が好きで、お客さまの方向を向いていて、かつチームで一緒につくっていきたいという人が最もカルチャーフィットすると思います。
COHINAのデザイナーならではのやりがいは何でしょうか?
お客さまがこんなにデザイナーに注目してくださるブランドって珍しいと思います。COHINAでは、商品ページに「デザイナー○○」と名前を載せているのですが、そうすると「私、○○さんのつくる服がいちばん好きなんです」とDMをもらったり、イベントで声を掛けられたり。中にはデザイナー指名で買われるお客さまもおられます。表に出ているライバーやモデルだけじゃなくて、商品の企画者であるデザイナーの思いにまで敏感になってくださるお客さまがいることは、大きなやりがいになると思います。私も毎日お客さまからDMをいただいていて、本当に幸せだなと思います。
今描いているCOHINAの将来について教えてください。
小柄女性の市場はまだまだ大きくなると考えています。今やっとスタート地点に立ったところです。COHINAがあることで小柄女性のおしゃれの幅はだいぶ広がったけど、いつでもどこでも買える状態かといわれると、まだネットだけに留まります。それに商品展開数もまだまだです。アイテムに対するニーズはすごく幅が広くて、たとえば香水をつくってくださいとよく言われます。身長関係なくない?と思われるかもしれませんが、お客さまはCOHINAというブランドそのものを感じられるものを求めているのです。そういうブランドを表現するアイテムもこれからつくっていきたいですね。そのためにはいろんなブランド、インフルエンサーさんとのコラボも増やしたいと思います。
将来的には、COHINAが小柄女性のプラットフォームになることを目指しています。小柄な女性が小柄であることを理由に何かを諦めなくてはならない――ということをなくすために、COHINAに来れば、自分の欲しいものが何か見つかるよね、という状態にしたいです。そこの域にはまだ1%にも達していないと感じているので、ファッションのテイストだったり、年齢層だったりを、もっと広げていきたいと思っています。リアルな店舗も出したいし、海外進出もしたい。そのためにマーケティングや流通のプロで世界に挑戦したいという人も求めています。
その大きな目標に一緒に挑んでくれる人材を求めているんですね!
私たちは、母体であるIT企業ならではのスピード感でビジネスを行っており、最速で目指す世界を実現したいという気持ちで働いています。それには決定的に人が足りません。特にデザイナー。D2C はマーケティングでしょ、とよく言われますが、根本にある価値はプロダクトです。それを生み出すデザイナーはすごく大事にしたいです。
最後に、こういう人と働きたい、というメッセージをお願いします。
つくるところから売り切るところまで、一気通貫、最初から最後まで見られるというのがCOHINAの特徴です。「ビジネスを最初から最後まで理解している」=「経営目線を持っている」ということです。そこまで広い視野で会社のこと、ブランドのことを考えられるようになりたい、成長していきたい!という人のご応募をお待ちしています。経験より意欲を買いたいと思っています。
また、大きな会社で、自分のつくった服は結局どうなったんだろうか、自分の仕事の幅ってこれでいいんだろうか、ということでモヤモヤしている人もいらっしゃると思います。そんな方もぜひCOHINAに来てください!
- Webサイトに公開している
求人・企業情報はほんの一部です。
転職をご希望の方は、まずクリーデンスの
転職支援サービスにご登録ください。 - 転職支援サービス 無料会員登録
COHINA(株式会社newn)
事業内容 | D2Cブランド事業:アパレル「COHINA」/コスメティック「rihka」/ジュエリー「ENELSIA」 フィットネス用ミラー型デバイス「embuddy」サービス事業 チーズケーキ事業(グループ会社) |
---|---|
事業所 | 東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル 本館5F |
設立 | 2017年4月 |
代表者 | CEO 中川 綾太郎 |
従業員数 | 46名(2021年12月現在) |
資本金 | 8,300万円 |
アパレル企業特集 最新記事
- ESTNATION(株式会社エストネーション )
- JOURNAL STANDARD、Spick and Span、SLOBE IENA、CITY SHOP、B.C STOCKなど(株式会社ベイクルーズ)
- FREAK’S STORE(株式会社デイトナ・インターナショナル)
- SK-II(P&Gプレステージ合同会社)
- PRADA、Miu Miu(プラダジャパン株式会社)
- 31 Sons de mode、Noela(ヒロタ株式会社)
- No,No,Yes !(ノーノーイエス株式会社)
- PRADA、Miu Miu(プラダジャパン株式会社)
- ABAHOUSE、Rouge vif la cle、collexなど(株式会社アバハウスインターナショナル)
- Calvin Klein(合同会社PVHジャパン)