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2022.03.07

<2022年最新>アパレル・ファッション×EC・Web求人の傾向、転職成功事例を語ります!スタッフ座談会

アパレル・ファッション業界における求人増加率トップクラスに君臨している、EC・Webの仕事。2年前のコロナ禍において全職種の求人が一斉に終了していった中、EC・Web系の求人の回復は早く、今後もニーズはさらに伸びるものと思われます。そこで今回は、アパレル・ファッション業界のEC・Webをとりまくトピックを皮切りに、求人の動きや企業が求める人材、転職成功事例などについてご紹介します。

編集

みなさんこんにちは。今回のテーマは「アパレル・ファッション×EC・Web求人の傾向、転職事例などのご紹介」です。
まずは簡単にみなさんの自己紹介をお願いいたします。

梅津

営業の梅津です。
大企業から中小企業、ベンチャーまで幅広い企業を担当し、採用担当者向けイベント企画なども行っています。

宮内

業務委託案件マッチングサービス「FLEXSHION(フレクション)」責任者の宮内です。
デジタル人材における業務委託ニーズの高まりから、採用担当者・仕事を探している個人の方ともに日々数多くの方々とお話しています。

黒野

キャリアアドバイザーの黒野です。自身も長く経験した販売職のご支援を中心に、最近はEC・Webやデジタルマーケティング職や人事・経理などの管理部門まで幅広くサポートさせていただいています。

赤間

キャリアアドバイザー(米国CCE公認 GCDFキャリアカウンセラー)の赤間です。営業・販売職など川下系職種からデザイナー・パタンナー、近年はEC・Web系職種まで、幅広くご支援させていただいています。


消費者行動の変化、デジタル技術の進化により、ますます拡大するファッションECマーケット

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コロナ禍をきっかけに後発ながら、アパレル・ファッション業界でもデジタル化が一気に進んでいます。中でも顕著なのはECビジネスの成長だと思います。

梅津

アパレル・ファッション業界のEC化率は、19年度13.8%から20年度19.4%まで伸びました。コロナ影響で店舗売上が落ち込んでしまったことも、割合の変動に影響していますが、それ以上にEC売上伸長が著しく、19年度のEC売上総額1兆9,100億円に対し、20年は2兆2,200億円まで伸びています。

編集

リアル店舗とECサイトがシームレスにサービス化されている、いわゆるOMO的なサービスも増えてきましたね。

梅津

オーダースーツブランドの「FABRIC TOKYO」では、顧客体験を紙ベースからフルデータ化することで、生産連携のスピードと精度が飛躍的に上がり、お直しのクレームが70%も減少したという成果も出ています。また、商品購入後は、商品の保証やクリーニング、メンテナンスなどを受けることができるサブスクリプションサービスもあります。

編集

購入後の体験価値が上がることで、リピーター化にも繋がりますね。

宮内

リアル店舗とECのシームレス化が進む一方で、販売職のEC貢献をどう評価するか?という制度づくりが各企業の課題として聞かれます。
それを解決する糸口のひとつが、コーディネート投稿とECを連携させる「STAFF START(スタッフスタート)」というサービスです。どのスタッフの投稿したコーディネートがEC売上にどれだけ貢献したか、すべてデータ管理できるため、評価指標にすることができるのが特徴です。2021年にスタートし、すでにサービス上で生み出された売上総額が1,200億円を超えたそうで、大手アパレル・セレクトショップをはじめ、多くの企業が導入を進めています。

編集

接客しても結局ECで購入されてしまう…という声が多くあったので、評価に直結することで好きな仕事を続けるきっかけになると良いですね。

宮内

販売員のコーディネート力、カリスマ力が活きるインターフェイスなので、モチベーションにもなりますし、ECと連動した店舗のショールーミング化にも繋がっていくのではないかと思います。

編集

ECサイトやアプリから購入する以外の新しい形も見られ始めていますね。

宮内

たとえば「メタバース」などはすっかりバズワードになってしまっていますが、それだけ注目されているとも言えます。
デジタル仮想空間の中でショッピングできる世界においては、販売員がアバターとなってメタバース空間でオンライン接客を行うこともできます。一般的なECサイトでは写真とテキストという平面的な情報のみですが、ここではジェスチャーや音声など、リアル店舗に近い接客ができます。

編集

オンライン上での接客・販売の仕方も多様化していく可能性が!

宮内

夢展望では昨年12月にバーチャルファッションを発表し、メタバース上のアバターとリアルの世界で、まったく同じアイテムを購入できるサービスが生まれました。アバターやデジタルファッションを生み出す3Dデザイナーの募集もIT企業などで見られ始めていますし、この先、アバター接客の求人が出てきてもおかしくないですよね。
今はまだ話題性が先行している状態で、商業としてどこまでマスに広がるかはまだ分かりませんが、この10~15年ほどで、アメーバピグやどうぶつの森などを筆頭にアバター文化自体は根付いていますので、とても興味深く、楽しみにしています。


多くの企業で中堅~リーダー・マネジメント層が不足。
売上に貢献するコンテンツ企画・編集力が必要なエディター職も注目度アップ。

編集

続いて、具体的にEC・Web関連の「求人」について伺ってみたいと思います。

梅津

クリーデンスでお預かりしているEC関連の求人は、22年1月時点で、前年比167%まで増加しています。先日の「アパレル・ファッション業界×転職市場 2021年振り返りと2022年の展望」座談会でもあったように、即戦力を求める求人が増えています。

編集

コロナ前は未経験からチャレンジできるEC運営求人も多かったですが…

梅津

未経験からチャレンジできるポジションはある程度充足したり、新卒社員が配属されたりしており、どこも中堅~リーダー・マネジメント層が不足している印象です。
年収700万円以上の求人割合がどれだけあるかを職種別に集計してみたところ、EC・Web系はMDに続いて2番目に多いことが分かりました。

宮内

MD自体がマネジメントポジションとも言え、ほかより平均年収が高い職種であることを鑑みると、EC・Web系職種でいかに中堅以上のポジションが求められているかが分かりますね。

編集

具体的にはどのような業務を行うポジションが増えているのでしょうか?

梅津

EC戦略立案や、Google Analyticsを使ったサイト分析、売上分析、新規EC・ウェブサイトの立ち上げなど、上流工程の求人が増え、重要度も高まっています。ほかには、サイト構築の部分を担うウェブディレクターやデザイナー、いわゆる「ささげ」業務を行う運用ポジション、そして、まだ少ないながらコンテンツ企画などを行うエディターなどの求人があります。

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最後の「コンテンツ企画を行うエディター」が、EC・Web系職種としてはあまり聞き慣れないような気がしました。

梅津

ECサイトの商品ページの中には盛り込みきれない、ブランドや商品、コーディネートの魅力を伝えるコンテンツを考え、作り上げる仕事です。商品ページへ誘導し、購入につなげるための企画力と、それを実現する制作力が求められており、自身でブランドディレクターやデザイナーにインタビューし、記事を書くような仕事もあります。

編集

この1~2年で、求人の業務が細分化されましたね。以前はもっとECやWeb系の業務を丸ごと担う求人が多かった印象です。

梅津

以前はカスタマーやデジタルマーケティングまでEC運営という仕事に内包している求人が多かったですね。もちろん今もありますが、EC化率や売上が一定以上になるにつれて、事業インパクトが大きくなるため、体制拡大が一気に進み、役割を細分化する企業が増えました。

宮内

越境ECに関わるポジションも増えてきましたね。
あるデザイナーズブランドでは、ブランドや商品の感性を現地の言葉でうまく伝えなければならないことから、展開する国のネイティブ人材を募集していました。感性などの繊細さが必要なポジションの場合、培ってきたスキルや技術力よりも、ファッションやブランドが好きで、その魅力を表現できることのほうが重要であったりもします。
組織が拡大し、役割が細分化されることによって、魅力的なスキルを持っていれば、ECやWebの経験がなくても活きる可能性はあると思います。

編集

求人を通じて、アパレル・ファッション業界全体で次のフェーズに入ったことが伝わります。雇用形態の多様化に関してはいかがでしょうか?フルタイムや正社員に限らず、比較的柔軟なイメージがあるのですが…

黒野

EC・Web職種に限らず、まだまだ正社員を求めるケースが圧倒的に多いですが、多様化は少しずつ進んでいます。先日、副業OKの企業で働いている方と、新しい知見が欲しいという企業のニーズがマッチして、週1~2日稼働の業務委託案件が決まりました。

赤間

同じく職種を問わず、時短勤務を希望される方が増えていますが、比較的しっかりしたキャリアがあり、自走できる方が最近時短で転職されました。ただ求人は多くないので、条件に合う企業と出会えるよう、早めのご相談や根気強さは必要です。

宮内

業務委託マッチングサービス「FLEXSHION」では、デザイナー・生産管理の次にEC・Web系案件が多いので、クリーデンスとの併用がおすすめです。LP(ランディングページ)やバナー作成などのWebデザイナー案件や、IT企業がファッション系サービスを運用するにあたり、ファッション経験者の知見が欲しいというアドバイザー的な案件が多いですね。

編集

フルタイム勤務ではない場合、「ジョブ型」のようなニーズが多そうですね。

宮内

そうですね。求められるスキルや知見がより明確であるケースが多いので、単に条件面だけでなく、採用背景にまで目を向け、何が求められており、どんな形で貢献できるのかをしっかり考えて臨むのが大切です。求人票にはそこまで書かれていないことも多いので、お気軽に尋ねていただければと思います。


アパレル・ファッション業界経験不問のケースも多く、好きなファッションの仕事に就くチャンス!
実務未経験者は、現職や副業、派遣等を活用して少しでも経験を積むことが重要。

編集

最近、EC・Web系職種で転職に成功された方の事例を聞かせてもらえますか?

赤間

販売職などからECやWebに関連する仕事に就きたい、という方が多いと思いますので、ひとつ事例をご紹介します。
セレクトショップで販売職をしており、個人のInstagramが1,000名以上、WEARは3,000名以上のフォロワーをお持ちの方でした。感度の高さに加え、企業が伸ばしていきたいSNS領域への積極性と実績が評価される形で、ECアシスタントとして転職成功されました。
フォロワー数や投稿数、投稿頻度など、数値でアピールできる情報はどの企業にも伝えやすいので、職務経歴書に盛り込んでおくと良いアピールになります。

宮内

単に数が多ければよいということでもなく、発信の意図や伝えたいことが何なのか?もあわせて準備しておくと良いです。書類では数値を評価し、面接では発信意図を確認する、というケースが増えています。

編集

ECやWeb経験のある方はいかがでしょうか?

黒野

EC専属ブランドMDの方が、自社のデジタル投資への動きが鈍いことを懸念し、ECやWebを使って事業成長させたい!というスタンスの企業へ転職されました。先ほどもあったように、戦略目線を持った方の企業ニーズが非常に高いので、EC×MD経験は多くの企業が求めていると思います。

編集

異業界からアパレル・ファッション業界に転職するケースはありますか?

黒野

美大卒に加え、専門学校で服飾の勉強をされた方が、アート系の代理店で自社ECサイトの立ち上げなどを経験し、アパレル企業のECポジションで転職成功されました。EC経験が豊富だったわけではないのですが、デザインやアートなど、感性の部分で面接官と話が盛り上がり、お互いにカルチャーフィットしての決定でした。

赤間

生活日用品メーカーにて、アルバイトの方と2名で自社ECとモールのすべてを運用していた方が、比較的幅広い役割を求めるECサイト運営求人に応募し、転職されました。20代でこの経験はすごい!と高い評価を受けての内定でした。アパレル業界で働きたいというご本人の意向が高く、その熱意も伝わったと思います。

黒野

異業界から転職される場合、この方のようにご自身の経験を好きなファッションの世界で活かしたい、という志望理由が多いですね。アパレル・ファッション業界での経験よりもEC・Webスキルを重視する求人が多いので、チャンスはたくさんありますよ!

編集

いずれも一定の経験が評価されての転職成功ですが、未経験や経験の浅い方がチャンスを引き寄せるには、どのようなことが必要でしょうか?

赤間

職業訓練や学校で学んだ、というだけでは苦戦するケースがほとんどです。小さなものでも何らか「仕事」と呼べる実績を作ることが重要です。

編集

「仕事」と呼べる実績はどのように作ればよいでしょう?

赤間

まずは現職で、少しでも目指す仕事に近い業務に携わることです。ただ、その糸口がないために転職を、と考える方もいらっしゃいますよね。

宮内

副業OKの企業であれば、たとえばランサーズのようなサービスを活用するのはいかがでしょうか。コツコツと実績を積み重ねることで経験が積めますし、アピールポイントを増やすこともできます。また、一時的に派遣をうまく活用するのも良いかもしれません。

黒野

「これからはEC・Webだよね」という漠然とした動機だと、企業も「この人と一緒に働きたい!」とはなりません。経験の浅い方ほど、意欲やポテンシャルが重視されますから、目指す仕事に就くために努力し、何らかの成果を生み出すこと、それを企業のニーズに合うようアピールすることの2つが重要です。そのために明日からできることを考えてすぐ行動にうつすことが、一番の近道だと思います。


どんな形でアパレル・ファッション×EC・Webの仕事に携わりたいのかを明確に。
未来につながる「今」の過ごし方とは?!

編集

今後ますますマーケット成長が期待されるファッション×ECですが、転職を考えている方や、これからその道を目指したい方に対してメッセージをお願いします。

梅津

転職を機にEC職へジョブチェンジしたいというご相談がとても増えています。正直狭き門ではありますが、それでも目指したい方にお伝えしたいのは、「現職の経験」です。
ポテンシャルをはかるにあたり、職種が変わったとしても活躍していただけるかを判断したい、という面接官の声をよく耳にしますので、まずは今の仕事で成果を積み上げることを大切にしてください。
そのために考えたこと、行動、成果、それらを目指す仕事でどのように活かせると考えているか…そのすべてがアピールポイントになる可能性があります。
応募可能な求人が出てきたときに思い切り挑戦できるよう、ぜひお手伝いさせてください。

宮内

ファッション業界のECはまさに過渡期にあると感じています。日を追うごとにWeb上の新たな販売手法が出現し、それに伴い業務も多様化しています。EC市場の拡大により、これまででは想像しえないご自身のご経験が活かせる業務や、身に着けるべきスキル・経験も様々になってくることが予測されます。
一概に“EC”という職種ではなく、ECに携わる中でもどのような経験を活かし磨いていくのか、キャリアの棚卸とともに、その先の未来を描くお手伝いをさせていただければと思います。

黒野

コロナをきっかけにデジタル領域の成長が一気に進んだアパレル・ファッション業界ですが、いわゆる「バブル採用」は落ち着き、今後は事業戦略に合わせて的確に必要なスキルを持った人材を採用するフェーズに入っています。
ご自身がどのような思いで経験を積んできたかはもちろん、企業がこれからどのように成長しようとしているのかを見極めることも大切なので、ニュースサイトやSNSなどを通じてさまざまな情報にアンテナを張ってみてください。
単純に経験の有無だけが転職の成功を確約するものではありませんので、職務経歴書の書き方や企業ごとの面接対策、自己研鑽の方法など、さまざまな角度から全力でお手伝いできればと思います。いつでもご相談くださいね!

赤間

ここ1~2年のコロナ影響で、人々の生活様式、消費行動が大きく変化し、アパレル業界の求人動向、人気職種も大きく変化を遂げた期間でした。今後は店頭とオンラインの結びつきがより一層大事になると思いますので、店舗でお仕事をされている方は、店頭だからこそ発信できるSNS施策など今できることを着実に積み重ねていってください。
ECの経験がある方は、スピードの速い世界ですので、より新しいテクノロジーやシステム・ツールの習得やスキルアップを目指していただく一方で、ご自身のやりたいことを明確にすることがとても大事なので、キャリアや今後について少しでも迷われた際には、ぜひご相談ください!

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