Fashion★シゴトNEWS
2020.08.17
アパレル・ファッション業界の「夏季休暇」を調査 就業条件を見直す企業が増加し、夏季休暇「あり」の求人割合も上昇
アパレル・ファッション業界の「夏季休暇」について調査いたしましたので、結果をお知らせいたします。
本調査は、2020年1~7月までに「クリーデンス」が受領した求人データをもとに算出したものです。
夏季休暇「あり」の求人は全体の58%。7職種のうち6職種が60%を上回る結果に
夏季休暇「あり」の求人は、全体の58%で、昨年の55%から3ポイント上昇しました。
職種別でみると、7職種のうち6職種で夏季休暇「あり」の求人が、60%を上回る結果となりました。「店長・販売」のみが43%に留まった要因として、夏季休暇取得時期は、人員を強化する必要があるセール時期と重なることが挙げられます。しかし、多くの企業は、慢性的な労働力不足を解消するために、ここ数年で就業条件を改善しています。そのため、セールが落ち着いた閑散期に夏季休暇取得を奨励する企業が増え、「店長・販売」の夏季休暇「あり」の求人数は、2014年の調査開始以降、増加傾向にあります。
また、今年は緊急事態宣言が発令されたことで、4月前後は多くの店舗が休業を余儀なくされました。これにより、販売職においては1カ月ほど休みが続きましたが、地域によって休業日数にばらつきがあることや、希望した休みではないことから、休暇規定の変更を行う企業はほとんどなく、夏季休暇への影響は見られませんでした。その一方で、本社勤務がメインとなる販売職以外の職種では、勤務形態が在宅勤務へと変わったことで、従来のやり方で業務を進めることが難しくなり、スケジュールが後ろ倒しになるケースが発生しています。そのため、今年は販売職に限らず、夏季休暇が取得できる時期を延長や変更するなど、柔軟に対応する企業も見られました。
夏季休暇の平均日数は4.6日。「店長・販売」では、休暇期間が5日以上の割合が増加
全体では、夏季休暇の平均日数は4.6日となりました。
職種別でみると、「パタンナー」の平均日数は、5.1日と7職種のなかで最も高く、次いで「デザイナー」が4.9日という結果になりました。これらの職種は、自身でスケジュールを立て、仕事を進めることができるため、業界のなかでも比較的柔軟に休暇が取りやすく、夏季休暇を長期で取得する傾向にあると考えられます。
夏季休暇「あり」の求人の割合が最も少なかった「店長・販売」の平均日数は、4.6日でした。一方で、休暇期間が5日以上の割合は、昨年の52%から60%まで上昇しており、「働き方改革」の推進によって、販売職でも長期休暇が取りやすい環境に変化していると言えるでしょう。
解説:コロナ禍においても、就業環境の改善に取り組むことが望まれる
アパレル・ファッション業界では、新型コロナウイルス流行前まで、売り手市場による労働力不足が深刻化していました。とくに、今回の調査で夏季休暇「あり」の求人割合が最も少なかった「店長・販売」では、働く環境や条件などが原因で、企業の採用活動は困難を極めていました。このような状況を打破するために、多くの企業は、新たに季節休暇を設ける、シフト制でも連休を取得できるようにするなどし、就業条件の見直しを図ってきました。
新型コロナウイルスが流行したことにより、アパレル・ファッション業界の採用市場は、販売職を中心に売り手市場から買い手市場へと変化しています。しかし、これまで進めてきた就業条件改善への動きが止まることなく、より一層アパレル・ファッション業界の「働き方改革」が推進されることを期待しています。
(クリーデンス 事業責任者 河崎 達哉)
調査概要
■調査期間:2020年1月~2020年7月
■対象・調査方法:「クリーデンス」が受領した求人データをもとに算出
解説者プロフィール
クリーデンス 事業責任者 河崎 達哉(かわさき たつや)
1984年、兵庫県生まれ。
2008年、株式会社インテリジェンス(現社名:パーソルキャリア株式会社)入社。
キャリアアドバイザーとして、IT・ウェブ領域や金融、医療を担当。
また、さまざまな業界のハイクラス層の転職も支援。
これまでに支援した転職希望者は、1,500名を超える。
キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーを経て、
2019年4月からは「クリーデンス」の事業責任者として、
アパレル・ファッション領域の人材サービスをけん引している。
- クリーデンスでは求人のご紹介のみならず、
スムーズに転職活動を行うための全面的なサポートを行っています。
サービスは無料ですので、転職活動への不安をお持ちの方はぜひお気軽にご相談くださいね。 - 転職支援サービス 無料会員登録
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