Fashion★シゴトNEWS
2016.12.05
口頭での内定は成立する?!(3分で解決!ありがちトラブル相談室 vol.01)
こんにちは。クリーデンスキャリアアドバイザーの丸山です。
アパレル業界から人材業界に転身して12年が過ぎました。
その間に2,000人以上の方とお会いさせていただき、
500人以上の方の転職をサポートさせていただきました。
(自慢?いえいえ、長くやってこられたのは皆様のおかげ。感謝、感謝です。)
この仕事をしていると、様々な相談事を頂きます。
転職に関することから普段の実務に関すること、人間関係から、
恋愛相談(そのあたりの相談は苦手でお役にたてませんが)を承ることもあります。
その中でも“よくある相談”をピックアップして、皆さまの転職活動やお仕事に活かしていただければと思い、
今回新たに「ありがちトラブル相談室」というコンテンツを立ち上げることとなりました。
よくよく起こりそうなトラブルを例に挙げて、解決のヒントとなるような話ができればと思います。
よろしくお願いいたします。
1回目の相談室は「内定」に関する話です。
転職活動をしている中で、やはり最高の瞬間は「内定」を勝ち得た時だと思います。
作り慣れない履歴書・職務経歴書を用意し、緊張する面接を突破してようやく掴んだ「内定」。
そんな最高の瞬間である「内定」も、時には思いがけないトラブルになってしまうことがあります。
今回は残念ながら、そんなトラブルに遭ってしまったAさんのお話です。
- パタンナーのAです。転職活動中です。
活動を初めて早3ヶ月、なかなか内定に至らずちょっと落ち込みがちです。
そんな中、ある小さいアパレルメーカーの最終面接で面接官より
「年収400万円であなたを採用したい。」と言われました。
ようやくもらった「採用」という言葉、天にも上る気持ちで、
その場で、「入社をお願いします。」と答えました。
ところが後日、
「Aさんの後に会った方が良い方で、その方を採用するので、Aさんはお見送りしたい。」
との連絡が入りました。
わたしは、「面接の中で採用していただける話を頂き、自分も入社すると即答した。」と主張しましたが、
企業からは「書面を発行していないので、正式な内定ではない。」
と受け付けてくれず、困り果てています…。
口約束では、内定(労働契約)は成立しないのでしょうか?
困った話ですね。実は今回のような口頭での内定に関するトラブルは非常によくあります。
まさに「ありがちトラブル」です。
さて今回のAさんの場合、法的には口約束でもあっても内定(労働契約)は成立します。
従い、会社、個人ともに、安易な発言、回答は避けるべきでしょうね。
ただし現実的な話をすると、口約束の内定を立証することは非常に難しく、
個人側が泣き寝入りするしかない場合がほとんどだと思います。
今回のAさんも内定を立証することは難しいでしょう。
安易に発言を翻すようないい加減な会社は、こちらからお断りして
新たな気持ちで別の会社に向けて転職活動をされることをお勧めいたします。
現実、内定に関する書面を発行しない会社が多いですが、
後になって「言った、言わない」のトラブルにならないためにも、
必ず証明できる書面をもらっておくべきですね。
法的にも、一定の事項について文書等の労働条件の明示が労基法で義務づけられています(第15条1項)。
遠慮せずに、書面発行(メールでも構いません)をお願いしてください。
また、書面発行がされる前の現職企業への退職交渉や他言は避けるべきです。
内定は労働契約という契約になります。
契約であるがゆえに書面が絶対に必要であると肝に銘じてください。
初回の「ありがちトラブル相談室」はこれでおしまいです。
お付き合い、ありがとうございました。
ご意見、感想、もしくはご相談等ございましたら、ぜひご連絡ください。
それでは、次回の「ありがちトラブル相談室」まで、さようなら。
筆者紹介
キャリアアドバイザー
丸山
米国CCE公認 GCDFキャリアカウンセラー。
1963生まれ。大学、ファッション系専門学校卒業後、1988年に株式会社ニコルへ入社。レディース、メンズのMDを経験した後、企画室マネージャーとして新規ブランドの開発やライセンスの管理に携わりました。その後2004年にクリーデンスへ入社し、以来、キャリアアドバイザーとして企画系専門職を中心にこれまで500名以上の転職をサポートしています。
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