Fashion★シゴトNEWS

2024.05.07

一人の人間としてお客さまに興味を持ち、感動を生み出す接客を―― SC接客ロールプレイングコンテスト全国大会優勝 SHIPSなんばパークス店 店長 井上さんインタビュー

私たちクリーデンスは、アパレルをはじめとするファッション業界で販売員としてはたらく人が、これまで以上にやりがいをもってイキイキとはたらくことができる状態をつくるために「販売員価値向上プロジェクト」を立ち上げ、さまざまな取り組みを行っています。今回は、第29回SC接客ロールプレイングコンテスト全国大会のファッション・物販部門で優勝した、SHIPSなんばパークス店 店長の井上 裕文さんにインタビュー。コンテスト出場について、普段接客で心がけていることについて、お伺いしました。

もくじ

ロールプレイングコンテストを通じて「人」を通じた接客の大事さを改めて実感

まずは経歴を教えてください。

大学3年生のときにアルバイトで入社し、その後、正社員になってシップス一社で働いています。店長歴は11年ほどになり、現在は、なんばパークス店で店長として勤務しています。トータルでは20年ほどになります。正社員登用と同時に、社内研修の参加やロープレ指導などを担当し、直近は関西エリア全体における、接客指導の取りまとめ役も担っています。

SC接客ロールプレイングコンテストに出たきっかけや意気込みを教えてください。

実は、今回2回目の全国大会出場で、再チャレンジなんです。
1回目の大会に出たときのフィードバックで「井上さんの接客はコンテスト向きではない」と評価を受けていたので、かなり不安に感じていました。でも、どうにか結果を出すことで風穴を空けたい!という想いで今回は臨みました。

今回、ファッション・物販部門で優勝されましたが、実演後の手ごたえはありましたか?

コロナ禍を経て、採点基準が昔と変わったように感じた部分もあったので、正直なところ、手ごたえはありませんでした。
そこで大会後に、自分がなぜ選ばれたのかをふりかえり、「お客さまとカジュアルに何でも話す自分自身の接客スタイル」を貫いたことが評価されたのではないか、と考えました。

たとえば昨今はECやインスタライブなどのツールが盛り上がっていて素晴らしいと思います。ただ、やっぱり最後は販売員という“人”を通じて、どのように買っていただくのかが大事だと改めて感じました。そこの付加価値がより追求される時代になっていると思います。


日々の接客や大会を通じたフィードバックのすべてを自分の接客に落とし込んでいった

この大会に向けて、どのような意識や準備をしてきたのでしょうか?

日々の接客をする際、常にコンテストをイメージして対応していました。たとえば、「こういう提案をしたら、お客さまからどういう反応があるのか?」などをいつも以上に意識し、改善点や自信の強み・弱みを日常的な接客の中でふりかえり、コンテストに活かせるように準備しました。

全国大会に出場するまでには、3回の地方大会があったので、審査員の方からいただいた客観的な評価はすべて受け入れて自身の接客に取り入れました。こういうときって、自分の考えと異なり納得できないような意見をいただくこともあると思いますが、どのような意図で言われているかを考え、自分なりに咀嚼して自分流の接客に落とし込んでいきました。

経験を重ねると周りからの意見をうまく聞き入れられないこともあると思いますが、そこを大事にされたのが優勝に繋がったのですね!ところで井上さんがアパレル業界の販売職に就いたきっかけは何だったのですか?

シップスに入社する前はスターバックスでアルバイトしていたのですが、周囲から接客の姿勢を褒められることが多く、自分は接客が向いているんだ、と感じたことが何よりの理由です。
もともと洋服が好きだったこともあって、飲食よりもゆっくりと接客ができるアパレルを選びました。


SHIPSの看板を借りて、自分の個人商店をやっている感覚

20年という長いキャリアの中で、井上さんが接客でこだわっていることはありますか?

自分の接客を通じて、「こんな接客受けたのは初めて!」と感動してくれる人を増やしたい。その一心ですね。販売員として、今でも向上心を持って続けられている理由の一つだと思っています。

お店のスタッフからも、初見のお客さまの対応にも関わらず「さっきのお客さま、お友達ですか?」と聞かれるくらい盛り上がったりして(笑)。なぜそんなに話が盛り上がるのか?と、よくスタッフから聞かれますが、自分はファッションだけでなく、お客さまそのものに興味を持っているので、純粋に色んな質問が出てくるんだと思います。

そんなお客さまとの思い出深いエピソードはありますか?

神戸店から、大阪の万博公園にあるららぽーとエキスポシティ店に異動になったことがありました。同じ関西でもまったく異なるエリアなのですが、それでも自分に会いに来てくれるお客さまがたくさんいらっしゃったのはとても嬉しかったですね!逆に、自分も神戸店に出向いて、顧客の方を接客することもありました。

また、これまで16年のお付き合いのある顧客の方が何名かいらっしゃるのですが、その中のお一人で、当時は小学生だったお子さまの卒業式のコーディネートを担当し、今では大学卒業式のコーディネートまで担当させていただきました。とても感慨深い体験をさせていただいたな!と思います。

どちらもすごく素敵なエピソードですね…!そんな井上さんだからお客さまが会いに来てくださるのが伝わりました。

そう言ってもらえると嬉しいですね。「井上裕文」という一人の人間として、お客さまとコミュニケーションを取ることを大切にしています。SHIPSという看板を借りて「井上商店」をしているという感覚ですね!(笑)

これからアパレル業界を目指す人に伝えたいことはありますか?

他の業界の仕事と比べると給与水準が低いなどネガティブな情報もありますが、販売をしたい!という想いがあるなら絶対トライすべき!と伝えたいです。
また、今販売の仕事をしていて悩んでいる方には、「●●だから辞めよう」とすぐに諦めないで欲しいと思います。どういう決断をするにしても、本当に自分の想いを会社にアピールできているのか?それだけの行動ができているか?をまずは考えてみてください。

自分自身も辞めたいと思うことはありましたし、「自分の頑張りが評価されていない!」と不満に思った瞬間もありました。しかし、そのときに他責にせず、頑張ったことを本当に会社にアピールできているのか?と自問自答して、正しく会社にアピールすることを心掛けました。


一人の人間としてコミュニケーションを取り、安心と信頼、そして感動を提供できる仕事

最後に、井上さんが考える販売員の価値とは?

お客さまの気持ちや生活を豊かにできる仕事です。テーマパークのキャストと同じで、お客さまにハッピーを与えられる存在であり、商品以外の付加価値を与える存在だと思います。

近年よく、「販売員に声を掛けられたくない」というネガティブな意見を耳にします。
その背景には「売りつけられたらどうしよう…」といったお客さまの心理があると思いますが、お客さまに興味を持ち、一人の人間としてコミュニケーションを取ることで安心感と信頼感を持っていただき、自分の接客に感動してくれたお客さまがまた来店してくださいます。
販売員は服を売るだけじゃない、色んな話ができて色んな情報・価値観を知ることができる仕事だと思います。

今回のインタビューを担当しました!

キャリアアドバイザー

荒井

荒井 慎也(あらい しんや)

新卒でセレクトショップに入社し、店長、エリアマネージャー、ブランドの販売指導や研修など、接客・販売にかかわるさまざまなポジションを経験したのち、クリーデンスのキャリアアドバイザーとして転職。
前職でのこれらの実体験を活かして、販売職の方を中心にサポートしながら、販売員のこれまで以上の価値向上を目指している。
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