アパレル企業特集
2014.09.16
人気アパレル・ファッション企業 人事担当者座談会!!【後編】
<後編>販売職のキャリアチェンジ
“売り手市場”と呼ばれる転職マーケット、一人が何社も内定をもらうという話が増えた一方で、依然厳しい状況が続く求職者の方もいるのが現状。そこで今回、人気企業5社の人事担当者が一堂に会し、採用したい人・そうでない人の違いや、キャリアに対する考え方について、特に転職成功に明暗が分かれやすい「販売職」にフィーチャーし、人事担当者のホンネを語ってもらいました。
人気職種、バイヤーやプレスへの道…未経験でも転職できる?!
クリーデンス:クリーデンスにご登録いただく販売職の方の傾向を見ていると、キャリアチェンジ希望者がとても多いです。みなさんの企業ではどの程度の実績があるのでしょうか?
吉倉:ちなみにみなさん、どんな職種にチェンジしたいんですか?
クリーデンス:ダントツでバイヤーとプレスです。ウェブサイトには掲載していませんが、最近、未経験応募OKのバイヤー・プレス求人も増えてきていて、販売職の方に大人気です。これまでほとんどなかった未経験バイヤー・プレス求人ですが、社内でスタッフを動かす余裕のない場合、アシスタントクラスを未経験OKの条件で募集するという募集背景が多いようですね。
吉倉:なるほど、採用観点では分からなくもないですが…ただトゥモローランドでは、プロの仕事をする上で店づくりができないとバイイングもできないと考えているので、まず未経験でのバイヤー・プレス採用はしていません。ブランド理解も店舗理解も深い、経験を積んだスタッフがなることがほとんどです。
星野:機会は多くないですが、バイヤーやプレスが必要になった場合は、本人が希望しており、かつ社内でしっかりと経験を積んだスタッフが異動するか、専門スキル、経験を持った方を社外から採用する形を取っています。未経験者を採用することは今のところはありません。
斉藤:うちもそうですね。社内でもやはり人気職種ですが、本部の仕事は全て店に直結するので、店舗での経験と更に成果を出して、かつ人気職種なのでアピールをすることも必要です。
吉田:販売職の選考中に何をやりたいか聞くと、「バイヤー、プレスになりたい」という回答は少なからずあります。将来的に目指す分には、そういうキャリアプランも実績もあります。しかし厳しい言い方ですが、「やりたい」と「できる」は全く違います。実際にそのポジションで活躍できている人は、周囲からの「できる」と自分の「やりたい」が合致していることがほとんどです。
キャリアチェンジは今の仕事の延長線上にあるもの。
経験の幅を広げるイメージを持って!
クリーデンス:バイヤーやプレスに限らず、販売職の方の共通する悩みのひとつが「キャリアチェンジ」です。みなさんの考えを聞かせてください。
星野:もし販売職の方がそういった未経験求人を見て「未経験でもバイヤーやプレスになれるんだ」と思ってしまうなら、気を付けた方がよいと思います。その流れでのキャリアチェンジはかなり特殊な例であり、キャリアチェンジは、ガラッと切り替えるものではなく、今の仕事の延長線上にあるものですから。
吉田:何の仕事をするにせよ、どの企業で働くにせよ、最低限必要なスキルの土台はある程度共通だと思うので、やりたいことがある人はまず「何を身に付けないといけないか?」を知って、必要なスキルと経験を積んだ上でチャレンジすることが、結局のところいちばん早いと思います。
斉藤:そうですね。よほどの事情が無い限り、ゼロベースで新しい未経験の方を採用するより社内のスタッフにチャンスをあげたいというのが人事のホンネ。ですのでまず足元の販売の仕事を精いっぱい頑張って、いざというときに任されるような存在になる、そんなイメージでキャリアを築いて欲しいです。
家近:アーバンリサーチのキャリアは“兼務”式です。たとえば販売として入社してきたあるスタッフは、学生時代に植物に興味があって、仕事で活かしたいという思いを持っていました。最初は販売から店長へというキャリアを積んでいましたが、色んなタイミングが重なってチャンスが生まれ、今は店長をしながらプラントバイヤーとしても活躍しています。キャリアチェンジ=仕事が変わるということではなく、店舗経験を軸に、仕事の幅がどんどん広がっていくイメージ。ちなみにわたしも今の仕事しながら、カフェでコーヒーを淹れたりもしています(笑)
ファッション業界で経験してきた人々に期待したい、
仕事への向き合い方やキャリアのこと
クリーデンス:最後に、ファッション業界の経験者で転職を考えている方々に期待したいところを一言づつお願いします。
斉藤:転職を考える際、ネガティブな要素も含まれることってありますよね。歳とって商材と合わないし、立ちっぱなしでしんどいし、休めないし…と。僕も転職組なので理解できます。でも、それと同時にポジティブな要素を持たないといけません。ネガティブな要素を解決するために転職すると、新しい環境できっとまた新たな不満を抱きます。それよりもポジティブな要素が合う会社を見つける方が、いい仕事ができるし成長できるはず。なので、不満があったとしてもそれを裏返して、「こうなっていきたい、だからこういう仕事がしたい」ということを考えながら転職と向き合ってみてください。
吉倉:何の仕事をするにしても、表面的なところだけを見て格好いいから、流行っているから、という気持ちだけでは、何か壁にぶちあたったときに踏ん張ることができません。今すぐに実現しようとするのではなく、長い目で見て、アパレル業界で経験を積んでいきたいと思えること、ひとつひとつの仕事に意図をもって、まわりのスタッフと話し合いながら働くことに期待したいですね。
吉田:2つあります。ひとつはキャリアチェンジをしたい場合、転職のタイミングでは避けた方がいいということ。アパレル業界で何の仕事をするにしても、販売経験は必ず役立ちますので、まずはその経験を活かすことを考えて転職して、新しい組織の中で実績を残してからキャリアチェンジを目指すほうが、本当にやりたいことに辿り着くと思います。 もうひとつは、前職でのノウハウを引きずりすぎないこと。基本、経験者の方は即戦力を期待して採用していますが、これまでの仕事のやり方に固執するのではなく、前職とは客層も状況も一緒に働く人も違うことを踏まえたうえで、フレキシブル・柔軟に変化に対応するよう意識してみてください。
星野:トリニティアーツの場合、仕事環境も社内制度もまだまだこれから、今まさに成長している企業です。「あれがない、これがない」ではなく、自分たちで良い環境を作っていきたい!と主体的に動ける方に期待したいです。転職活動を行う上では、企業研究をしっかりした上で、その理念や求めることに共感できるか、を大切にして欲しいです。
家近:アーバンリサーチも店舗が増え、認知度も高まってきましたが、根底にあるのはベンチャーマインド。ガチガチにマニュアルで固めるのではなく、どんな環境でも「おもしろい」と思ってチャレンジできるか、という精神で仕事をしています。ですので、「レジが打てます」とか、「この業務ができます」、といった考え方ではなく、どんな思いでどんな経験をしてきたか、これからどんなことをしてみたいか、という“思い”の部分を大切にして欲しいですね。もしかするとこれまでの仕事とまったく違う仕事をすることもあるかもしれないけど、根底にあるやりたいこと、目指したいことは変わらなければ、きっと一緒におもしろいことができると思うんです。
目先のやりたいことより長い目で見た将来像を大切に!
人気企業5社のホンネ座談会、いかがでしたか? 企業によって、求める人物像や入社後のキャリアなどは違いますが、共通するポイントもいろいろありました。
- ◇ 企業やブランド理解はきっちりと。Web等での情報に加え、店舗は必ずチェック!
- ◇ 企業が採用するかどうかは第一印象でほぼ決まる!
- ◇ 転職タイミングでのキャリアチェンジよりも、転職後に実績を作ってチャンスをねらうのがオススメ!
- ◇ 長い目で見たキャリアイメージを伝えられる準備をしておく!
転職活動を検討している方はぜひ参考にしてください。
ひとりで考えるのは大変!という場合には、ぜひお気軽にクリーデンスへご相談くださいね。
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