スタッフブログ

2022.12.14

服屋の大切なことはすべてコンビニが教えてくれた。

突然ですが、みなさんは一番好きなコンビニはどこですか?

ちなみに私はというと、基本的に行くコンビニの9割は「セブンイレブン」です。
(理由は、数あるコンビニの中で、コーヒーがダントツに美味しいからです!)

かれこれ15年以上も昔のお話ですが、私は学生時代…ろくに勉強もせず、色々なアルバイトをしてきました。
その中で一番楽しく、やりがいだったのが、意外かもしれませんが、「コンビニ」のアルバイトでした。
それもあって、バイト自体はとっかえひっかえ色々したのですが、
コンビニだけは平行して4年間、ずっと同じお店で続けていました。

大学卒業後、アパレル業界へ飛び込み、某セレクトショップに就職をすることになるのですが、
驚くことに今は亡きこの「サンクス」での4年間のアルバイトの経験が、
アパレル業界で働く上でものすごく役に立ちました。


顧客作りの基本を教えてくれたのはコンビニ!

セレクトショップの店舗で働いていた頃、70名ほど「顧客さま」と呼べる方ができ、
幸いお客さまに恵まれることができたのですが、顧客さまが作れた理由の1つに、
「【お客さまの顔】+【買ったもの】を一致させることが習慣になっていたこと」があります。

私が働いていたのは都内の「サンクス」で、通りを挟んで
「セブンイレブン」と「ファミリーマート」が近くにありました。
当時はなかなかの繁忙店で、その中で
【お客さまの顔】+【いつも必ず買うもの(タバコやコーヒーの銘柄など)】
を覚えるのがおもしろくて、

配達中のお兄さんに、
「今日もマルボロは2つでいいですか?」と何も言われる前に出しておいたり

休憩中のパチンコ屋の社員さんに、
「あれ?今日はシーフード味じゃないんですね!あっ、あとジャンプ裏にありますよ!」

スナックのママさんに
「今日氷納品されたのでいっぱいあります!領収書とタバコもいりますよね?」

近くの居酒屋の店長さんに
「昨日あんまん仕込んでおいたのにいらっしゃらなかったので、セブンに浮気してたの知ってますよ!笑」

などと、サラッと会話を続けるうちに、明らかに常連さんが増えてゆき、
お客さまからたくさん差し入れもいただくようになりました。

コンビニ時代もアパレル時代も、ニヤニヤとうれしそうな表情で
「また買わされちゃったよ~!」とお客さまに言われる瞬間が大好きでした。


VMDとMDの基礎を教えてくれたのもコンビニ!!

私の働いていたサンクスは直営店ではなくフランチャイズ店舗だったので、
あまり本部からうるさく言われることがなく、一定のルールさえ守れば、
比較的自由に陳列や発注、POPなどの販促ができました。

4年間も続けていると、なぜか学生バイトなのに全商品の発注権限が与えられており、
お店のお客さま層や特性、シーズンやイベントなどを踏まえて

・この時期だと、お酒と飲み物のカテゴリーで30%ぐらいの売上は見込みたいよなぁ…
・今年のクリスマスケーキの本命はこれか…。これってミニマムと最大発注数はどれくらいだっけ?
・この変なジュース売れなさそうだけどキャッチーだから魅せたいなぁ…、これフックに実売はこっちの味だよなぁ…
・このプライベートブランドのお菓子って、ウチは全然売れないけど、他店は売れているなぁ…出す位置変えようかな…
・このアニメとのコラボのパンが納品されたら、どの売り場でどういう陳列をするのがベストかなぁ…
・この肉まん、初回でとんでもない量の納品が来ているけど、どういうPOPだと刺さるかな?

などを考えながら、商品発注や納品後の売場指示をしていました。

コンビニのおもしろいところは、発注から納品までのリードタイムがほんの数日で、すぐに結果が見えること、
基本的に賞味期限があるものが多く、在庫を抱えておけないので誤魔化すことができないこと、
陳列やPOP次第で週の売上点数がおもしろいように変わるところです。

また、上記のように仲の良いお客さまや常連さんが増えると、
どういう商品が欲しいかのリクエストを聞いたり、雑談しながら、
「なんでウチとセブンには行くのにあんまりファミマには行かないんですか?」
などと聞けたりするので、それを発注に活かすことができました。

加えて、常連さんから
「今度イベントがあるんだけどレッドブルって200本頼めたりする?」
などの相談をいただき、大型受注?につながることもよくありました。

アパレルの店舗で働きながら、ある日ふと「あっ、これコンビニと同じだ!」と気付いた日から、
怒られて詰められてばかりだったのが、少しだけ上司から褒められることが増えたような気がします。(気のせい?)
「マーケットイン」ってこういう意味だったんですね。


優先順位の付け方とスケジューリングの大切さまで教えてくれたコンビニ!!!

コンビニの店員さんって、一見暇そう(大変失礼ですね…)に見えるときもあるのですが、
実は真面目にやると、短時間の勤務時間の中でとてもやることが多いです。

繁忙店にもかかわらず、いつもバイト不足のお店だったこともあり、基本的に常に適正人員マイナス1名で回していました。
自分では変えられないレジラッシュの時間、納品が来る時間などを考え、
どう優先順位をつけ、いかに1日のスケジューリングを上手に立てるかが大事でした。

その後、就職したアパレル店舗も、ブランド中で一番の大型トラフィック店舗だったので、
この感覚がすごく役に立ち、1日の中で…

・いつの時間がお客さまの入店が増え、店頭に集中して売上を取るべき時間なのか?
・変更できない本部指示の対応期限や、顧客様の来店時間は何時なのか?
・やらくてはいけない付帯業務は何がどれくらいあって、どれくらい時間がかかりそうか?
・MUSTではなく優先順位も低いけど、自分がやりたいことはどうやったら時間が取れるか?

などを考えながらスケジュールを立てることにつながっていたように思います。


コンビニ=小売業の縮図!?

こう思い返してみると、コンビニの仕事って、アパレルも含めた小売業のすべてが濃縮されていたように思います。

大変お恥ずかしながら、私がコンビニで働こうと思ったきっかけは、
「廃棄もらえて食費浮いてラッキー!」
「ジャンプが一番最初に読める!」
だったのですが、これらの夢もしっかりと叶えつつ、実はそれよりも大事な学びがあったようです。
(それに気づいたのは何年も経ったあとのお話になるのですが…)

冒頭に、私が行くコンビニの9割は「セブンイレブン」と書いたのですが、
正直、コーヒーを買う予定がない日には、どこのコンビニでも全く問題ありません。
シュークリームもおにぎり、ビールも、どこのコンビニでも売っていて、すべてすごく美味しいです!
ただ、コーヒーが大好きで、ちょっぴりこだわりがある私にとって、コーヒーが飲みたいときは、
ちょっと遠くても絶対に「セブンイレブン」まで足を運びます。

これって、アパレルブランドでも同じことのような気がしていて、
お客さまが10人いたら10人こだわりや大事に思うことが違うので、

・あの販売員さんがいるから、このお店に行く!
・ここのブランドの商品のデザインが大好きだから、このお店に行く!
・このお店の空間にいるだけで、ワクワクしたり、特別感があるからこのお店に行く!

などなど…理由はさまざまですが、共通しているのは、
当たり前ですが、やっぱり何かその人に刺さるポイントが必ずあることなのだと思います。


「人生無駄なことなんてない?」

みなさんも、最初の動機が不純であったり、深く考えずに何となく始めりしたことが、
何年か経った後にすごく役に立ったり、「今の自分を形作っている!」と感じたりすることはないでしょうか?
こう考えると、人生無駄なことってやっぱりないんですね…!(少なくともそう信じていたい!)

今、仕事が辛かったり、モヤモヤ、イライラしていたり、やりがいや目的を見出せなくなっていたとしても、
きっと何かしらの意味があり、きっかけを与えてくれているのかもしれません。

私も2023年は、奥さんに小言を言われながら渋々やっている家事にも
しっかりと意味を見出せるぐらい器の大きな大人な男になりたい、と切に思いながら筆を置きたいと思います…。

  • 業界特化の情報力で、
    あなたのキャリアをきめ細かくサポート!
    興味がある方は、まずクリーデンスの
    転職支援サービスにご登録ください。
  • 転職支援サービス 無料会員登録

スタッフブログ 最新記事

スタッフブログ一覧