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2019.06.13

アパレル・ファッション業界の 「2018年度 年間賞与支給額」を調査 慢性的な労働力不足を背景に、前年よりも年間4万円アップ。年間支給額は61万円に

クリーデンスでは、アパレル・ファッション業界の「2018年度 年間賞与支給額」について調査を行いました。
本調査は、2018年の「クリーデンス」転職支援サービス登録者、および求人のデータを集計したものです。


2018年度の平均年間支給額は61万円で、前年よりも4万円アップ

2018年度の全体の平均年間支給額は約61万円で、前年よりもおよそ4万円アップしました。

年代別では、25~29歳が53万円、30~34歳が64万円、35~39歳が75万円でした。それぞれの年代の平均年収から換算すると、1回あたりの支給は、月収のおよそ0.9カ月分という結果になりました。
職種別では「MD・バイヤー」は98万円、「プレス・販促・VMD」は74万円、「営業・店舗開発」は77万円と、順調に増額しています。賞与の支給額は月収に基づいて決められることが多いため、これらの職種の年収の高さが、賞与支給額の高さに結びついていると言えます。

加えて、「MD・バイヤー」は、ブランド全体の商品計画や販売計画の立案など、ブランドの売上を左右する幅広い業務を担っていること、また「営業・店舗開発」は、社員の成果が数字に表れやすいことなども、賞与支給額が高い要因の一つとなっています。


賞与の「支給あり」が前年よりも5ポイントアップ

2018年度の「クリーデンス」の求人を見ると、賞与の支給がある求人は全体の47%で、前年の42%よりも5ポイントアップしました。

支給額の増額や、支給する企業の増加の背景には、慢性化した労働力不足があると考えられます。そのため賞与の支給がない場合でも、インセンティブが支給される求人は多く、全体では「賞与あり」を上回る68%の求人で、何らかのインセンティブの支給がありました。

特に、「営業・店舗開発」や「店長・販売」など、成果が数字に表れやすい職種で、その傾向が顕著に表れていました。


解説:労働力不足を背景に、雇用条件を見直す企業が増加

賞与支給額や支給企業の増加は、アパレル・ファッション業界で働く人々にとってポジティブなニュースである一方、その背景には深刻な労働力不足があります。多くの企業が人材獲得のために雇用条件を見直しており、賞与もその項目の一つです。

2019年2月に「クリーデンス」が発表した「ファッション業界 職種別平均年収2018年版」では、30代後半から給与の格差が拡がり始めていることが分かりました。賞与は成果に基づいて支給額が決まるため、給与以上にその傾向が顕著に表れていて、30代「デザイナー」に1年間で給与の8カ月分、また20代「販売職」に9カ月分の賞与が支給されたケースもありました。全体の雇用条件を底上げすると同時に、社員一人ひとりの成果も評価されていると言えるでしょう。

2019年も続くであろうアパレル・ファッション業界の労働力不足を解消するためには、条件や環境だけではなく、企業全体の意識なども含め、さまざまな側面から改革に取り組む必要があります。特に、報酬面の見直しは、アパレル・ファッション業界で働く人々、そして転職希望者から、最も期待されるテーマの一つと言えるでしょう。
(クリーデンス 事業責任者 河崎 達哉)


調査概要

■調査期間:2018年1月〜2018年12月
■対象:[1]クリーデンス転職支援サービス登録者、[2]新規受領求人
■調査方法:[1]登録時、および[2]受領時の賞与データより算出

解説者プロフィール

クリーデンス 事業責任者 河崎 達哉(かわさき たつや)

1984年、兵庫県生まれ。
2008年、株式会社インテリジェンス(現社名:パーソルキャリア株式会社)入社。
キャリアアドバイザーとして、IT・ウェブ領域や金融、医療を担当。
また、さまざまな業界のハイクラス層の転職も支援。
これまでに支援した転職希望者は、1,500名を超える。
キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーを経て、
2019年4月からは「クリーデンス」の事業責任者として、
アパレル・ファッション領域の人材サービスをけん引している。

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