アパレル・ファッション業界「2019年 年間賞与支給額」を発表　平均年間賞与支給額は59万円と前年割れ。一方、賞与支給率は12.9ポイント上昇

アパレル・ファッション業界の「2019年 年間賞与支給額」について発表しましたので、結果をお知らせいたします。
本調査は、2019年1月～12月の間に、「クリーデンス」に登録したビジネスパーソンのデータ、およびクリーデンスが受領した求人データをもとに算出したものです。

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平均年間賞与支給額は前年よりも2万円ダウン。2020年はファッションテックがキーワードに

2019年の全体の平均年間賞与支給額は約59万円で、前年よりもおよそ2万円ダウンしました。また、賞与の回数や平均年収から、1回あたりの支給額を換算すると、月収のおよそ1.1カ月分という結果となりました。

年代別の支給額は、25～29歳が52万円、30～34歳が62万円、35～39歳が71万円でした。

職種別でみると、「MD・バイヤー」の86万円が最も高く、次いで「営業・店舗開発」の71万円となりました。これらの職種は、企業やブランドの売上・業績に直接関わることから、賞与支給額が高くなったと考えられます。また、賞与は月収をベースに算出するため、給与自体が高いことも要因の一つと言えるでしょう。

2020年の平均年間賞与支給額は、新型コロナウイルスの影響を受け、実店舗の売上が苦しい状況が続いたことから、2019年と比較して、横ばいまたは減少すると想定されます。

しかし、このような状況を打破するために、EC化率の向上やオンライン接客など、ファッションテックを加速させる企業が増加しています。そのため、2020年は「デジタルマーケティング」「EC運営」「ITエンジニア」など、テックに関連する職種のボーナス支給額が上がる可能性があると言えるでしょう。

賞与「支給あり」の求人は、前年から12.9ポイントと大幅にアップ。就業条件を見直す企業が増加

2019年の「クリーデンス」の求人を見ると、賞与支給がある求人は全体の59.5％を占め、すべての職種で賞与支給がある求人が過半数を超える結果となりました。

アパレル・ファッション業界では、長らく続く労働力不足により、多くの企業がこの1年で就業環境や待遇が改善に取り組んできました。特に、賞与の支給率ではその傾向が顕著に表れ、賞与支給がある求人は、前年の46.6％から12.9ポイントと大幅にアップしました。

2020年は厳しい状況が続いている一方で、ECの売上が好調に推移している企業も多く見受けられます。今後、EC化を推し進める企業がより一層増えることが想定されるため、「EC関連職種」は、賞与支給のある求人が増加すると考えられます。

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解説：2020年は、事業の立て直しに関わる職種で、賞与額が増加見込み

今回の調査では、平均年間賞与支給額は前年より下がったものの、賞与支給のある求人数は増加し、就業条件が改善されていることが明らかとなりました。

2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、実店舗の休業を余儀なくされる企業が増加したため、事業の立て直しに注力する企業が増えることが予測されます。

そのため、企業の経営改善や業績に携わるポジション、ブランド力や品質向上を担う「MD」、さらにはEC化率の向上やオンライン接客、SNSを活用した販売戦略などを推し進める「EC関連職種」においては特に、賞与額を含む待遇面のさらなる改善が期待されます。

（クリーデンス　事業責任者　河崎 達哉）

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調査概要

■調査期間：2019年1月～2019年12月
■対象・調査方法：2019年1月～12月の間に、「クリーデンス」に登録したビジネスパーソンのデータ、およびクリーデンスが受領した求人データをもとに算出

解説者プロフィール

クリーデンス 事業責任者 河崎 達哉（かわさき たつや）

1984年、兵庫県生まれ。
2008年、株式会社インテリジェンス（現社名：パーソルキャリア株式会社）入社。
キャリアアドバイザーとして、IT・ウェブ領域や金融、医療を担当。
また、さまざまな業界のハイクラス層の転職も支援。
これまでに支援した転職希望者は、1,500名を超える。
キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーを経て、
2019年4月からは「クリーデンス」の事業責任者として、
アパレル・ファッション領域の人材サービスをけん引している。