Fashion★シゴトNEWS
2020.08.03
アパレル・ファッション×EC・Webに大注目!―― アパレル・ファッション×EC・Web求人の傾向・評価される人とは?スタッフ座談会 <その1>
コロナ禍の影響で実店舗が一時閉店していた際、多くの企業がECサイトを売上の支えにしていました。これを機に、もともと「強化すべき」であったDX(Digital transformation:デジタル技術における組織・ビジネスモデルの変革)が一気に加速すると思われます。
それに伴い採用マーケットにはどのような変化があるのか?
また、アパレル・ファッション業界でEC・Webに携わるおもしろさは何なのか?
クリーデンスの営業・キャリアアドバイザーに話を聞きました。ぜひ、これからのキャリアの参考にしてみてください。
コロナ禍前後のアパレル・ファッション×EC・Web求人の変化や傾向、その背景
近年の傾向としてEC・Web領域の強化を打ち出す企業は一定ありましたが、コロナ禍以降、重要性を感じている企業はさらに増えていると感じます。では実際、EC・Web系人材のニーズは上がっているのでしょうか?
マーケットの変化により、多くの求人が即戦力採用へ
赤間(キャリアアドバイザー):2020年7月現在、コロナ禍の影響で各社の採用予算が縮小し、他職種と同様、EC系求人も減少してしまっているのが現状です。ただし、販売職をはじめ、他の流通系職種と比較するとその減少幅は少なく、採用優先度の高い職種であることは間違いないでしょう。
梅津(営業):採用ハードルも他職種と同様に上がっており、コロナ以前には一定あった未経験応募可能な求人はほぼなく、即戦力が求められています。即戦力採用の中で感じる変化としては、楽天やZOZOTOWN、Amazonといった外部モールサイトよりも、自社サイトを強化すべく、自社ECサイトの運営経験・スキルをお持ちの方が求められるようになりました。
宮内(サービス開発):自社サイト強化傾向になっている理由は大きく2つあります。ひとつはモール主導のセールやキャンペーンなどに振り回されたくないという点。もうひとつは出店料の高さから、利益率の高い自社サイトの割合を高めたいという点です。先日もとある企業から「セールやポイント還元などが乱発している外部モールよりも、戦略的にフルコントロールできる自社サイトを強化したい」という話を伺ったのですが、同様の方針を掲げる企業は増えていますね。
自社サイト強化を目指す企業の増加により、戦略的思考を持つ人のニーズが急増
梅津(営業):自社サイト運用は、外部モール運用とは必要なスキルがやや異なります。具体的には、独自コンテンツの企画・運用、それらを使ったコンテンツマーケティング、来訪者のアクセス解析や、それらを用いたサイト改善などです。単に商品を登録する、情報を更新する、という事務的な作業だけでなく、「ECサイトをどのように成長させ、売上を作っていくか」という戦略設計から入り込める方のニーズが上がっています。
もちろん、売上戦略自体は外部モールを運用する上でも必要ですが、より手掛けられることが多いという点で、自社ECサイト運用の方が求められる範囲は広くなります。
宮内(サービス開発):とはいえ、自社ECサイトを強化したい考えが前提にあったとしても、並行して外部モールへも出店している企業がほとんどです。自社ECサイトと外部モールにはそれぞれ異なる特徴があるので、それらをどう活かしながらユーザー最適化を行うか、売上のバランスを取るか、など、戦略的な計画を立てられる人が欲しい、というのが実情ではないでしょうか。
どのような経験・スキルを持つ人材が評価に繋がりやすいのか
コロナ禍における採用マーケットの変化に伴い、現在はどのような方が転職成功に至っているのでしょうか?
自社サイト・外部モール・SNSをバランスよく経験した、論理的思考を持った方
赤間(キャリアアドバイザー):自社サイトの企画・運営経験、外部モールの企画・運営経験、SNSの運営経験の3つをトータルでバランスよく経験している方が、転職成功に至るケースとして多い印象です。
コロナ前後で変化があったのは、たとえば中小企業で販売職のかたわらブログを書き、撮影し、SNSに投稿し、在庫管理から発注までしていた、というような方。コロナ前は、意欲や感度次第ではジョブチェンジに成功する方も一定いらっしゃいましたが、今はほとんどありません。未経験から応募できる求人があった場合でも、同時に経験者の応募があれば、よほどでない限り経験者が優先されるので、今の市況感において未経験からのジョブチェンジは厳しい状況です。
須藤(キャリアアドバイザー):大きな傾向としては感性的なスキルに加え、予算・売上管理やGoogleAnalyticsを使ったサイト分析など、ビジネスとして成⻑させるための論理的思考・⾏動ができる⽅が評価に繋がりやすいです。
加えて、戦略・マーケティング寄りの求人であったとしても、「HTML・CSSの知識がある人」という条件が付加される求人が増えつつあります。大企業でない限りは、EC・Webにまつわるさまざまな業務を兼務することが多いので、より幅広い業務ができる方のニーズが高まっていると感じます。
異業界での経験をアパレル・ファッション業界で活かせる方も
須藤(キャリアアドバイザー):EC・Web職種のみならず、広告代理店での経験をお持ちの方も、マーケティングの部分でアンテナを張っていて感度が高く、より上流の戦略的な要素を求める求人にチャレンジできる可能性はあります。
梅津(営業):デジタルマーケティング、CRM、CS(カスタマーサクセス)などの経験も、プラスアルファの評価ポイントです。つまり顧客を体系立てて分析し、顧客ファーストのアプローチができるかどうかということです。たとえば自社サービスのLTV(※)、外部モールから自社ECサイトへの転換率、リピーター率、購入あたりの単価、行動パターン、などを分析した上でPDCAを回すことができる方は、非常に貴重な人材であると言えるでしょう。
実際にあった転職成功例としては、洋菓子を扱うベンチャー企業でデジタルマーケティングやプロモーションを手掛けていた方。高感度な20~30代をターゲットとした成長企業で認知と売上を上げる、というご経験が評価に繋がりました。EC・Web職種は、アパレル・ファッション業界の他の職種と比べると、業界を超えた活躍がのぞめる仕事だと思います。
※LTV:Life Time Valueの略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳される。 1顧客が、自社のブランドやサービスと取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)内に、どれだけの利益をもたらしたかを算出するための指標。
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