アパレル企業特集
2023.11.15
VIS(株式会社ジュン)
接客を大切にするカジュアルブランド「VIS」
ショップスタイリストの仕事に迫る
株式会社ジュンは、1958年創業のアパレル企業です。創業から現在に至るまで多様なブランドを展開する一方で、現在は「ファッション」「フード」「フィットネス」の3つを軸に、アパレル以外の事業も多数手掛けています。今回は、流行に敏感な女性向けブランド「VIS」事業部課長の岩﨑さんと店長の加藤さんにインタビュー。仕事内容や働く環境についてお聞きしました。
今回、この方にお話を伺いました!
ビス事業部 課長・店舗運営責任者
岩﨑 久美子さん
専門学校卒業後、3年ほど家具や雑貨を扱う企業に勤めた後に、ジュンに転職。7年半ほど勤めた後に転職し、ブランド向け販売代行サービスの立ち上げやコンサルティングに5年ほど従事。その後ジュンに再入社し、現在はVISの店舗運営を統括する立場に。
ビス事業部 VISコクーンシティ店店長
加藤 裕美さん
新卒でジュンに入社。最初の配属先はVISコクーンシティ店で、そこからさまざまな店舗で販売の経験を積む。コロナ禍後にサブ店長に任命され、2022年には店長に。現在は再びVISコクーンシティ店に配属され、店長として活躍中。
もくじ
心地よいタイミングで来てくれるのがVISの接客
株式会社ジュンおよびVISについて教えてください。
岩﨑:ジュンを一言でいうと、「古くて新しい」会社です。創業から60年以上、時代に合わせて新しい事業を始めながら、古くからある事業のバージョンアップを続けてきました。
ジュンのミッションは”YOU ARE CULTURE”です。ファッション事業を中心としつつも、ファッション・フード・フィットネスの3領域を軸に、世の中にカルチャーを提案しています。たとえば店先でお客さんが飲食できるオープンカフェ形式の客席や、エアロビクスのフィットネススタジオを日本で最初に始めたのは、実はジュンなんです。
ジュンでは数多くのブランドを運営していますが、その中でVISは、「高感度で好感度」をコンセプトに、トレンドに敏感な若い世代に向けて、手頃な価格帯の商品を提供しているブランドです。VISはフランス語で「ネジ」のことで、いろいろなものを「つなぐ」意味があります。今でこそオリジナル商品がメインですが、元々はセレクトショップだったこともあり、さまざまなブランドをつなぎ合わせる意味もありますし、お客さまとお洋服、お客さまとスタッフをつなぎ合わせる意味も込められています。
ジュンのレディースブランドの中では、ロペピクニックの規模が一番大きく、幅広いターゲットのお客さまに向けた商品構成となっています。一方のVISは、女性を輝かせることをより意識していて、シルエットやデザインなど、健康的に女性らしさを伝えることを大事にしているところが特徴です。
VISの販売員は、どのような方が多いですか?
岩﨑:ジュンでは、販売職のことを「ショップスタイリスト」と呼んでいて、そこにはお客さまのスタイリストとして接客や提案ができるように、という意味が込められています。
VISのショップスタイリストは、ガツガツした積極的なタイプよりも、一見受け身に見えるけれども、どうすればお客さまを幸せにして差し上げられるかを真摯に考えて接客するタイプが多いように思います。グイグイは来ないけれど、放置されているわけでもなく、心地よいタイミングで来てくれる、そんな接客を心がけるよう、スタッフともコミュニケーションを取っています。
採用面接でも、ここ数年で「VISのスタッフのような接客がしたい」と話してくださる方が増えたように感じます。カジュアルブランドでここまで接客スタイルを確立させているブランドは多くないように思います。
個性に合わせて活躍できる場がたくさんある
続いて店長の加藤さんにお聞きします。まずはジュンに入社された経緯を教えてください。
加藤:私は新卒で入社しました。高校生のときから、アパレルの販売員として働くことに憧れていて、新卒でもアパレル企業に絞って就職活動していました。ジュンに入社を決めた理由は、VISをはじめとするジュンのブランドが好きだったことはもちろんですが、幅広い年齢層の方が働いていらっしゃったり、産休・育休を取って復帰し、子育てしながら活躍している方が多かったりして、好きな販売の仕事を安心して長く続けられそうだと感じたからです。
VISのスタッフになったことで理解したVISの特徴や、イメージが変わったことなどはありますか?
加藤:以前からVISでよく買い物をしていたので、印象はあまり変わりませんでした。実際にVISで働くようになって感じたことは、思っていた以上にしっかりお客さまを見て接客しているブランドだということです。手に取りやすい価格帯のブランドながら、店舗での体験を付加価値として提供できていることが、VISの大きな魅力です。
店頭にいらっしゃるお客さまは、どのような年代の方が多いですか?
加藤:VISは20代をメインターゲットとしたブランドで、実際に一番多いのは20代後半の方ですが、20代前半から30代以上のお客さままでとても幅広いお客さまにご支持いただいています。
店舗によっても特徴が異なり、たとえば私が今働いているコクーンシティ店は地域密着型なので、平日は主婦の方の来店が多く、土日はファミリー層で賑わっています。また、ターミナル駅の施設内の店舗はお仕事終わりの20代、30代の女性の方が多く来店されます。
店舗スタッフの年代構成はどうですか?
加藤:私のいる店舗では、私のほかに入社5年目のサブ店長がいます。アルバイトスタッフは30代前半から40代の主婦の方まで、年齢幅は広いですね。人数構成は多い方ではないので、コミュニケーションをしっかり取ることを大事にしながら、和気あいあいと働いています。
VISの店舗でお仕事をしていて、やりがいを感じるのはどんなときでしょうか?
加藤:お客さまからお褒めの言葉、お喜びの言葉をいただくことです。これはずっと変わりません。ジュンにはKKCと呼ばれる、レシートに印字されたバーコードから接客についてのアンケートを送信できる仕組みがあります。その中でお褒めの言葉をいただいたときは、やる気が上がりますね。店長になって接客に割ける時間が以前より少なくなった中で、そのような感想をいただけるのはとても励みになります。
今でも覚えている印象的な接客は、「デートに着ていく服を探してほしい」というお客さまです。お話を聞くと、出会って3回目のデートで、何を着ていけばいいのか悩んでいるとのこと。シチュエーションや相手の方の好みを探りながら、その方に似合いそうなお洋服を選びました。購入時点でも気に入っていただけたご様子だったのですが、後日そのお客さまが来店されて、その服をデートに着ていったところ、相手がとても喜んでくれたことを報告してくださったんです。この仕事のやりがいってこういう瞬間だなあと、とても嬉しい気持ちになりました。
店長として、接客について意識していることや指導していることについて教えてください。
加藤:お客さまへのお声がけは大事ですが、お客さまのスタンスを無視したコミュニケーションにならないよう気を付けています。良かれと思ってお客さまに付きっきりで商品をおすすめしても、逆に居心地を悪くしてしまったり、不快に感じさせてしまったりする場合があります。お客さまを観察し、反応をよく見て、その方に合ったアプローチをするように心掛けています。スタッフを育成する際も、しっかりニーズを聞いて、その上で提案することをよく指導しています。
会社としては、どのような形でスタッフの成長を支援していますか?
岩﨑:「ショップビジョンシート」と呼ばれる仕組みがあり、各スタッフが、自分のキャリアや働いている店舗について考えていることを書いてもらっています。半年に1回行っている面談では、店長そして本部の人事が参加し、半期の評価やショップビジョンシートを元に、成長につながるアドバイスや、個人のゴールに向けたサポートについて話し合います。言語化してまとめることで、スタッフ自身が考えを整理できますし、半年に1回の面談だけでなく日々の業務においても、店長や本部がサポートをしやすくなります。
面談・行化を通じて、どのような成長の可能性があるのでしょうか?
岩﨑:ジュンには多くのポジションや事業部があり、さまざまな形で活躍する選択肢が用意されています。たとえば、ショップスタイリストの中には、ショッププレスと呼ばれる、個人でインスタグラムの発信を担うスタッフもいます。ショップスタイリストは「お客さまを幸せにしたい!」というスタッフが活躍しており、ショッププレスは、発信力やトレンドに対する感度が高いスタッフが輝いています。それぞれに特性があり、スタッフの個性に合わせて活躍できる場がたくさんあります。
また、ショップスタイリストとして入社したスタッフが、半年後に営業になり、そこからMDになった事例もあります。そのスタッフに、自ブランドと他ブランドを比較するレポートを提出してもらうことがあったのですが、レポートの内容から、営業やMD向きだと感じられたので、営業をしてみないかとこちらから提案しました。 ほかにも、違うブランドへ異動したり、カスタマー部門などの間接部門、弊社の運営するWebサイトJ'aDoReの事業部に行ったりと、多種多様なキャリアの可能性があります。
さまざまなライフステージのスタッフが輝ける職場
加藤さんは、ご自身の今後についてどのように考えていますか?
加藤:今は店長になって1年ほどで、まだまだこれからですので、数年は店長として頑張っていきたいです。一方で、プライベートも充実させたいです。結婚して3年になるので、出産のタイミングなども考え始めています。VISには、お子さんがいて時短で働いている方や、育休後にフルタイムで復帰されている方もいます。そういった先輩社員を目指して、子育てをしながらも仕事を諦めないキャリアを目指していきたいです。
子育てをしながら働く方は多くいらっしゃるのですか?
岩﨑:はい、たくさんいます。サブ店長や店長の役職を担っている時短社員もいます。
今後のVISの展望について教えてください。
岩﨑:VISが誕生して長く、どの時代でも世の中の流行に常に敏感で、若いお客さまに支持され続けています。リブランディングも何度か行っており、その上で現在のVISがあります。変わることを恐れず、5年後10年後も、そのときの流行に敏感なお客さまに興味を持ってもらえるブランドであることを大事にしていきたいと考えています。
現在はコロナで縮小した店舗数を元に戻しているところですが、今後はさらに増やしていき、現在60店舗弱ある直営店を、100店舗くらいにしていきたいです。
最後に、こんな人と働きたい!というメッセージをお願いいたします。
岩﨑:お客さまを輝かせたい、幸せになってもらいたいという思いがある方に来ていただきたいです。さらには「ミーハー力」のある方が合うと思います。VISは“高感度”で“好感度”なブランドですから、トレンドに敏感で、自分から発信していきたいという方をお待ちしています。
加藤:まずは接客が好きな方。人に何かをしてあげることで、自分が喜べたり輝けたりすると感じられる方がVISに合っていると思います。店長の一人としては、店舗を安定して運営していくためにも、長く働ける方に来ていただけたらうれしいですね。ジュンはさまざまなライフステージの方が輝ける職場ですので、安心して来ていただけたらと思います。
VIS(株式会社ジュン)
事業内容 | レディス・メンズのファッション製品全般の企画、製造、販売 建築及び室内内装の施工設計 ラジオ番組の企画制作及びサウンドプロデュース 屋外広告媒体事業 ゴルフ場、レストラン、ワイナリーの経営 |
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事業所 | 東京都港区南青山2-26-1 D-LIFEPLACE 南青山4F |
設立 | 1958年12月9日 |
代表者 | 代表取締役社長 佐々木 進 |
従業員数 | 2,424名(2023年11月現在) |
資本金 | 11億円(グループ総計) |