Fashion★シゴトNEWS
2015.01.13
「THE RERACS(ザ・リラクス)」デザイナー倉橋直実インタビュー
2010年にデビューし、決して奇抜なデザインをすることなく、クオリティと実用性に裏付けされたものづくりを続け、着実にファンを増やしている「THE RERACS(ザ・リラクス)」のデザイナー 倉橋直実さんにこれまでのキャリア、仕事観についてお話を伺いました。
これまでのご経歴を教えて頂けますか?
大学在学中にセレクトショップで販売のアルバイトをしたのが、ファッション業界でのキャリアのスタートですね。卒業後、そのままアルバイト先に入社し、店長まで経験をした後に、8年勤めた会社を退職しました。それから準備期間を経て、現在のブランド「THE RERACS」を立ち上げました。
てっきり専門学校を卒業して、デザイナー経験を積んでの独立だと思っていたのですが?
はい、最終学歴は4大の情報系の学部です(笑)新卒の就活も実はSEとしてのキャリアを考えていました。実際に、企業での研修を受けるところまで行きましたが、その研修中に「これが本当に自分のやりたいことなんだろうか?」と立ち止まって考えることがあり、思い切ってSEではなく、アパレル業界でキャリアを積んでいく決意をしました。
かなり大胆な決断でしたね(笑)4大卒で販売職という流れは珍しくないですが、今のもの作りの知識はどうやって身に付けられたのですか?
販売職をやりながら、専門学校の社会人コースに通ってパターンの勉強をしました。 良い洋服を作るならパターンの知識は必須かなと思って。基本的には休みの日を使って学校に通い、課題は家でやる感じでしたね。仕事後に、夜遅くまで課題に取り組むこともありましたが、自分で決めた好きなことだったので、頑張れたのだと思います。
販売職を8年やってからの、デザイナーへの転身。一見、「販売職」と「デザイナー」は全然別のキャリアですが、そこの連動性はありますか?
確かに知識・スキルの部分では全く違いますが、仕事の根幹である「お客様のため」というのは変わらないと思います。販売をやっていた頃は、来店して下さる顧客様の満足を第一に考えていて、今は取引先のバイヤーさん、もっと言うと商品を買ってくれるお客様をイメージしながらデザインをしているので、仕事の視点そのものは販売職とかデザイナーとか関係ないと思います。
2つの職種を通して、ファッション業界でのキャリアは10年以上になるわけですが、ファッション業界でキャリアを積む魅力って何でしょうか?
うーん…難しい質問ですね(笑)。私の場合、洋服しか選択肢として思いつかなかったから。ただ、こういう時代だからこそ「好きなことを仕事にする」って大事なんじゃないでしょうか。別にどの業界、企業、仕事をとっても安定性なんてあるようで無いものですから。なんて言うか、「自分の存在意義」みたいなものを感じられる仕事をするってすごく大事だなって思います。
最後に、ファッション業界の若手にメッセージを頂けますか?
目の前のこと、任せれた仕事をきっちりやることってとても大事だと思います。目標ややりたいことがあると、そこに意識が行ってしまい、足元が疎かになりがちですが、大きいことは日々の小さなことの積み重ねですから。 うちでもインターンを受け入れたりしますけど、掃除ひとつお願いしても、言われたところだけやる人と、言われていなくても自ら気付いて隅々までやる人がいて、やはり将来伸びしろがあるのは後者のタイプかな。それこそ、企業の中にいると、職場には何十人と人がいるわけですから、そういうところって必ず誰かが見ていて、絶対評価してくれると思いますよ。若い時だからこそ、がむしゃらに頑張ってほしいですね。
自身の夢を実現した倉橋さんから出てくる言葉は、どれも重みがあり、納得させられるものでした。
倉橋さん、お忙しい中ありがとうございました!!
ほかにも読み応えのあるインタビューが続々。
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