アパレル企業特集
2022.08.02
Her lip to(株式会社heart relation)
こだわりのものづくりからお客さまの体験価値を創造する
急成長を遂げている「Her lip to」のリアルに迫る
株式会社heart relation(ハートリレーション)は、元AKB48のメンバー小嶋陽菜さんが2018年に立ち上げたブランド「Her lip to(ハーリップトゥ)」を展開しています。創業はコロナ禍真っ只中の2020年。販売はECサイトとポップアップのみ。それにもかかわらず、多くのファンの方々から圧倒的な支持を受け、急成長を続けています。今回は共同創業者の戸高さん、生産管理の丹村さん、企画チームのTさんにインタビュー。ブランドのこだわりや仕事内容、小嶋さんのブランドへの関わり方などについて、お話を伺いました。
もくじ
今回、この方にお話を伺いました!
取締役COO
戸高 純さん
前職はZ世代のインフルエンサーを抱える芸能事務所にて大手クライアントのマーケティング支援を担当。2020年に株式会社heart relationを共同創業。
生産管理
丹村 彰宏さん
新卒でOEMの会社に営業として就職。その後コレクションブランドに転職し、生産管理の仕事に従事。2021年5月にheart relationにジョイン。生産管理を中心に、ものづくり全般に関わる。
企画チーム
Tさん
前職では、OEM・ODM企業で企画営業に従事。EC企画やMDの仕事にも携わる。2021年11月にheart relationへ転職し、企画や進行管理、MD設計など幅広い業務を担当する。
「Her lip to」は、お客さまの「気分が上がる」体験を提供するブランド
まずは、heart relationおよびHer lip toについて教えてください。
戸高:株式会社heart relationは、「Her lip to」というライフスタイルブランドを運営する会社です。2018年6月に、弊社の代表でもある元AKB48の小嶋陽菜が立ち上げました。 Her lip toは、20代から30代前半の女性の方に支持いただいていて、アパレルからビューティーまで幅広く展開していますが、特にワンピースが人気のブランドです。華やかな雰囲気で生地やディテールにこだわっており、特別な日からデイリーユースまで幅広く楽しめるところが特徴です。
外出機会が減ったコロナ禍においても着実に売上を伸ばしていますが、成長の理由はどういったところにあるのでしょうか?
戸高:お客さまの「気分が上がる」体験を提供できていることだと思います。私たちが売っているのはお洋服ですが、それだけではなく、お客さまが商品を買った後の体験までお届けしたいと思っています。
たとえば商品を入れるダンボールのデザインがおしゃれだったり、ハンガーはベロア素材が付いたオリジナルだったり、商品以外のところにも細部まで気を配っています。商品が届いた瞬間にテンションが上がり、買ったワンピースを着てまた気分が上がる。コロナ禍であまり外に出る機会が無いからこそ、Her lip toの提供する「気分が上がる体験」に価値を感じていただけているのではないかと思います。
商品だけにとどまらないさまざまなこだわりが、お客さまの体験価値を向上させているのですね。
戸高:ブランドディレクターとしての小嶋の熱量とこだわりはものすごく、群を抜いていると思います。そして、それがお客さまにも伝わっているように思います。Her lip toが好きなお客さまも熱量が高くて、Her lip to用のSNSアカウントを作って発信したり、ファン同士でつながってHer lip toを着てアフタヌーンティーに出掛けたりと、ファンのコミュニティがとても活発です。
丹村:インフルエンサーブランドは世の中に数多くありますが、インフルエンサーがものづくりの全プロセスを見ているブランドはあまり多くないと思います。商談日は一日中びっしりと商談が入っているのですが、小嶋はそのすべてに参加して、生地やデザインのディテールについて細かく打ち合わせをしています。
T:商品を作る中でもっとも重視しているのは、「お客さまにどんなシーンで着てもらって、どんな気分になってもらいたいか?」ということです。ディレクターの小嶋が誰よりもお客さまのことを考え、メンバーやメーカーとのディスカッションを経て、お客さまが好きなのはこっちだよね、と最終判断をしています。お客さまファーストの考えが前提にあるので、チームとして納得感を持ってものづくりを進められますし、何よりHer lip toがお客さまに支持される理由ではないかと思います。
裁量を持って、やりたいことに挑戦できる環境
続いて、皆さんの今のお仕事内容について教えてください。
丹村:私の主な役割は生産管理ですが、業務範囲でいうとものづくり全般に携わっています。私が入社した頃は、これからHer lip toの生産プロセスを作っていくというフェーズでした。新しい企画の話が出れば、「こうアプローチをしてこう進行していきましょう」と生産のプロセスを作って回していくイメージです。
当時と比べると安定してきましたが、今もどんどん新しい企画やアイデアが生まれる中で、もっとこうした方が効率良くできるのではないか?他部署とこんな形で連携した方が良さそうだ、といった議論をしながら、より良い生産プロセスを考え、進めています。
T:私は企画と生産がメインの業務です。私が入社した頃は、丹村が企画の進行管理から量産まで一人でやっている状況だったので、正直カオスな状態でした(笑)。
そこを分業していくことが当初の私の役割で、まずは前職でも経験のある、企画進行の業務を引き取りました。さらに、売上や販売枚数などの数字を管理する役割も担い、現在はMD設計の仕事にも関わっています。
お二方とも必要とされている業務を柔軟に受け持っているんですね。商品企画の大まかな流れについても教えてください。
丹村:まずは、小嶋からこんな商品を作りたい、という企画案が出てきます。それをどんな素材にするか、どんなディティールにするか、価格イメージは、などを詳しく検討するために、メーカーさんとの商談をセッティングします。商談を重ねて詳細を詰めていき、そこからサンプル出しのスケジュールを立てていくような流れです。
仕事の大まかな1日の流れはどのような感じでしょうか?
T:普段は10時ころに出社し、準備をして日中はメーカーさんと商談をしています。商談が終わると、検討しなければいけないサンプルを確認したり、発注数量を決める打ち合わせをしたりして、発注までしてしまうことが多いですね。
商談のない日は、数字を見て各商品の売れ行きを確認したり、商談日にスムーズに進められるようにスケジュールやコストを計算したりといった仕事をしています。その他に、他部署との共有ミーティングなどが随時入ってくるような感じです。
お二人がheart relationに入社を決めた理由はどのようなものでしょうか?
丹村:元々のきっかけは、知り合いからの紹介でした。生産管理の体制を構築したいというheart relationを紹介いただき、小嶋や経営陣と話をしたんです。
話をしてまず思ったのは、今まで生産管理として培ってきた自分のスキルが役立ちそうだということです。また、ものづくり全般に携わり、ゼロから自分で考えて創り上げていく仕事はおもしろそうだし成長につながりそうだな、とも感じました。
設立間もない会社で不安がなかったと言えば嘘になりますが、当時から売上は好調でファンがしっかり付いていたので、この貴重な機会にワクワクする思いのほうが上回りました。ある意味で楽観的に、もし不安なことが発生したらその時に考えて前向きに解決していけばいい、という気持ちもありましたね(笑)。
T:私は前職のOEM・ODMの会社で5年ほど企画営業をやっていました。いろいろなアパレルメーカーさんを担当させてもらう中で、自分の好きなテイストを担当したい、キャリア的に次のステップに進みたい、と転職も視野に今後のキャリアを考えていたときに、Her lip toと出会いました。
ここでなら今までと違った幅広い仕事に携われそうだし、これまでの経験を活かせそうだと思いました。何より私がHer lip toのテイストが好きなことが大きな決め手でした。
仕事をする中で、どんなところにやりがいや楽しさを感じますか?
T:扱っている商品が大好きなので、商品に思い入れを持った人たちと一緒に仕事を進めていけることがとても楽しいです。新作の売れ行きが好調だったり、完売したりするとさらにうれしいですね。
また、今は社員が多くなく、まだまだ土台を作っている最中なので、業務の進め方や効率化する方法を考えて周りに共有することで、全体の効率化や良いものづくりに繋がっていく実感があるのも楽しいところです。
丹村:前職までは細かく役割分担がされた環境で仕事をしていましたが、今は生産を中心に企画から携わり、プロセスの構築からメーカー開拓などまで自分の裁量で動いています。業務範囲が広がることで、今まで携わったことのない仕事も手掛けられるのがおもしろいですし、とても勉強になっており、成長実感があります。
また、これは入社してから実感していることですが、heart relationって想像以上にやりたいことをやらせてもらえる環境なんです。たとえば以前、小嶋から出てきた企画に対して、自分はこんなことやってみたいと伝えたところ、「じゃあ一度サンプル作ってみて!」と言われたことがありました。これまでやったことのなかったアイデアだったのですが、自分でメーカーさんを開拓してサンプルを作ってもらったところ、社内の反応が良くて、「ヨッシャー!」と手ごたえを感じました。
企画アイデアのところから一緒に入り込み、やりたいことに挑戦させてもらえる職場なんですね。
丹村:小嶋陽菜という強いアイコンがあるので、トップダウンで物事が決まっていくのかなと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはなくて、むしろ自由度の高い職場です。ベンチャー企業なので、本当にいろんなことに裁量を持てて、自由にやらせてもらえます。自ら提案して、それがお客さまのためになりそう、気に入ってもらえそうだと社内で納得してもらえればGOが出るので、やりたい気持ちがあればチャレンジできることは多いと思います。むしろそういう姿勢のほうが、仕事が楽しくなる会社だと思います。
お客さまの体験をプロデュースし、より多くのアイテムや機会を提供していく
heart relationの今後の展望について教えてください。
戸高:アパレル販売のみにとどまらず、お客さまに「体験」を届けることをさらに進めていきたいと考えています。たとえば今はアパレル商品がメインですが、さらにライフスタイルやアクセサリー、ビューティーなど、Her lip toの世界観が広がるアイテムを拡大していきたいです。
また、ECだけでなく「リアルな体験」にもさらにこだわっていきたいです。ポップアップイベントでは、お洋服の展示のほかに、ドリンクを飲みながら写真を撮れる場所を作ってお客さまが楽しめるようにしたり、「Her lip to CAFE」というHer lip toが提案するアフタヌーンティーを提供するカフェを期間限定で開催したりしています。こうした仕掛けは今後も仕掛けていきたいです。
2022年7月には常設店舗もオープンします。ECであるためにこれまでできなかった試着ができたり、ビューティーアイテムの香りやテクスチャーを試せたりしますし、Her lip toが提供したい世界観をより楽しめる空間になっています。
こういったお客さまの「体験」をいかにプロデュースし、提供できるようにしていくかを大事にしていきたいと思っています。
新しく加わるメンバーには、どんな方に来ていただきたいでしょうか?
丹村:これまでの経験を活かしながら、新たな領域に取り組みたいと思っている方にとっては、とてもいい会社だと思います。自分の限界を越えなければいけないことも結構ありますが、それに対して「絶対無理!」ではなく「とりあえずやってみよう」と思える方に向いていると思います。
T:役割やポジションを押し付けられたり、それが制約になったりすることはないので、「何ができるだろう」「どうやったらできるだろう」と考え、チームや他部署と連携して仕事を進められる方にはとても向いている環境だと思います。そして、自分の中で経験が無いことでも、挑戦してみようと考えられる方と一緒に働きたいです。
では最後に、heart relationに興味のある方に向けて、メッセージをお願いします!
戸高:ブランド規模が大きくなっていく中で、やりたいことはたくさんあるのですが、まだまだ人が足りません。そのため、これからジョインされる方は、裁量を持って、新しいチャレンジに取り組んでいただけます。ファンの方も多くいらっしゃるブランドなので、大きな反響を感じられる刺激的な仕事だと思います。
設立して4年ほどのブランドですが、私たちがお客さまに届けたいクオリティはとても高いところにあります。スピード感があって変化の大きい職場ですが、ものづくりに関しては妥協せずに取り組んでいます。昨年ヒットしたデニム企画では、岡山・児島のデニム工場にお願いし、ワクワクする商品が生まれました。ものづくりに強いこだわりがあり、それらのスキルを活かして新しいチャレンジをしてみたい方、変化を楽しめる方に来ていただけたらすごくうれしいです。一緒に最強のブランドを作っていきましょう。
Her lip to(株式会社heart relation)
事業内容 | ライフスタイルブランド「Her lip to」の企画、運営 |
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事業所 | 東京都渋谷区神宮前5丁目 |
設立 | 2020年1月22日 |
代表者 | 代表取締役CCO 小嶋 陽菜 代表取締役CEO 安倉 知弘 |
従業員数 | 46名(2022年7月現在) |
資本金 | 非公開 |