Fashion★シゴトNEWS
2009.05.08
「感性を買いに行く」お店 20年間愛され続けるショップとは?
20年来のファンも多い老舗のセレクトショップ、そのこだわりに迫ります。
キャロル・クリスチャン・ポエル、グイディ、ダミール・ドーマ、ステファン・シュナイダー…、世界のコレクションで注目を集めるブランドを多数取り扱うリフト。国内最大級のインポートブランド数と独自の洗練された世界観が魅力の同社。プチプライスや速い商品回転に強みを持つ『ファストファッション』が持てはやされる今、全く別の位置で国内外から高い評価を得ています。
根底にある考え方は、クリエイターの自由な感性を表現すること。決して、売れる商品を作り出すことを一番に考えてはいません。
「営利に囚われすぎると本当に伝えたいことを伝えられなくなってしまいます。リフトはクリエイターの自由な発想・感性を表現する場を提供したいと考えています。もちろん経営についてはもっともっと勉強していかないといけませんが、現在のクオリティーを保つ為に店舗数を増やす事は今は考えておりません。もっともっとこだわりを深め感受性を大切にして改善/勉強をしていきたいのです。」
こう答えるのは取締役の角田まなみさん。1993年に代表取締役である旦那様と会社を設立して以来、約20年間全ての業務を取り仕切っています。現場を知らないとスタッフへの指導もできない、そしてお客様と直接関わっていたいという考えのもと、自らも日々店舗に立っています。
ショップはまるで美術館のようにゆったりと時間が流れています。その雰囲気を作り出しているポイントは、徹底的にこだわって表現されたシーズンコンセプト。存在感を放つ大きなモニュメント、世界中から厳選して集められた服、小物や内装、音楽まで全てシーズンコンセプトに合わせて表現され、毎回まったく別の姿に変わります。そのインスピレーションは1年程前からスタートするとか。
お客様の反応に合わせて日々レイアウトや内装を変えることも珍しくないそう。スタッフの「ちょっと照明を変えませんか?」という意見から、突然イメージに合う照明を探し回ったこともあるとか。ひらめきからの動きはスピード感にあふれています。
「あるお客様が、リフトには感性を買いに来ると言ってくださいました。たくさんのお客様がリフトを愛してくださっています。本当に幸せな仕事だな、と思います。今のような状況が1日でも長く続くことが私の夢です。」(角田さん)
今の景況感から安さや人気商品が話題になりがちですが、クリエイターの感性や自分たちの伝えたいメッセージを突き詰めて表現するショップも、長くたくさんの人に愛されているんですね。今後も独自の世界観と新しい感性に会いに、ぜひまたお邪魔したいお店でした!
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