アパレル企業特集
2022.11.09
Parc.1 BLANC / Parc.1 HAPPY SHOP(株式会社キュリアスデザイン)
販売スタッフ全員が本社職を掛け持ち?
キュリアスデザインが目指す、新しい販売スタッフの働き方
株式会社キュリアスデザインの販売スタッフは、全員が従来は本社スタッフが担うとされる仕事を兼任し、またその仕事を店舗にいながらこなすという、ユニークな働き方を実現しています。
背景にあるのは「ファッションを通じて世の中を笑顔にしたい」という創業時の思い。お客さまだけでなく、働く社員が笑顔になれるよう、販売スタッフの理想の働き方を追求しています。ユニークな仕組みを実現させるに至った思いを、代表取締役の片葺(かたぶき)さんにお聞きしました。
もくじ
今回、この方にお話を伺いました!
代表取締役
片葺 洋三さん
会社員時代はアパレルメーカーにて小売事業開発やブランド立ち上げに携わる。2019年に株式会社キュリアスデザインを創業。Parc.1ブランドや、自社ブランドおよびセレクトした商品を扱うParc.1 HAPPY SHOPを展開する。
お客さまを笑顔にしながら、
同時に自分たちも笑顔になるような場所でなければならない
まずは、キュリアスデザインがどんな会社なのか、教えてください。
キュリアスデザインは、コロナの真っただ中にできた会社です。常識的に考えれば、コロナ禍でアパレル会社を立ち上げようとする人はほとんどいないでしょう。それでも僕たちがキュリアスデザインを立ち上げたのは、ファッションを通じて世の中を笑顔にしたい気持ち、そしてアパレル業界に身を置くものとしての使命感があったからです。
今は百貨店を中心に出店しており、全国に5店舗、さらに新宿店がオープン予定です。
店名に「HAPPY SHOP」とあるのですが、その名の通り世界一HAPPYなお店を目指しています。
「使命感」というのは、どのようなことでしょうか?
今のアパレル業界って、決して成長産業とはいえないですよね。そんなアパレル業界に身を置くものとして、これまでのやり方を変えていかなければいけないタイミングに来ていると感じています。
僕はこれまでのキャリアの中で、いくつものアパレルブランドを立ち上げ、運営してきました。その中で感じていたのは、人の活用についての問題意識です。
問題意識の一つは、コロナが流行したとき、いろいろな企業で給料を減らさなければならなかったり、人員を減らしたりする必要が発生したことでした。アパレル企業にいる人たちが安心して働ける状況ではなく、辞めなければならなくなったらどうしよう、という不安の中にいました。 もう一つは、販売スタッフの働き方に無駄が多くあることです。例えば朝の開店や、1日の終わりのタイミングなど、誰もお客さまがいないのに必要以上に立っている、といった光景がよく見られます。そんな働き方に疑問を持つ人は、僕以外にもきっと多くいるんじゃないでしょうか。
そのような状況を見てきて、僕は販売スタッフの働き方を変えて生産性を上げ、モチベーションも上がって成長もできる、そして何より安心して働ける場所を作る必要があると考えました。
僕たちの出発点は、そんな問題意識にあります。HAPPY SHOPは、お客さまを笑顔にする場所でありながら、同時にそこで働く僕たちも笑顔になれるような場所でありたいのです。
僕たちが結果を残せば、アパレル・ファッション業界全体が変わっていける
店舗での接客やスタッフの働き方について教えてください
当社における販売スタッフの働き方は、従来のアパレルの考え方とかなり違います。僕たちが大事にしているのは生産性です。これには二つの意味があり、一つ目は、無駄をなくすこと。二つ目は、適材適所。社員のモチベーションが上がり、力を発揮したり能力を伸ばしたりできるところに人材配置をすることです。
店舗の接客には無駄が多いと先ほどお話しました。たとえば、8時間、店頭に立って10万円の売上があったとします。でも、実際に接客した時間は3時間未満ということが普通にあります。それならば、接客以外の時間にお客さまのための仕事をしてはどうか?そうすることで、売上以外の成果もあげられ、生産性が上がると考えたのです。
そのような働き方を実現するために、当社の販売スタッフは、全員が販売職以外の役割を担っています。店頭にいながらデザイナーの仕事をしたり、販促のSNSを運用したり、クライアント企業のコンサルティング業務を進めるスタッフもいます。50社近くある得意先との折衝を行うMD担当バイヤーも、販売スタッフが担当しています。
SNSだって、単に写真を撮って発信しているだけではありません。データを解析して、どうやったらフォロワーが増えるのかを検証したり、その計画や報告をまとめて、月1回のミーティングでプレゼンテーションしたりします。それらすべての業務を、販売職と兼務しながら行っているのです。
販売スタッフとして働きながら、それ以外の仕事もする。とてもユニークですね!
働き方がユニークというだけでなく、ちゃんと成果も出ています。たとえば店舗では、昨年の売上増加率と増加金額が、その館のお店の中でトップクラスでした。
この働き方は、単に「接客以外の時間でマルチな仕事をする」だけにとどまらず、売上への貢献もあるという手ごたえを感じています。
これは僕の実体験ですが、海外のお店で、店員がやたらと多いのにお客さまが来ても特に接客するわけでもなく、あまり関心を向けてこない場面がよくあります。でも実は、お客さまとしてはその方がお店に入りやすかったりします。
僕たちのお店も、お客さまが入ってきたら接客スタッフが「いらっしゃいませ」と声を掛けますが、その後はお客さまの動向を把握しながらマルチな業務を行っています。その上で、お客さまが商品を見ているときに必要な声掛けをする。この絶妙な間合いを学んでいこうとしています。結果的に接客の生産性も上がるというわけです。
常識にとらわれず、よりよい働き方を追求しているのですね。
アパレル業界の常識や、正しいとされるやり方はありますが、現実は、業界全体の市場規模は下がる一方です。それならば、常識と思われていた方法も変えていかなければならないと思うし、そんな僕たちの姿勢に期待してくれている人たちもいると思います。
正直なところ、現時点で僕たちのやり方をすべて受け入れられないという人もいると思います。だから、戦いのような気概でやっています。けれども、僕たちが結果を残せば、業界全体が変わっていけるとも思っています。
目指すのは日本を代表するようなリアルショップ作り
今後の目標について教えてください。
日本を代表するようなリアルショップを作ることです。次世代のリアルショップでは、僕は座って接客してもいいと思っているんです。販売スタッフが仕事の合間に水分補給するのも、不衛生でなければ構わないと思います。
大事なことは、お客さまにとって快適な店舗であることを前提に、販売スタッフが楽しんで仕事をすることです。「これって無駄じゃないか?」と悩むことなく、作り笑いではなく、心からの笑顔で接客することが重要で、そのための仕組みを実現するためには、新しい働き方の店舗が必要だと考えています。そこで、楽しい働き方を実現するアパレル企業とはこういうものだ、と表現したいのです。
さらに言えば、その店舗を世界中の人が知っている日本の観光地のようにしたいと思っています。アパレル業界の人だけでなく、日本を旅する人たちが、一度お店に行ってみたいと思える、パリの「コレット」のような場所です。服を売るだけでなく、空間や雰囲気、スタッフの働き方、その全てを発信する情報基地のようになりたい。必ず具現化させていこうと思っています。
キュリアスデザインの未来に向けて、どんな人と働きたいかを教えてください。
必須のスキルはありません。ここまでの話を読んで、何かが心に残った人、ちょっと気持ちが熱くなった人、そういう人と働きたいです。僕が重視するのは「考え方が合うかどうか」です。でも、考え方が合っているかなんて、簡単には分かりません。なので、ぜひお話しましょう。
もう一つ、一緒に働く人に求めたい要素が、「思いやり」です。スキルや経験は、思いやりという土台の上に乗っかるものだと僕は思います。だから、思いやりがあって、その上で考え方が合っていれば、他に言うことはありません。
販売スタッフが接客以外に手掛ける仕事は、今すでにある役割から選んで当てはめるわけではありません。できる限り、その人がやりたい仕事をしてもらうようにしています。だからいろいろな人に来てほしい。新しいスキルや考え方を持った人が入れば、既存メンバーにとっても勉強になります。
今僕たちは、アパレルを軸にさまざまな企業と仕事をしています。僕たちのコアが店舗であることは揺るぎませんが、空間をプロデュースしたり、本を作ったりしていて、何屋さんなのか分からないような状態です(笑)。社内でさまざまなプロジェクトが動いていて、その中で挑戦するフィールドを選んでもらう。それがキュリアスデザインの働き方です。
まさに未来を作る仕事です。一緒にやっていきましょう。
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Parc.1 BLANC / Parc.1 HAPPY SHOP
(株式会社キュリアスデザイン)
事業内容 | 「Parc.1 BLANC」「Parc.1 HAPPY SHOP」の運営 D2Cブランド「Parc.1」の企画・製造・卸 OEM・ODM事業 |
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事業所 | 東京都渋谷区神泉町5-2 塩入小路305 |
設立 | 2019年9月 |
代表者 | 代表取締役 片葺 洋三 |
従業員数 | 9名(2022年10月現在) |
資本金 | 300万円 |