パタンナーとは
デザイナーが描いたデザイン画をもとにした型紙(パターン)の作製のほか、実際の量産製品にするための作業全般もパタンナーの仕事です。
これまでは手引きやアパレルCAD(作製支援ソフト)を用いた作製がメインでしたが、近年3D CADへの注目が世界的に高まっており、そうした最新技術への関心やスキルが今後のパタンナーの強みのひとつになり得ると考えられます。
一口に「パタンナー」と言っても、業種によって「アパレルブランド側のパタンナー」「商社・OEM/ODM側のパタンナー」 の二つに大別され、それぞれで担う工程に差があります。
アパレルブランド側のパタンナー
スタイル画(着用してポーズをとっているデザイン画)やマップ(コンセプトなどのイメージを伝えるための資料)からデザイナーの意図を汲み取り、立体にする力が求められます。その際には着心地やシルエットも考慮するため、数ミリ単位の緻密な調整力はもちろんのこと、素材の知識なども必要です。
そのうち百貨店系ブランドでは分業が進み、幅広い 工程を一人で担うケースは少ないですが、デザイナーや生産管理、他のパタンナーなどとの頻繁なコミュニケーションが生じます。
また、コレクションブランドでは特徴的な形が多いため、ゼロから立体裁断で型紙を作ること、手引きでのパターン作製、そのほかデザイナーのイメージを具現化するためのデザインに近しい業務が発生することも考えられます。またコレクションなどの際にはモデルに合わせた微調整の能力や、縫製技術を求められるなど、サンプルから商品化までのさまざまな工程に携わります。
商社・OEM/ODM側のパタンナー
必ずしもパタンナーが社内にいるとは限らず、パターン作製を一部またはすべて外注しているケースもあります。
そのため、商社・OEM/ODMパタンナーは、所属企業でパターン作製を手掛ける場合ももちろんありますが、外注先の管理を担うポジションになっていることもあります。
このようにパターンを引かないパタンナーは、上記した外注先の管理のほか、仕様書の作成や微修正などを担当しています。
<2021年最新版>パタンナーの転職動向・転職成功のヒント
コロナ禍によるブランドの閉鎖や、パターン作製の海外工場への委託などにより、パタンナーの求人は大きく減少しました。2021年の新規求人数は前年の114.5%と回復傾向にはあるものの、コロナ前の水準までは戻っていません。
それにともなって採用条件も上がっており、素材・仕様の深い知識や、CAD・手引きの双方でパターンを作成できること、それに加えてオールアイテムに対応できることなどが求められています。…(続きを読む)