スタッフブログ
2024.10.02
ジブリとファッション
こんにちは。キャリアアドバイザーRです。
久々のブログだなと思って調べてみると、なんと登場するのは4年ぶりでした。
先日10年ぶりに三鷹の森ジブリ美術館に行って来たので、今日は「ジブリ×ファッション」のお話でも。
美味しそうなご飯についてはよく語られるジブリ作品ですが、
ファッションについて語られることは少なく、それを昔から少し不思議に感じていました。
ある程度いろんな洋服を着る年代になってから見返すと、
本当に細部までこだわり抜かれていることが分かるジブリファッション。
中でも、個人的に印象に残ったものをいくつか挙げると...
紅の豚
ジブリ作品屈指のお洒落さを誇る同作。
主人公のポルコはトレンチコート、真っ赤なネクタイ、ボルサリーノ風のハット、青×白ボーダーのタンクトップと
随所にお洒落さを垣間見せる一方、戦闘時はどうでしょうか?
深紅のド派手な飛行艇に乗りながら、衣装はいつもサンドベージュ。
以前は期待と衣装のコントラストを強調したいのかと深く考えなかったのですが、
オフの時の着道楽ぶりを考えると、やはり違和感が残ります。
退役軍人という設定はもちろんですが、ライバルであるカーチスが
青みの強いネイビーの衣装に真っ白なブーツ、黄色のスカーフということを考えると、その対比構造は明らか。
これは思うに、どれだけ時間が経過しても、賞金稼ぎとなった現在も
「あくまでも、やっていることは命の取り合いである」というポルコの矜持が
ファッションに投影されているのだろうと思います。
天空の城ラピュタ
ヒロイン・シータの衣装ですが、登場した当初はワンピースで、空から落ちてくる際ふわふわと裾が風に舞う描写が印象的。
作品の中盤、衣装チェンジでパンツスタイルになるのですが、
ドーラの服を借りるとは言っても、「いくら何でもダボダボすぎて他になかったのか」と違和感があります。
初めはとび職の方が履くニッカポッカのように、
「裾がダボダボの方が周囲の柵に触れた際に感覚が鋭敏になり安全上いいのかな」と思っていましたが、
ドーラ一家の男性たちはあそこまでボリュームのあるシルエットのパンツは着ていないのです。
パズーにしてもそう。
そうなんです。
あれは、明らかに女性が「空を飛ぶ」こと、
すなわち「生地が風に舞う」演出を前提としているんです。
少女が空を飛ぶことに並々ならぬ拘りを見せるジブリ作品ですが、
実は女性キャラクターは浮遊感を演出するため、他の作品も含め一貫して、
ゆったりシルエットの衣装で風に舞う生地と、印象的なその効果音を徹底...
これはもう、完全に作り手のフェティシズムかと思います。
魔女の宅急便
ここで語りたいのは、主人公キキではなく、ボーイフレンドのトンボくん。
設定だと14~15歳らしいのですが、恐るべきお洒落さです。
お馴染みの赤×白ボーダーのカットソー、ピンクのシャツに茶系のショーツ、
デートコーデのスーツスタイル、こんな中学生いるのかとつっこみたくなります。
ただ、眼鏡はいつも同じ。
黒縁のフレームたった一つだけ。これは明らかな演出意図です。
彼は茶系のベルトに茶系のレザーシューズをいつも履いているのですが、
であれば眼鏡は茶系のフレームにして然るべき。
メンズファッションのセオリーとして、監督世代は絶対に破らないルール。
お洒落なトンボくんがそれを分かっていないはずがないんです。
では、なぜいつも少し浮いて見える黒フレームなのか?
それはまだ、ファッションによって眼鏡を変えるだけの経済力がないから。
あの眼鏡はキャラクターのアイコンであり、かつ「若さの象徴」で、
未完成の少年性を表しているのかと思います。
他にも、ジブリ作品は小物使いなど素晴らしく、
ハンチング、キャスケット、カンカン帽、マダム・ジーナのアイシャドウがどうだ...
色彩設計が絶妙で、暖色の衣装と空の青のコントラストどうだ...など、
語りたいことはいくらでもあるのですが、すでに長文になっているので、今日はこのあたりで。
最後に、先日私が三鷹の森ジブリ美術館を訪れた際のコーディネイトを貼っておきます。
「写真を撮ってほしい」と言われ…はしませんでしたが、小さなキキ(6歳くらいのお嬢さん)は気づいてくれたらしく、
指を指してお母さんに耳打ちをしてくれていました。気づいてくれて本当にありがとうね。
衣装観点で実写を見ることはあっても、アニメを見ることは少ないかと思います。
映画の秋、みなさんもぜひ少し違った視点で好きな作品を見直してみてください。
きっと作り手のこだわりが詰まっていますよ。
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