アパレル企業特集
2023.02.09
mizuiro ind、MARcourt(Mother’s Industry 株式会社)
今の時代だからこそ“店舗でしか味わえない感動”を――
お客さまと向き合い、長く愛されるブランドづくりとは
2003年、大阪で誕生したMother’s Industry(マザーズインダストリー)は現在、オリジナルブランド「mizuiro ind(ミズイロインド)」セレクトショップ「MARcourt(マーコート)」をはじめ、全国に多くのショップを展開しています。今回は、神戸らしい素敵なヴィンテージビルに2021年リニューアルオープンした旗艦店「mizuiro ind 神戸店」で、店長 都倉さんと佐村木さんのお二人にお話を伺ってきました。
もくじ
今回、この方にお話を伺いました!
神戸店 店長
都倉 万優子さん
大学卒業後、地域密着型のセレクトショップに9年勤務し、そのうち5年は店長として従事。その後、キャリアアップを目指してマザーズインダストリーに転職。スタッフからスタートし、セレクトショップ「MARcourt(マーコート)」神戸店で店長にステップアップ。「mizuiro ind(ミズイロインド)」の旗艦店である神戸店リニューアルのタイミングで異動となり、引き続き店長として従事。
神戸店 スタッフ
佐村木 陽子さん
大学卒業後、アパレル企業に就職し11年勤務、店長も経験。その後、ブライダルジュエリーの販売職に転職したのち、アパレルへの思いが高まりマザーズインダストリーに転職。セレクトショップ「MARcourt」神戸店に配属後、「mizuiro ind」神戸店リニューアルのタイミングで異動し、現在にいたる。
真摯なものづくりで年代を問わず愛されるブランドだから
年齢を重ねても長くお客さまと向き合い続けられる
まずはマザーズインダストリーに入社した経緯を教えてください
都倉:前職はセレクトショップで、後半5年は店長として、接客販売から店舗運営、展示会での買い付けや店内のレイアウトなど幅広く経験しました。次のキャリアアップを考えてクリーデンスに登録したところ、いくつかご紹介いただいた求人の中でマザーズインダストリーと出会いました。mizuiro indの洋服は以前からシンプルでありながら洗練されたデザイン性に魅力を感じていたので、これまでの経験を活かしながらさらにセンスを磨けると思って応募しました。
年齢など関係なく楽しめるファッションなので、長く身に着け、働いていけるイメージがわいたことが決め手でした。
佐村木:新卒で入社したアパレル企業で、店長も含めて11年勤務しました。次第に新たな環境でチャレンジしたい気持ちが膨らみ、商材を変えてみようとブライダルジュエリーの販売職に転職したのですが、やはり私は洋服が好きだと気づき、洋服の仕事に戻る決意をしました。そこで転職したのがマザーズインダストリーです。
一度アパレルを離れてみて実感したのは、私が心から好きで自信をもっておすすめできるものを販売したいという気持ちでした。mizuiro indはもともと好きなブランドだったことに加え、30歳を過ぎての転職だったので、お客さま、スタッフいずれも年齢層が幅広かったことが入社の決め手でした。
お二人とも決め手は同じだったのですね!実際に入社して、ブランドや商品に対する印象はいかがですか?
佐村木:今の時代のアパレルショップって、オンライン接客やSNSなどデジタルを強化するところが多いですよね。それももちろん大事なことだと思いますが、私自身としてはそんな時代だからこそ、わざわざお店に足を運んでくださったお客さま、お一人おひとりを大切に接客する仕事がしたいと考えています。
マザーズインダストリーは、お客さまと直に接する店舗の力をとても大切にしている会社なので、私の価値観と合うところが良いなと感じています。
都倉:もちろん会社としてはオンラインも強化していますが、私たち販売職は、店舗での接客をはじめ、手書きのお葉書をお送りするなど、お客さまとのパーソナルな繋がりを大切にしています。
また、mizuiro indには定番デザインのアイテムが何型もあるのですが、それは会社が定番を狙って作ったものではなく、お客さまからご好評いただいたり、リピートのリクエストをいただいたりしたことで、結果的に定番化していったものです。3世代で足を運んでくださるお客さまもいらっしゃるほど、幅広い方々から長く愛されている証だと感じます。
佐村木:デザイナーの愛情を感じるブランドです。「理屈抜きにずっと好きでいられるものをつくり続けたい」というデザイナーの想いが、販売していても伝わってきます。表面的な“かわいい” ”オシャレ” だけではない素材の良さや、シンプルながらこだわったシルエット、日本製のていねいなものづくりなど、きちんとした理由をもってお客さまにご提案できることが魅力だなと思います。
そういう販売がしたかったので、叶えられたことがとても嬉しいです。
デザイナーと販売職が一体となってブランドを作り上げているのですね
都倉:マザーズインダストリーでは、長く着続けたいというお客さまのために、「お修理サポートサービス」を行っています。
ある日もお客さまが破れてしまったお洋服を持ってご相談に来てくださったのですが、デザインチームに修理を依頼したところ、すごくきれいな状態で洋服が戻ってきたんです。破れた箇所の修理はもちろんですが、洗いを掛けてプレスして、お客さまに誠心誠意を込めて向き合っているデザインチームの姿勢が伝わってきました。
お客さまもすごく感動して喜んでくださって、それをデザインチームに報告したところ、「お預かりした洋服を見て、長い間大切に着てくださっていることが伝わってきました。私たちこそ感動したんですよ。」と返事があり、その言葉にまた感動してしまいました。
私たちも誠心誠意をもってお客さまに向き合おう、というパワーをデザインチームからもらえました。
年代も個性も異なるスタッフが、お互いに認め合い補い合いながら
チームワークでお店を作り上げていく
普段の仕事内容を教えてください
都倉:私たち神戸店は路面店なので、基本的にはオープンからクローズまで店舗に滞在しています。朝は少し早めに出勤して掃除や朝礼を行い、オープン中は主に接客販売ですが、合間に本社への報告をまとめたり、エリアリーダーと連携してレイアウトの調整などを行ったりしています。その他、入出庫や入荷分のストック整理など、バックヤードの仕事も含まれます。
佐村木:細かい事務作業はいろいろありますが、基本的に日中はお客さまへの接客を中心に動けるので働きやすいと思います。
お店や、一緒に働くスタッフのみなさんの雰囲気はどのような感じでしょうか?
都倉:みんな優しくて誠実な人たちばかりです。店舗は全員で作り上げていくものなので、周囲に気を配り、色んなことに気付いて協力し合いながら動いていく雰囲気です。
佐村木:都倉さんの率先して何事にも前向きで真摯に向き合う姿勢が、店舗全体の良い雰囲気を作り上げていると思います。年代も前職も異なるスタッフが集まり、個性や強み、弱みもそれぞれ異なる中、お互いに認め合い、尊重し合い、補い合いながら取り組めるチームです。
以前、私が体調不良で何日かお休みをもらったとき、次の日にエリアリーダーと都倉さんから小包が届いて、食料などの支援物資が入っていたんです。迷惑を掛けて申し訳ないという気持ちだった中、その心遣い、優しさが弱った体と心にしみわたりました。
それは感動ですね…!都倉さんが店長として意識していること、心掛けていることは何でしょうか?
都倉:私自身が一番前向きで元気でいたいし、予算も最後まで絶対にあきらめない!という気持ちでいることを意識しています。
もうひとつ、マザーズインダストリーにはクレド(CREDO)と呼ばれる行動指針があり、それを体現することを心がけています。「何事にも誠実である」「情熱をもって仕事に挑む」「人に役立つ人となる」など、内容の一つひとつはとてもシンプルで、みんな笑顔で情熱を持って仕事に向き合い誠実に取り組んでいきましょう、といった内容です。
神戸店ではこのクレドの中から毎月ひとつピックアップして、行動目標として体現できるように1か月過ごす取り組みを行っています。決して堅苦しいものではなく、また「こうなりなさい!」という押しつけでもなく、毎日の仕事をする中でより良い1日を重ねていければと考えています。
お客さまに寄り添い、感動を生み出すブランド力を
接客サービスを通じて高めていく
お客さまとの繋がりの中で、印象に残っていること、感動したことなどをお聞かせください
佐村木:入社して2年の中で少しずつ顧客さまと呼べるお客さまが増えてきました。その中のお一人で、普段とても忙しくてなかなかお店に立ち寄る時間が取れない…というお客さまが、ある日のご来店後、お店の公式LINEに
「毎日忙しいけど、mizuiro indでお買い物をしている時間や、佐村木さんに洋服を選んでもらいながら楽しくお話をする時間がリフレッシュになっています。それがとても貴重な時間だから、また明日から家事や育児を頑張ろうって思えるんです」
といった内容のメッセージをくださったんです。わざわざ文章にして送ってくださったのがとても嬉しくて、むしろ私が元気をいただいて明日からも頑張ろうと思えました。
忙しいときはオンラインが便利だったりもしますが、合間を縫って足を運んでくださるお客さまに対して、楽しい会話や素敵な商品との出会いなど、お店でしか味わえないプラスアルファの感動をご提供し、喜んでいただけることが、この仕事の何よりのやりがいですね。
都倉:3年前のコロナ禍で社会の状況が厳しくなっていき、オンラインでの買い物が増えていく中、「都倉さんに洋服を選んで欲しいから」と足を運んでくださったお客さまがいらっしゃいました。ほかのどこにも立ち寄らず、当店のためだけに出てきてくださったんです。
あまり外に出かけない生活をされていらっしゃる方だったのですが、「mizuiro indの洋服は着心地が良くて、家で着ていても気持ちが高まるからずっと着ていたくて買いに来ました」と仰ってくださって、どんな時代や状況でも、お客さまに寄り添うブランドであることを改めて実感しました。
この3年間、大変なこともたくさんありましたが、だからこそ、お一人おひとりのお客さまとの思い出がいつも以上に記憶に残り、ブランドの力を実感しました。改めてこの仕事をしていて良かったと思えました。
とても素敵なエピソードをありがとうございます!今後もそんな素敵なお仕事を続けていく上で、これからチャレンジしていきたいことを聞かせてください。
佐村木:私はさらに販売スキルを上げていきたいです。
前職での店長経験は充実していましたが、その一方で販売に向き合う時間が減ってしまうことにもどかしさもありました。だからこそ今は原点に戻って一層経験を積むことで、神戸店に足を運んでくださるお客さまと、私に会いに来てくださる顧客さまを増やしてきたいです。
mizuiro indというブランドを通じて、お店だからこそ味わえるワクワク感や、ご期待以上の提案をお客さまにお届けし、楽しい時間を共有していきたいなと思っています。
都倉:2021年8月に神戸店がリニューアルして1年半、少しずつ顧客さまも増え始めていますが、まだまだもっと多くの方に知っていただけると思っています。路面店ならではの特別感や居心地の良さ、ゆっくり過ごしていただくための空間づくりに力を入れていき、mizuiro indや、この神戸店を好きになってくださるお客さまを増やしていきたいです。
それでは最後に、興味を持ってくださった方々へメッセージをお願いします!
佐村木:画一的なメンバーではなく、スタッフそれぞれが個性豊かなので、色んな個性を持った方と一緒に働けると楽しいですね。その個性を受け入れ合って、チームワークでお店作りができることが大切です。仕事ですから大変なことやしんどいこともありますが、そんなときでもポジティブシンキングに変換できる方が向いていると思います。
都倉:販売職が好きな方は、お客さまとお話をするのが好きな方が多いのではないでしょうか。マザーズインダストリーはそういう方が楽しく働けますし、パーソナルな繋がりを大事にする会社です。今、思うようにお客さまと接することができなくてモヤモヤしている方、この時代だからこそお客さまと共有する時間を楽しみたいという方、またはブランドテイストが合わなくなってきた方なども、きっと合うと思います。
ぜひお待ちしています!
mizuiro ind、MARcourt
(Mother’s Industry 株式会社)
事業内容 | 婦人服・紳士服、および服飾雑貨などの企画・仕入及び販売 |
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事業所 | 大阪府大阪市西区北堀江1-12-10 山田ビル5階 |
設立 | 2003年9月 |
代表者 | 代表取締役 笹野 信明 |
従業員数 | 240名(2023年1月時点) |
資本金 | 1,000万円 |
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