アパレル企業特集
2022.07.14
TREK(トレック・ジャパン株式会社)採用担当 菅原 未来さん
トレックはなぜ日本市場で直営店を増やすのか?
「お客さまのガイドたれ」を体現する販売職の魅力とは
1976年にアメリカ・ウィスコンシン州で誕生した、米国シェアNo1のバイク(自転車)メーカー、トレック。約300店舗の販売店と、近年力を入れている直営店の増加に加え、コロナ禍によるライフスタイルの変化も追い風となって、右肩上がりに成長しています。今回は、企業成長には欠かせない「採用」を担当している、菅原さんにお話を伺いました。
今回、この方にお話を伺いました!
人事・総務 / 採用担当
菅原 未来さん
二社の総合人材サービス企業で営業職を経験したのち、コロナ禍をきっかけに自身の目標であった人事・採用のキャリアを目指すべく、転職活動を開始。2020年11月トレック・ジャパンへ転職、以後採用担当として従事している。
歴史あるブランドでありながらベンチャー気質が強く、急成長を遂げている
まずは簡単に、トレックの概要を教えてください。
トレックは、1976年にアメリカ・ウィスコンシン州で誕生した、米国シェアNo1のバイク(自転車)メーカーで、もうすぐ創業50年を迎えます。
日本法人であるトレック・ジャパン社は1991年に発足し、卸業を中心に日本におけるトレックブランドの拡大を進めてきました。歴史ある企業でありながらベンチャー気質が強く、近年は直営店展開を強化し、急成長しています。
30年間、トレックを支え続けてくださっているお客さまがたくさんいらっしゃる上で、直営店事業を積極的に進めることで新しいファンの方もどんどん増えており、私たち自身も常にアップデートし続けることができています。
直営店展開を強化している背景は何でしょうか?
「愛する製品のみを作り、お客さまに最高のおもてなしを提供し、より多くの人々をバイクに乗せて、世界を変えよう。」
というトレックのミッションを実現するためには、お客さまにより近い場所でサービス提供する必要があります。
現在、卸している販売店が約300店舗、直営店が現時点で25店舗ありますが、よりトレックというブランドを一人でも多くの方に知っていただき、自転車って楽しい!と思っていただくために、販売店のみならず、直営店にも力を入れています。
直営店によってブランド認知をさらに高めていきたいということですね。
ブランド認知のみならず、自転車を始めるきっかけにしていただきたいという思いもあります。スポーツバイクって少し敷居の高い市場だったのですが、エントリーモデルからプロ仕様、キッズまで、幅広くアイテムをそろえているトレックが直営店を増やすことで、誰もが楽しめるということを知っていただきたいのです。
ここ数年、もっとも売れているのはまさにエントリーモデルのクロスバイクとキッズバイクですが、そうしたエントリーユーザーの方々に長く楽しんでいただくための環境づくりにも力を入れています。一例として、「トレックライドクラブ」というものがあり、自転車の楽しみ方、楽しむための場所としてコミュニティを創ったり、ライドイベントを立ち上げたりなどを行っています。
「ストアスタッフはガイドであれ」という言葉がトレックにあるのですが、お客さまが新たな冒険を始めるためのガイドとして、これから自転車を始める方、さらに楽しみたい方、お子さまのファーストバイクを探している方などのサポートができればと思います。私たちトレックが接客サービスを大切にしているのは、根本にそうした思いがあるからなのです。
菅原さんにASK!!なぜトレックに入社したの?!
菅原さんは人事・採用のキャリアを目指していたとのことですが、ほぼ全業種の企業が対象になる中で、なぜトレックに入社を決めたのでしょうか?
求人広告で目に留まり、応募したのがトレックとの出会いでした。同時期に偶然、自宅近くにトレックの新店がオープンし、足を運んでみたところ、非常に細やかな接客を受けることができたんです。おもてなしを大事にしている企業だということが伝わってきて、一人の「お客さま」としてとても気持ちの良い時間を過ごせたので、このような方々と関われる仕事がしたいと思い、トレックへの入社を決めました。
接客のどのような点が菅原さんの心に刺さったのでしょうか?
かゆいところに手が届く提案力や、お客さまにアンテナを張り、潜在ニーズを引き出す察知能力の高さです。また、ドリンクサービスなどプラスアルファのおもてなしのタイミングも心地よく、素直に自転車を買うならここのスタッフの方に相談したいな、と思えました。
これだけ質の高いサービスを提供できる企業の一員となり、力を持った方々を採用することで、トレックの成長やお客さまの喜びに繋げていくことに、とても興味を持ちました。
学ぶべきスキルと昇格プロセスが明確なので
業界未経験からでも成長意欲高くチャレンジしやすい環境
山下さんのように、異業界から転職される方も多いと思いますが、研修・トレーニング環境についてお聞かせください。
半年に一度、その半年の間に入社した社員を本社に集めて研修を行っています。約5日間、トレックの文化や考え方、ミッション、カルチャー、接客サービス、自転車の組み立て方などを学んでいただきます。 また、希望者や役職に応じて、1年に1度、さまざまな技術研修などを行ったり、「トレックユニバーシティ」というグローバル一律のイーラーニングで学んだり、自転車パーツの提携メーカーご協力のもと、コンポーネント(パーツ)の講習を受けたりと、さまざまな研鑽の機会を通じてより深く自転車の理解を高めていただけます。
スキルアップとともにキャリアアップできるよう、キャリア・評価を体系立てて整理していますので、次のステップに進むにあたって何が足りないのか?を明確にしながらスキルアップできるようになっています。
販売職の方々のキャリアパスはどのようなものがあるのでしょうか?
入社後は全員、セールスアシスタントというストアスタッフのグレードからスタートし、セールスリードというリーダーポジションを目指します。セールスリードを目指すにあたっては、必要なスキルを身に付けた上でストアマネージャー(店長)の推薦を受け、接客ロールプレイングや自転車の組み立て、面談などを経て、通過すれば昇格できます。 その次は、必要な素養が備わった時点でディストリクトマネージャー(エリアマネージャー)の推薦を受け、承認されることでアシスタントストアマネージャーに昇格します。半年間経験を積み、正式なストアマネージャー(店長)になります。
ストアマネージャーの先は複数のキャリアがあり、一つはディストリクトマネージャーとして、5~6店舗をマネジメントするポジション。もうひとつは直営店サポートチームに入り、オペレーションマネジメント・教育・テクニカル教育・イベントリ(在庫)管理・マーケティングのどれかを担うポジションです。
ほかには、入社1年以上の社員に向けた、社内公募によるチャレンジも可能です。セールスアシスタントの社員が公募経由で直営店サポートのマーケティングチームに異動したケースなどがあります。 今後の出店計画に伴い、ポジションが増えるため、昇格・昇給のチャンスは増えますので、モチベーション高く働ける環境だと思います。
自分たちの手でトレックというブランド・組織をより良くできる
トレックならではの仕事のおもしろさ、やりがいは何でしょうか?
目指せるポジションがあり、そこに向けて何を身に付ければ良いかが明確で、学ぶための環境もある。様々なキャリアの可能性があり、やりがいを持って働けると思います。 アルバイトを含めて約180名とまだまだ小規模の組織なので、経営との距離が近く、あるひとりの社員が出した提案が通り、実現するような環境です。良いと思ったことに対するスピード感と実行力があるので、どんどん良くなっていく実感を得ながら組織とともに成長できる環境です。
また、トレックでは「Great Place to Work®」という、働きがいのある会社かどうかという従業員調査を毎年行っています。その結果の良し悪しを話すだけでなく、課題を解決して自分たちで働きやすい会社を作ろう!というプロジェクトが立ち上がり、職種ミックスで30名が集まり、さまざまな改善を行っています。
具体的にはどのような改善が行われているのでしょうか?
一例ですが、お世話になった社員にチョコレートとサンクスカードを渡して感謝を伝える「サンクスカード」の実施や、インタラクティブなコミュニケーションを増やすためにTeamsを使った社内報の立ち上げ、規則の見直しなどです。
規則は主にストアスタッフからの声が挙がり、これまでNGだった髭やネイル、アクセサリーなどについて、清潔感があり、トレックブランドを体現する範囲の派手すぎないものであればOK、と緩和されました。
アパレル企業からの転職組も一定いらっしゃると伺いましたが、アパレルでのどのような経験が活かせるでしょうか?
大きく2点あります。
ひとつはお客さまの潜在ニーズまで引き出せるヒアリング能力と、それに対する提案力です。購入していただくことのみがゴールではなく、その後のアフターフォローやお買い換えなども含め、長いスパンでサービスを行っていくブランドなので、顧客型の接客サービスを行ってきた方は、近しいスタイルで接客いただけるのではないでしょうか。
もうひとつは、チームワークです。
お客さまごとにメイン担当が付く点はアパレルと同じですが、たとえば乗っていて発生したトラブルで急きょご来店されるケースなどにおいては、担当者が店舗にいないケースが多くあります。そんなときに、担当者以外のスタッフもしっかり対応できるよう、店舗のメンバー全員でお互いにフォローし合いながらお客さまと向き合っていくことが大切です。なのでトレックはチームワークが高く、みんな仲が良いんですよ。
社員一人ひとりがリーダーシップを持ち、アイコニックな企業であるために
今年も複数のストアオープンが控えているとのことですが、今後もさらに店舗を拡大していくのでしょうか?
今後も全国的に店舗拡大の計画はあります。
より多くのお客さまが気軽にご来店いただける環境を作っていきたいと考えています。
では最後に、採用担当の目線で「こういう方々と一緒に働きたい!」というメッセージをお願いします。
トレックには、すべてのストアスタッフに求められる指標を示した「L5L(Level 5 Leadership)」というものがあります。
ヒューミリティ(謙虚さ)
成功はチームにあり、自分はさらに向上できる能力を高める謙虚さを持つ。
知ったかぶりせず、常に学び、耳を傾ける姿勢を持つ。
ウィル(強い意志)
業務をやり抜く意志と力。機敏さとともに現実に向き合って変化には代替案で柔軟に対応する。
役割に責任を持ち、困難を打ち破る。
チーム(ベストチーム)
メンバーに高い期待と責任を与える。卓越したメンバーを採用し、継続的に指導・コーチする。
ビジョン(ビジョン)
向上を目指し、常に新たなアイデアを取り入れて枠を超える大きなビジョンを描く。
2022年、本国TREK U.S.A.の社長 ジョン・バーグは、
「Level 5 Leadershipと輝くミニバスであふれ、100年後も注目されるアイコニックな企業になる」
というミッションを掲げました。
売上や成長というものではなく、象徴的であれ、と掲げるところにトレックらしさを感じています。
そんな思いに共感してくださる方、そのミッションを実現するために、「L5L」を体現できる方、お客さまのガイドとして心からのおもてなしをしていく、そんな接客を長く続けていきたい方、ぜひトレックでお待ちしています。
TREK(トレック・ジャパン株式会社)
事業内容 | 自転車および関連製品の輸入および販売 |
---|---|
事業所 | 本社:兵庫県西宮市大井手町7-28 |
設立 | 1991年2月 |
代表者 | 代表取締役 田村 芳隆 |
従業員数 | 180名(2022年7月現在) |
資本金 | 4,000万円 |
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