スタッフブログ

2018.01.17

「I don’t like Mondays.」

日本酒大好きキャリアアドバイザーの丸山です。
平素は「ありがちトラブル相談室」をご愛読いただき、ありがとうございます。

さて、今回は多くの皆様が抱えるちょっとした憂鬱をショートストーリーにしてみました。
すこしだけお付き合いください。

「I don't like Mondays.」

毎月4回、1年に52回もやって来るのにどうしても慣れません。
高校時代から数えたら30年以上。
なんでこんなに月曜日は憂鬱なのでしょうか。

会社が嫌いなわけでもなく、月曜日に特別イヤな事があるわけでもありません。
かといって家にずっといたいわけでもないのです。
ただ休みの次の日だというだけです。

昔アメリカで、
「I don't like Mondays.」
月曜日が嫌いと言う理由だけで乱射事件を起こした少女がいましたが、
私に出来る反乱は、せいぜい火曜日に出すべき生ごみを、
不燃ごみの月曜日に出すことぐらいでしょう。

なんてつまらぬ事を考えている間に、早く会社に行かねばなりません。
家から駅まで徒歩10分。
いつもの電車の発車時刻まで7分。
マイナス3分のダッシュが必要です。
めったに走らず、歩くことが当たり前だと思っている
我が足に気合を入れて駆け出してみます。
重たいはずだと勝手に決めつけていたのに、意外と風を切るほど軽く感じています。

「あれ、俺ってまだまだイケてる。」
「これならば、余裕でいつもの電車に乗れる。」

と隙を見せた瞬間に、ふくらはぎにつりそうになる感覚が襲います。
「やばい」と思いながらも、思わず「やはり」と独り言が出ます。
自身の思っている肉体感覚と寸分たがわず
正直に反応した肉体の正確さになぜか安堵しているのです。

電車がホームに入るのと同じくして、足を引きずるように改札を通過。
お気に入りの1両目に乗るのはとても無理です。
目の前の4両目に滑り込むように、もとい、転がり込むように乗り込みます。
「間に合った」。
マイナス3分を勝ち取った私に祝福の車内アナウンスが流れます。

「先ほど、駆け込み乗車をしたお客様、大変危険なのでおやめください。
他のお客様のご迷惑にもなります。」

会社の最寄り駅に着き、ふくらはぎを気にしながらも速足で会社に向かいます。
頭の中で午前中の仕事の順位付けをしてみます。
「朝一番でプレゼン資料を作らなければ」。
週末から頭の隅には存在していたのに、今思い出したように口に出してみます。
そんな朝から疲れた顔をしているだろう私に、
微笑みながら歩いてくる初老の男性がいます。

誰だろう。

どこかで会っているはずですが思い出せません。
すれ違いざまに「おはようございます。」と声を掛けられて、
私も思わず「おはようございます。」と答えます。
男性はスピードを緩めず、そのまま駅の方向に歩いていきます。

会社に着いてようやく、先ほどの男性が誰だかわかりました。
制服を着ていなかったのでピンとは来なかったのですが、ビルのガードマンさんです。
夜勤が明けて帰るのでしょう。
一度も話したことはありませんが、私を覚えてくれていました。
ほんの少しだけ心がポッと温かくなりました。

今日も頑張ろう。

「I like Mondays a little.」

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